バン、バン、バン!!凄まじい銃声が聞こえて、私は目を瞑った。もう助からない。何で、急にこんなところで。
「あれ、私。生きてる。えっ?」
「どけ!」
「キャアッ!」
黒服の男の人は私をとっさに突き飛ばした。私はその反動で、開脚後転をして前を向く。黒服の人が私の前に立ちはだかっている。
「くそが、あんなガラクタに!」
彼は右腕に持っていた剣を投げ飛ばして、さっきのロボットの頭に命中させた。てゆーか、剣が意思を持って向かっていったような?
そのまま、剣に頭を貫かれたロボットは壊れて、地面に倒れた。
「あっ、あああ。たっ、隊長——どうして!!」
私の後ろから違う人が走り込んでくる。
「心配するな、まだ死ぬと決まったわけじゃない。俺は不死身だからな……。そこの、民間人を連れて……」
男の人は最後にこっちを見て、少し微笑んだ後に、地面に倒れて、そのまま動かなくなった。その人の顔が、”呪いのように” 焼きついて私の頭から離れなくなった。
***
「誠に残念だが、センリ アーンバルド小隊長殿は殉職なさいました。彼は、これまでに数々の任務をこなし、我々帝国のために尽力を尽くしてきた。どうか安らかに」
私は、もう色々なことが一変に起きすぎて考えるのをやめた。
「くそがあ!! 何がどうなってんだよ、なんで隊長が——あーっ!! 何でだよ。何でぇ」
「止めろ、サルマー。もう、やめてくれ。頼むから」
さっき、天井が無い教会みたいなところでお葬式をやった。あの男の人のお葬式。私は、頭が真っ白だ。この異様な展開に私の脳みそはついて行けてない。
そして私は、管理局とか言うこの国のデカイ建物へと案内された。頭が真っ白で目に入る全ての景色にモヤモヤがかかってる。今の状況が全く理解できない。
「なるほど。では何か。そのバイクとか言うのと、ぶつかって気付いたらここにいて、ロボットに銃に撃たれそうになったと」
「はい、ですから。その。もうおうちに返してください! ここはどこですか。もう嫌です。こんなの、無理」
「と言ってますが、如何なさいますか、ジャッジメント」
「ふむ。確かに偽りを言っているようには見えん。だが、貴公は家には帰れん」
そのジャッジメントとか言う白い装束に尖った仮面を着けている変な人が私に言う。
「なっ、何で。私は無理です。学校もあるし、あんな経験。嫌だ、死にたくない」
私の頭の中にさっきのイメージが強く刻まれて、吐きそうになる。
「まあ、貴公には特別に仮設住宅に住む権利を与えよう。明日。またこの管理局に来るように、いろいろと面倒だからな」
そのまま、私は中央のエレベーターを使って、さっきの地下18階から、6階の居住区と言われている所に連れてこられた。付き添い人はみんな白い服を着ている。
その6階は正直言って、テントがズラリと並んでいて、街というか通路全体に陰気な空気が漂っている。
テントの中も簡易なベッドが一つ。椅子、机、トイレ、洗面所。それだけだった。お風呂もない。
私はその後は死ぬように眠った。
_____________________
「ここは?」
「どけ!」
「痛いっ!!」
私は壁に強く頭を打ち付ける。
「よく聞け。ここでは、使えない奴は一生この掃き溜めから出られない。だから、お前が生きたかったら、戦え、例えどんな困難でも仲間が死んでも、誰かに裏切られても、じゃないと俺はちゃんと***」
あの男の人が、夢の中で私に話しかけてくる。逃げたい。でも、命を助けてもらったんだ!私は生きなきゃ、そうだろ。しっかりしろ、ナギ!!
読み終わったら、ポイントを付けましょう!