「あーーーー!!また修羅のやつここでサボってるよ!」
麟達が屋上につくとそこには昼寝をしている先客がいた。真奈がその先客を見るやその男の元に向かって頭を叩く。
「起きろーーーー!!このサボり魔!どうやってここに入ったんだよ!!」
バチーンと大きな音が響き渡る
「いってーーーーーー!!!なにしやがんだ!この怪力女!!」
「何って寝てるあんたを起こしてあげたんだよ!」
「起こしてあげただと!?ふざけんなっ!?人が折角気持ちよく寝てたのによぉ!」
「ふーんだ。僕たちのお昼の邪魔だから早くどこかに行きなよ!」
修羅と呼ばれた男と真奈のやり取りを困惑しながら見ていた麟だが、隣の桜を見ると笑顔を浮かべていた。
「全く。二人ったら本当に仲良しなのね。」
「んだと!?だれがこんな怪力女と......って上枝の隣にいるそいつだれだ?」
「こんなとこで寝てるから分かんないだよ!彼は今日うちに転校してきた竜胆麟君。ほら、クラスメイトなんだからちゃんと挨拶しなよ!」
「へぇー、転校生か。俺は綺堂修羅(きどう しゅら)だ。よろしくな!」
「竜胆麟です。よろしくね。」
修羅は麟の前に来ると挨拶をしながら手を差し出す。麟もその差し出された手を握り返し笑顔で挨拶を返す。
「ほーう。竜胆、お前何か格闘技やってんのか?」
「まぁ。一応ね。」
「えーー!!竜胆君格闘技何かやってたんだ!!全然分からないや。見た目はこんなにも優しそうなのにね。桜もそう思わない?」
「そうね。竜胆君が格闘技やってるのは創造しづらいわね。」
「そうかな?」
「そうだよー。修羅はよくわかったね。」
「へっ、まあな。俺もかりにはスポーツ特待で入ったからな。それより、お前らここで飯食うんだよな?折れも竜胆と話したいから混ぜてもらうぜ。」
「そうだったーー!!お昼食べる時間無くなっちゃうよ!!桜、早く食べよ。修羅も仕方ないから優しい僕が特別に許可をしてあげるよ!」
「ふふ。そうね。竜胆君もお昼食べましょう。」
「そうだね。」
そうして四人は桜の持ってきたシートに座り昼食を食べ始めるのだった。
「そういえば、綺堂君はスポーツ推薦って言ってたけど何のスポーツやってるの?」
「あー、修羅でいいぞ。クラスメイトだしな。俺はこれをみてもらえば分かると思うけど剣道やってたんだよ。かなり強かったぜ。」
そういうと、修羅は持っていた棒状のものを包んでいる袋をほどくと中からは竹刀が現れた。
「本当に修羅は強かったのにねー!剣道やめるなんてもったいないよ!!」
「えっ!?やめちゃったの?」
「まーな。色々あってな。まぁ剣道自体は好きだからこうして竹刀はずっと持ってんだよ。それより、綺堂お前は何やってんだ?その手かなり鍛えてるだろ。」
「あ、それは私も気になるわ。」
「僕もーー!!」
「えーと、父さんの知り合いの人からちょっとした護身術を教わってるんだ。何かあったときに身を守れるようにしとけって。」
「へー。護身術か。面白そうだな。麟、食後の運動に俺と手合わせしねーか。」
「ちょ、ちょっとこのバカ修羅!!何言ってるんだよ。竜胆君は無理してこのバカに付き合わなくていいからね。」
「綺堂君、竜胆君は転校してきたばっかりなんだから、危ないことさせちゃだめよ。」
「分かってるよ。竜胆がやらねぇなら無理強いしねぇよ。ただ、俺は竜胆とやってみてぇ。男ならこう拳で語るのも悪くねぇだろ!?竜胆はどうだ?」
麟は自分をじっと見つめる修羅の顔を見てじっと考えるとその口を開く。
「軽くならいいよ。」
「はっ。そうこなくっちゃな!!」
「ちょ、ちょっと!!桜、どうしよう。」
「もう、仕方ないわね。真奈、私たちは離れたところにいきましょう。」
「止めないの!?」
桜と真奈が離れたところに行ったの確認してから修羅と麟は屋上の真ん中でお互い構える。
修羅は竹刀を上段に構え、麟は右足を前に出し、体を半身に開くと右手を前に左手を後ろの腰に当て、構える。
「時間もあんまりねぇからな。いくぜぇ!!」
その声と共に修羅は体を前に動かしそれと同時に麟めがけて竹刀を振り下ろす。
麟は振り下ろされる竹刀を力が入りきる前に前に構えた右手で弾き、竹刀の向きを反らす。
そしてすかさず左手を修羅目掛けて突く。
それを察した修羅は竹刀を斜めに切り上げる。
それを麟はバックステップで避け、お互い構え直す。そして二人が再びお互いに向かって走り出す。
「二人ともストーーーップ!!!次の授業始まっちゃうよ!!」
真奈の声が二人を止める。
「くっそーー!時間切れか。それにしても麟、お前やるじゃねぇか。いやー、久々に楽しかったぜ。」
「修羅こそ。本当に強いんだね。僕も久々にいい稽古になったよ。」
「おうよ。それじゃあ、改めてよろしくな!」
「うん。よろしくね!」
「ふふ。二人ともすっかり仲良くなったわね。それじゃあ、教室に戻りましょうか。勿論、綺堂君も来るわよね?」
「仕方ねーな。麟もいるんなら戻るか。」
「よーし!とりあえず教室戻って、また放課後に僕たちが案内してあげるね!」
「ありがとう。」
そうして四人は教室に戻るのだった。
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