「朱里…お前って本当に良い幼馴染だな」
「そんなことないよ」
黒炎くんがアカリちゃんのこと話すたびに私は嫉妬してたんだよ? そんな私が良い幼馴染なわけない。だけど、黒炎くんがそういってくれるだけで嬉しく思う私がいた。
「ねぇ、どうしてギャルゲー好きなったの?」
「それもアカリ関係なんだ。パッケージを見てアカリに一目惚れしたから。それからギャルゲーにハマって、それをしてる時は悲しいことを忘れられた。ハッピーエンドを見るたび、俺の心も救われた気がしたんだ」
「悲しいこと?」
「それは…まだ話せない。俺、本当は怖かったんだ。ギャルゲー好きって明かすのを。でも、お前は俺がギャルゲーの話をしてもけして笑ったりバカにしたりしなかった。だから、アカリのことちゃんと話そうと思ったんだ」
「人の趣味を笑ったりしないよ。まだ全部理解はしていないし、正直混乱してるの。でも、話してくれてありがとう、黒炎くん」
「いや、お礼を言うのはこっちのセリフだ。
ありがとう、朱里」
私は黒炎くんに触れることはせず、ただ話を聞き慰めた。それと同時にこみ上げてくるのは黒炎くんを好きという気持ち。こんなにも心の闇が深かったなんて。それをずっと一人で抱え込んでいたんだと思うと胸が張り裂けそうだった。
黒炎くんは本当にアカリちゃんがこの世界にいると思ってる。だけど、それがまわりから理解されないこともちゃんと知ってる。きっと話すのにかなりの覚悟があったはずだろう。だから、否定なんかしたりしない。
アカリちゃんごと、黒炎くんの全てを理解したい。もっと知りたい、黒炎くんのこと。
これは同情なんかじゃない。本当に心からの気持ち。今の弱ってる黒炎くんを慰めたら、もしかしたら私のことを好きになるかもしれない。だけど、そんなのは駄目なの。
アカリちゃんの代わりなんかじゃなくて、私自身を見てちゃんと好きって言ってくれなきゃ。そんな日がいつ来るかわからない。
だけど、アカリちゃんの存在を知った今も私の心は変わらない。幼稚園の頃からずっと好きだった気持ち。私が黒炎くんのこと救ってあげたいと思うのはワガママですか?
黒炎くんは本当にアカリちゃんがこの世界にいると思ってる。だけど、それがまわりから理解されないこともちゃんと知ってる。
きっと話すのにかなりの覚悟があったはずだろう。だから、否定なんかしたりしない。
アカリちゃんごと、黒炎くんの全てを理解したい。もっと知りたい、黒炎くんのこと。
これは同情なんかじゃない。本当に心からの気持ち。今の弱ってる黒炎くんを慰めたら、もしかしたら私のことを好きになるかもしれない。だけど、そんなのは駄目なの。
アカリちゃんの代わりなんかじゃなくて、私自身を見てちゃんと好きって言ってくれなきゃ。そんな日がいつ来るかわからない。
だけど、アカリちゃんの存在を知った今も私の心は変わらない。幼稚園の頃からずっと好きだった気持ち。私が黒炎くんのこと救ってあげたいと思うのはワガママですか?
「それで、アカリちゃんが出てくるゲームってどこにあるの?」
「あぁ、このギャルゲーだ」
黒炎くんはそう言うと、手にとって見せてくれた。
そこには「〜君のこと大好き!って簡単に言うと思った?」というタイトルのギャルゲーソフト。
そのゲームをやったことがないから何とも言えないけど、男の子たちはこういうの好きなんだろうなぁと思った。
「黒崎アカリは黒髪ポニーテールで主人公のクラス委員長なんだ! 普段はツンデレで厳しいけど時々見せる優しさと言ったら、これが……いい!」
ゲームパッケージに写っているアカリちゃんを指差しながら紹介をする黒炎くん。この手のゲームには詳しくないけど、確かに写っている女の子たちはどの子も可愛い。
「ツンデレって普段はツンツンしてるけどたまにデレるってことだったよね? 黒炎くんはそういうのが好きなの?」
私はツンデレじゃないからなぁ。もしかして、そのせいで異性として見られてないと思った矢先、「正直、アカリの全部が好きだから」とバッサリ言われてしまった。
まぁ、普通はそうなるよね。私も黒炎くんそのものが好きだからギャルゲー好きって言われても驚きはしたものの、嫌いにはならなかったし。
さっきまでの暗い空気は流れていない。今は気軽に黒炎くんからアカリちゃんのことを聞けそうだ。
黒炎くんのさっきまでの表情はとても暗く、見てるだけでツラかったから。
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