この世は魔法にも恵まれた世界。
グッタ島。古くから島の中心に光り輝く黄金のロサが印刻された大きな鐘が象徴としてある島。
なぜ、ロサが象徴としてこの島を彩ったのか。
海のずーと南にある小さな島々、グッタ島。自然豊かで、人間が住まう和かで暖かく平和な島。
少年は自分の家に向かって、走っていた。
〈アド〉ハアハアハア……
〈パン屋のおじさん〉おお! アド坊! 今日新作のパン作ったからよ! 食べてくか!?
〈アド〉わりぃ! 今急いでんだ! また今度ね!
そう言うと、アドは再び走った。
少年は、家の前で立ち止まり呼吸を落ち着かせて、扉を勢いよく開けた。
家にはお父さんが居た。
〈アロ〉ん?? アドか、どうした? そんな荒々しい顔して
〈アド〉ハアハア…… これ!
アドは、父であるアロにある1冊の本を見せた。
〈アロ〉ん…… お前、勝手にあの部屋に入ったな?
〈アロ〉それで? なんだ?
〈アド〉そんなんよりこの本! なぜ隠してた!? ここにある「約束」ってなんだ!?
〈アロ〉あ〜 バレたか…… どうもこうもそのままの意味だよ
〈アド〉このままでいいのかよ! 父さん!
〈アロ〉それが約束の1つでもある
〈アド〉おれは納得できない! おれは約束を果たしに島をでる!
〈アロ〉あっそー、行けば?
〈アド〉え、いいの? か、簡単だねぇ……
〈アロ〉だって、行きたいんしょ? まあ大方、約束の他にも普通に冒険がしたいんでしょ?
〈アド〉おう! そうだ! あ! あ、あ、あ……
〈アロ〉うん、だろうね
〈アド〉だろっ! 普通の冒険なんて楽しくないだろ!
〈アロ〉まあ、たしかにな、それであの本みて話したってことか
〈アロ〉一つだけ聴かせろよ、その約束本当に果たしてくれるのか? お前にできんのか?
と、タバコを吸いながら、アロは怖い顔でアドを睨めつけ、質問をした。その時、悪魔に取り憑かれたかのような恐い顔でアドを見つめていた。
その貫禄はまさに悪魔と言わざる終えなかった。
〈アド〉んっ…… ああ! 大丈夫だ! 俺ならできる!
〈アロ〉そうか、ならもう何も言わねえよ、さっさと行けよ!
と、普段のお父さんの優しい、のほほんとした顔に戻っていた。
〈アド〉ありがとう! 父さん!
〈アロ〉しょうがねぇな〜! まっくよ! おいこっちこい
〈アド〉え?
〈アロ〉いいから! こっちこいってば!
すると、アドはアロの方へ向かい近ずいた。
〈アロ〉これをお前にやる
そういうと、アロは自分に身につけていたネックレスを息子であるアドにネックレスを着けた。
〈アド〉これは父さんが大切にしていたネックレス?
〈アロ〉アドよ、これはお護りだ。何かあったらいつでも帰ってこい! 期待してるぞ
〈アド〉うん!ありがとう、父さん! 行ってくるよ!
そういうと、アドは自分の部屋で支度をしようと向かう。もう遅いので、明日旅に出るとアドは決めた。
ー 次の日の朝 ー
夜が明け、アドは夜明けと共に靴紐を縛り、嬉しそうな顔をした。そこに一緒に住んでいるコロポックルが話しかけてきた。
〈クーロー〉アド坊よ、遂に飛び立つ時で御座いますな
髭の生えた、深い緑色の服を着たクーローは長年、この家に住んでいる。頭が良く博識で、雑学や世界のことに詳しい。身体が小さく、幸福を齎す妖精としても有名だ。だが、なぜこの家に住んでいるかは不明で、アドが産まれる前から居るそうだ。
〈アド〉ボス! なんか辛いな…… お前とも、別れないといけないなんて……
アドは、クーローのことをなぜかボスと呼んで、親しくしていた。よく小さい頃一緒に遊んでいた。
それにクーローはツッコむ。
〈クーロー〉悲しんでるところ悪いが、ワシはボスではない! クーローじゃぁぁ!
〈アド〉こんな会話も、もう出来ないのか、ホントに悲しいな
〈クーロー〉な〜に! すぐ会えるさ! お前が望めばな!
と、クーローはニコッと微笑みながら応える。
〈アド〉え?
〈クーロー〉アド坊よ! 早く行きなさい! 待ってる者もおる。では、達者でな
〈アド〉ああ、わかった
そういうと、アドは2階にある自分の部屋を出てから1階に降りた。すると、すでにアロが起きていた。
〈アロ〉ヨウッ! 起きたか!
〈アド〉父さん、起きてたの? 早いね
〈アロ〉当たり前だろ、息子の船出なんだからな!
〈アド〉そっか! なんか嬉しそうだね
〈アロ〉そりゃそうだ…… アド、よく聴け、この島を出たら予想はるかに越える出来事、困難がお前の前に立ちはだかるだろう。だがな、生きるためには戦うこと、そして絶対に希望は捨てるな! もし、友が出来たならお前が導け!
〈アド〉うん! わかった!
〈アロ〉さて、外で舟を用意してある、行ってこい!
〈アド〉ああ! わかった! ありがとう!
すると、アドは扉を開け、港まで走った。港まではそんなに遠くはない。アドは港に着くと、立ち止まった。
今日はよく晴れた晴天。涼しく、初めての船出としては抜群な気候、天気であった。
〈アド〉これが、おれの舟か……
〈漁師のおじさん〉アド! 来たか!
〈アド〉漁師のおっちゃん! まさか、舟用意してくれたのは、おっちゃん!?
〈漁師のおじさん〉そうだ、アロから聴いてな、用意させてもらった! 気を付けて行ってこいよ!
〈アド〉うん! ありがとう!
すると、アドは舟に乗り、海を進んだ。ひたすら櫂で漕いで、海の路を進んだ。
この世界には神、妖精、人間、巨人、悪魔、伝説など様々な生き物も生息する物語である。
これからどんな冒険になるのであろうか。アドは、旅の途中、思いもよらない出来事に巻き込まれることはまだアドも、誰も知らない。
ここからが好奇心旺盛な少年、アドの冒険の始まり始まり。
✿ ある小説の1節にて ❀
ー 更なる伝説、時は飛び去る 。
汝、厄災、天変地異を癒し、涙の日に
救う導かれし者よ ー
・リーク文字 (ルーン文字)・
ᛋᚨᚱᚨᚾᚨᚱᚢᛞᛖᚾᛋᛖᛏᚢ ᛏᛟᚲᛁᚺᚨᛏᛟᛒᚢ
ᚾᚨᚾᛉᛁ ᛃᚨᚲᚢᛋᚨᛁ ᛏᛖᚾᛈᛖᚾᛏᛁᛁᚹᛟᛁᛃᚨᛋᛁ ᚾᚨᛗᛁᛞᚨᚾᛟᚺᛁᚾᛁ
ᛋᚢᚲᚢᚢᛗᛁᛏᛁᛒᛁᚲᚨᚱᛖᛋᛁᚺᛁᛏᛟᛃᛟ
ー 1 die. 冒険、舞う者 ー 続く。
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