神奈さんとアメリちゃん

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第四百二十五話 私が水着に着替えたら ―前編―

公開日時: 2021年12月4日(土) 21:01
更新日時: 2022年2月27日(日) 11:13
文字数:3,000

「皆さん、六月ももう終わりですね! 時期が来たら、海行きませんか!?」


 朝のLIZEチェック中。来るだろう来るだろうと思っていた提案が、優輝さんから来ました!


 そうそう。このチャット、優輝さんと私の提案で、近井さんも招いています。そんなわけで、まりあさんとは、正式に場をセッティングする前に、お知り合いになりました。


「ぬっふっふっ。そうおっしゃると思って! アメリちゃんの水着、新調しましたよ!」


 一同から「おお~」とメッセージが寄せられる。


「猫崎さん、普段はそういうノリなんですねえ」


 と、近井さん。


「あはは。これでけっこー、ノリが良かったりします」


 照れ猫スタンプ。


「神奈さんがいると、場が一段と明るくなりますよね。で、神奈さんはどんな水着を新調なさったんですか?」


「あ」


 優輝さんの質問に固まる。肝心の、自分の水着忘れてたあああああ!


「あー……すっかり忘れてました。こっちF市に移ってから、プールや海に行く習慣がなくなってたもので……」


「でしたら、一緒に買いに行きませんか!?」


 おおう、由香里さんすごい食いつきよう。さすが、おしゃれガール。


「ほかに、今年着る用の水着を持ってない方は?」


 近井さん、優輝さん、白部さん、まりあさん、ミケちゃん、クロちゃんがYES。ノーラちゃんも、持っていないとのこと。


「あれ? 姉さん、今年水着買ってたっけっすか?」


「おん? 昔買った、競泳水着じゃダメか?」


「ダメですよー、久美さん! おしゃれしましょう、おしゃれ!」


 凸凹コンビと由香里さんが、わちゃわちゃ。


「もしよければ、これからみんなで水着買いに行きませんか?」


 提案する由香里さん。ファッション関係は独壇場だね。


「あれ? 由香里ちゃん、こないだ自分と一緒に買ったっすよね?」


「わたしたちだけ行かないってのも、寂しいでしょ。ウィンドゥショッピングだって、楽しいし」


「そっすね。じゃー、決を採るっすか」


 というわけで、行けそうな人は挙手することになり、全員挙手の絵文字。


「お、こりゃ幸先いいっすね」


「けってーい! では、時刻を決めましょう」


 おおう。由香里さん、テンション高い。ほんと、こういうのお好きなのねえ。


 現地到着時間についても決を採り、十一時に集合という形に。


 近井家の詳しい住所を知ってるのが私だけなので、近井さんは私が乗せていくことに。すでに、チャイルドシートは買われたそうで。まりあさんは、白部さんと相乗りすることになりました。



 ◆ ◆ ◆



 運良く「るるる」に三台ぶん空きがあったので、そちらに駐車。近井さんを改めてご紹介した後、お昼をどうしましょうという話になったのだけど。


「カタツムリ! ともちゃんに、カタツムリの良さ教えたい!」


 というアメリちゃんの猛プッシュで、「シャンデリアイタリアンファミレス」さんで、お昼をいただくことになりました。


 店に着くと、なにしろ十三人という大所帯だから、わりと席がバラけてしまう羽目に。


 私とアメリ、近井さん親子が相席。別のお客さんを挟んでかくてるの皆さん、さらにだいぶ遠くに、白部姉妹と宇多野姉妹が相席。


 全員でわちゃわちゃおしゃべりできないのは寂しいけど、そのぶん近井さんと語らいましょう。


「ともちゃん! ここ、カタツムリが美味しいの!」


 アメリちゃん、相変わらずエスカルゴの猛プッシュ。エスカルゴ業界の回し者みたいな様相ね。


「おかーさん、それ食べてみたい!」


「友美には多すぎるから、お母さんと一緒に食べましょうね」


 とりあえず、エスカルゴをシェアすることに決めた模様。メインは、ともちゃんはお子様ミートソーススパゲッティー、近井さんはオニオンソースハンバーグランチに決めたようです。


