麟が自己紹介を終えると、それを待っていたのだろう。麟の自己紹介中座っていた教師が立ち上がりクラスに呼び掛ける。
「お前らも竜胆に質問とかしたいだろうが、それは休み時間にしとけよー。とりあえず、竜胆の席は......」
教師がクラスを見渡すと真奈が元気よく答える。
「まっつーん!桜の隣が空いてまーす!」
「そーか。上枝の隣が空いてるか。じゃあ、竜胆の席はあそこな。」
「はい。」
「上枝ー。確かお前生徒会だったよな?竜胆に後で校舎軽く案内しといてくれ。」
「は、はい。分かりました。」
そういうと、教師は麟が席に向かうのを確認するとHRの準備を始めた。
麟が席に座ると、隣に座る桜へと話しかける。
「えーと、上枝さんだったよね。竜胆麟です。よろしくね。」
「うん。上枝 桜(かみえだ さくら)よ。よろしくね。」
お互い挨拶を交わす二人を真奈はにやにやと見つめていた。
HRが終わりその後の授業も桜が教科書を見せることで無事終わり、休み時間へと入ったとこで真奈が誰よりも早く立ち上がり、クラスに呼び掛けた。
「みんな!竜胆君に質問とかたくさんあると思うけど桜に校舎案内させてあげて欲しい!!」
そういうと、クラスのみんなは仕方ないと麟のとこへ向かうのは後にすることにするのだった。
「てなわけで、あたしは伏屋真奈!桜とは高1からの付き合いだよ。よろしくね。」
「竜胆麟です。よろしく。」
麟と真奈が軽く挨拶を済ませると真奈は桜の方を向く。
「じゃあ、さくっと校舎ツアーにしゅっぱーつ!!」
「ちょ、ちょっと真奈。放課後じゃないとそんなに回れないわよ。」
「あっ!?それもそっかー。じゃあとりあえず購買と秘密の食事処だけ案内するよー!竜胆くんもそれでいい?」
「あ、ありがとう。」
「真奈ったら強引なんだからー。竜胆君もごめんなさいね。」
「大丈夫です。」
桜が申し訳なさそうに麟を見ると麟はそれを笑顔で答える
「二人ともーなにしてんのー?はやくはやくー!!」
教室の入り口で呼びかける真奈のもとへと二人は向かった。
「いやー、やっぱり購買はすごかったねー。」
「ふふ。本当ね。」
「竜胆君は大丈夫だったー?ちゃんと買えた?」
「うん。」
「そっかー!なら良かった!!それじゃあ今から特別なとこで食べよーね!」
「特別なところ?」
「ふっふっふ。凄い良いところだよ!ね!」
「ええ。そうね。特別な気分になれるわよね。」
「へー。なんか楽しみです。」
「そろそろだよー」
そういうと、真奈は屋上へと繋がる階段を登り始めた。
そして屋上へと通じる扉の前へ行く。
「さあ!桜さん。お願いします!!」
「はいはい。」
そういうと、桜はポケットから鍵を取り出し、その鍵を扉へと差し込む。
「桜はねー、優等生だから屋上の鍵を先生から渡されてるんだよー。だから本来は入っちゃダメな屋上にも入れるんだよねー!」
「そうなんだね。凄い信用されてるんだね。」
「ありがとう。」
そんなことを話ながら屋上へと入るとそこには1人先客がいた。
その先客は長い棒のようなものが入った袋を抱え屋上のど真ん中で爆睡しているのであった。
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