再会した幼馴染は××オタクになっていました

高校で再会した幼馴染が××オタクになっていた!?私の初恋どうなるの?
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5話

公開日時: 2021年1月1日(金) 17:20
更新日時: 2021年1月3日(日) 04:02
文字数:1,089

女子たちは、そんな男の子を見て黄色い声をあげる。

男の子は表情一つ変えることなく、女子の集団をかき分けながら、学校へと入っていく。


(私とは住んでる世界が違うなぁ)


私が関心していると「朱里、口開いてるぞ」と横から声をかけてくれた黒炎くんがいた。


「え!? ……お、おはよ、黒炎くん」


もしかして私、今アホな顔してた? 


だって、あんなの見せられたら誰だって驚いて当然だよ。


しかし、昨日の今日で、なんとなく気まずい。


でも、黒炎くんから挨拶してくれるだけで嬉しいと思う私もいた。

あぁ、私ってなんて単純なの。


「黒炎くん、あれって先輩だよね? 朝からすごく目立ってるよね。でも、先輩も運転手さんも美形だったね!」


気まずい空気と、私のアホな顔を早く忘れてもらうようにと、とっさに話を振る私。


「あれは……」


「?」


「いや、なんでもない。遅刻するぞ」


「う、うん!」


黒炎くん、昨日と同じ表情をしている。

どこか遠くを見ていて、なんだか寂しそうな顔。


小さい頃は、そんな悲しい顔見せなかったのに。

やっぱり、なにかあったんだよね?


* * *


教室に入ると、黒炎くんはまたしても囲まれていた。すっかりクラスの中心で、人気者だ。


でも、本当はギャルゲーオタクなんだけどね。


私だけが知っている黒炎くんの秘密。

……アカリちゃんは知っているんだろうか。


私以外の女の子が黒炎くんのことを知ってると思うと、胸が締め付けられそうになって、とても苦しくて、痛い。


……私だけが黒炎くんの全てを知っていたいのに。


そしたら、どんなに幸せだろうか。


* * *


昼休み、クラスメイトに囲まれている黒炎くんを「一緒にお昼どうかな?」と誘うことにした。


「ああ、別にいいぞ」


「ホントに!? ありがとう、黒炎くん!」


昨日の気まずいこともあったから、断られる覚悟もしていた。が、あっさりと受け入れてくれる黒炎くん。


勇気を振り絞って誘ったかいがあった。


「~♪」


私たちは屋上で昼食をとることにした。


あぁ、好きな人とお昼を食べられることがこんなに嬉しいなんて。


「朱里、なんか嬉しそうだな」


「え!? もしかして、また……アホな顔してた?」


両手で口を照れくさそうに隠す。また、口開けてたのかな?


「ふ……あはは。アホな顔ってなんだよ。いや、ただ鼻歌歌ってたから何か良いことでもあったのか? って聞いただけだよ」


「……!///」


無邪気に笑う黒炎くんを見て、私は不覚にもキュン! と来てしまった。

これがいわゆる、胸キュンってやつなのかな?


「良いことって、そりゃあ好きなひ……幼馴染と久しぶりに一緒に食事出来たら嬉しいに決まってる!」


危なかった……。うっかり黒炎くんに私の気持ちがバレるとこだった!

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