 私とアメリも、とりあえずエスカルゴは決定として……。アメリはこれにナスのミートソーススパゲッティーをメインディッシュとして選択。


 で、私は……近井さんと同じのでいっか。というわけで、オーダー。


 待っている間、近井さんとおしゃべり。こないだ「ディスティニー映画スタジオ」の新作アニメ映画を見たらしく、「アメリちゃんとぜひ! 面白いですよ~」と猛プッシュされました。なんか今日は、みんな押しが強いね。


 ふと、かくてるチームのテーブルに目をやると、ワインボトルが。久美さん……。しかも、優輝さんとさつきさんの前にもワイングラスが。


 「あーあ。帰りはまた、わたしが運転かー」なんて、由香里さんのぼやきが聞こえてきそう。


 まりあさんたちは遠すぎてよくわからないけど、クロちゃんとノーラちゃんってどんな会話するんだろう? 趣味が間逆すぎて想像できないな。


 とりあえず、ランチセットを頼んだので、セルフサービスのスープでも取ってきましょうか。近井さんと一緒に、サーバーへ。こう暑いと、あまりスープって気分でもないけど……。まあ、せっかくセットだし。


 ……戻り!


 まずは、スープをいただきますしましょう。キャベツのスープですね。うん、美味しゅうございます。ただ、やっぱり暑いな。冷製スープだったら良かったんだけど。


 おかわり自由だけど、ちびちびいただくことにしましょう。


 その間、近井さんと再び雑談。セキセイインコ、小さいけれど、あれはあれで飼うのが大変なようで。特に、鳥を診れる病院が少ないのがネックなのだとか。たしかに、そう言われるとそうかも知れない。


 遠野家……近井さんの実家の近くには、鳥の扱いが上手い獣医さんがいて、随分助かったそうです。


「メスの場合、特に卵詰まりが怖いんですよ」


 小鳥は去勢・避妊が無理なので、とにかく発情に気をつけながら飼育するらしい。具体的には、あまりおもちゃを増やさないとか。オスメスともに精巣腫瘍や、卵詰まり、特に後者はかなり厳しいらしく。放置すると死に至るという。


 猫の飼育も大変だけど、小鳥もお手軽ってわけじゃないのね。


 ほかには、餌量の制限や冬季の保温、昼夜の日照コントロールなど、気をつけることが山積みだそうで、舌を巻く。セキセイ道、深いなあ。


 ただ、それらの大変さを上回る可愛さなんですよ、ととろける彼女。ともちゃんが大きくなったら、お迎えしたいですね、とのこと。


 なんだか私もセキセイに興味が湧いてきたけど、やっぱり、もしうちで飼うとしたら、慣れてる猫かなー。アメリが興味津々だし、色々教えてあげられるし。


 まあ、動物はみんな可愛いですよね。植物も。


 そうこうしてると、私たちの料理が来ました。


 いただきますの後、さっそくエスカルゴをふーふーして、ともちゃんに食べさせてあげる近井ママ。


「美味しい!」


 お目々キラキラ。


「でしょー」


 アメリちゃん、ドヤ顔。ほほえま。


「おかーさん、もう一個ー」


「これで最後ね。ミートソース食べられなくなっちゃうから」


 二個目を、美味しそうに食むともちゃん。教祖・アメリ様によるカタツムリ教は、布教に成功したようです。


 私たちも、いただきましょうか。……うふふ、たしかに美味しいよねー。ほんと、アメリがハマるのも納得の美味しさ。


 続いて、メインディッシュを……。こちらハンバーグも、肉汁がじゅわっと美味しい。半熟卵の黄身を絡ませると、なお良し。


 エスカルゴを平らげてしまったアメリちゃんも、続いてスパゲッティーを美味しそうに食べています。


 こうして、我々は美味しくごちそうさま。ほかのテーブルの皆さんも、だいたい終わってるみたいです。とりあえず、レジを混雑させてもあれなので、一足先にお会計だけ済ませちゃいましょう。


 全員のお会計が終わったら、いよいよ水着ショッピングですよ~!

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