屋上から4人が教室に戻ると修羅がクラスを見渡して首を傾げた。
「ん?なぁ、祐介のやつどうしたんだ?いつもならこの時間はもう席いるだろ。」
「もーーー!サボってるから分かんないんだよ!!祐介君は今日は槍術部で練習試合あるから休みだよ。桜、そうだよね?」
「えぇ。確かそうだったわ。」
麟は聞き覚えのない名前に修羅に訪ねた。
「修羅、祐介って誰なの?」
「今日いねぇなら知らねーか。祐介ってのは超ど真面目な奴で、普段は俺が教室来たら突っ掛かって来るんだよ。」
「それは修羅が真面目に出ないからいけないんだよ。それと槍術部の部長で、修羅と同じスポーツ推薦組なんだよー。一年生の時は僕と桜と修羅と祐介君でよくいたんだー。」
「竜胆君ともすぐに仲良くなれると思うわ。」
「そうなんだね。会えるのが楽しみだよ。」
「っと、そろそろ時間だな。席もどろーぜ。」
そうして4人は席にもどるのだった。
「よーし、お前らこれで今日のHRは終わりだ。気を付けて帰れよー。」
担任の挨拶が終わり、それぞれが席を立ち帰りにどこ行くか等を話しているなか、真奈と修羅が麟のもとへくる。
「よーし、授業も終わったから校内ツアーの続きをしよう!!」
「伏屋、放課後どこ行くか決まってんのか?」
「まだ決めてないよー。桜は行きたいところある?」
「どうしましょうね。色々行けるところはあると思うのだけど......」
「それなら旧校舎行こうぜ!」
「えー、あそこ行くの?放課後は暗いから嫌だよ。」
「いや、ぜってぇ面白いぜ。麟も行きたいだろ。」
「旧校舎って初めて聞いたんだけどここって、そんなのもあるの?」
「あぁ。あるぜ!しかも七不思議もある。」
「へー。それは面白そうだね。」
「だろぅ!!」
「竜胆君が言うなら仕方ないけど......桜も大丈夫?」
「そうね。暗くなりきる前には帰りましょう。」
「よっしゃぁ!決まりだな」
そう言うと修羅は嬉しそうに歩き出す。
そんな修羅とは対照的に真奈と桜はとぼとぼとついていくのであった。
「そろそろ旧校舎に着くぜー.......ってあいつは。」
修羅が視線を向けた先には身長190cm近くのがっしりとした体格で短く切り揃えられた髪型の男子がいた。
「あれー、祐介君じゃん!どうしたの?今日は休みじゃなかった?」
「よぉ、ちょっと忘れ物を取りにな。ん?見かけない顔だがそいつは?」
「今日から来た転入生だよ。今学園の案内で旧校舎行く途中だ。」
「初めまして。竜胆麟です。」
「そうか。俺の名前は加勢神祐介(かぜかみゆうすけ)だ。よろしくな。」
そう言うと祐介は手を差し出し麟もその手を握り返す。
「そうだ!!祐介君も一緒に来ない?僕と桜じゃ修羅が何かしでかしたら止められそうになくて......桜もいてくれた方がいいよね?」
「そうね。加勢神君も竜胆君と仲良くなってくれると嬉しいわね。」
「伏屋の言い方はなんか気になるけど、どうする?祐介も来るか?」
「そうだな。折角の機会だし行かせてもらうよ。竜胆もいいか?」
「勿論だよ。」
そうして4人は5人となり、旧校舎の入り口へとむかうのだった。
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