神奈さんとアメリちゃん

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第二百四十九話 遠足以外でこういうの、憧れだったんですよ

公開日時: 2021年5月31日(月) 21:01
更新日時: 2021年6月3日(木) 20:56
文字数:2,235

 本日も参上、いつものスーパー! 朝イチから入店でございます。


 今日はみんなお弁当を持ってくるとのことで、うちもそれに合わせようという次第。


 さて、何作ろっかなー。開けて楽しいお弁当がいいよね!


 まず、アメリの大好きなプチトマトとブロッコリー。これはマスト。ただ、ブロッコリーは小分けできるように冷凍のものにしよう。


 あとは、交換して楽しいおかずといえば、やはりミートボール。さらに、お弁当の人気者唐揚げ~。これらがトレードの主役になるだろうから、多めにね。


 最期に、コーンのバター炒めで彩りを。これはコーン缶でいいね。


 そして、でんぶ! もちろん、ハート描いちゃいますよー! チョコに「ラビン・ユー」と書いた女に、もはや恐れるものは何もないのデス!


 もも肉を筆頭に、お弁当の材料はこれでいいとして、夜はどうしようかな。


 ここしばらくのごはんを振り返ると、こってりしたものが多かったな。お昼も唐揚げになるし、何かあっさりめでひとつ。


 おくら蕎麦にでもしましょうかね。うーん、簡素にもほどがあるけど、たまにはこんなのもアリってことで。


 乾麺と鰹節はあるから、おくらだけあればいいよね。


 あとは、三種の神器を……。クッキーと飲み物も買っておこう。


 よーし、こんなもんですかね。それじゃ、お会計~。



 ◆ ◆ ◆



 帰ってきてからしばし経ち、ごはんも炊けました。三分でクッキングする脳内BGMを流して、調理スタートです!


「おねーちゃん。アメリ、何すればいい?」


「そーねえ……。コーンバター炒め作ってもらえる? バターをフライパンに引いて……」


 簡単な料理なので、説明も楽~。私は、もも肉を調味液に漬け込みです。あとは、以前かくてるハウスで作ったのと同じ手順で唐揚げを完成! アメリも揚げたいというので、途中で選手交代しました。今回も、無事成功です!


 ミートボールはレトルトを茹でるだけなのでこれまたささっと作ってしまう。


 あとは、ハートでんぶごはん、からあげ、コーン、ミートボールを冷ます。


 時刻は……十一時半ちょい前か。ちょうどいい感じね。


 アメリとスマホでお魚動画を眺めていると、インタホンが鳴りました!


 応対するとクロちゃん。さっそく、挨拶して中へ入れる。アメリも、彼女と挨拶を交わす。


「ほかのみんなはまだですか。早く来すぎちゃいましたね」


 ダイニングテーブルに掛け、所在なさげに足をぷらぷらさせながら室内を見回している。


「良かったら、動画かテレビ見る?」


「そうですね……落語はアメリがわからないし、アメリが好きなのを一緒に見ます」


「りょーかーい」


 とりあえず、教育番組なんてどうでしょ。うん、二人とも興味深げに見始めた。


 ほどなくして、再びチャイム。


 応対に出ると白部さん。子供の集まりだけど、猫耳人間のデータを取るのが彼女のお仕事。猫耳人間あるところに白部さんありなのです。


「こんにちはー……あら、ミケちゃんもご一緒?」


「こんにちは。今、ぱったり合流しまして」


 ノーラちゃん、ミケちゃんとも挨拶を交わし、室内へ。


「さて、ちょうどお昼どきですが、このダイニングとテーブルでは六人で食事は無理なので、ちょっとお行儀悪いけど寝室でいただくとしましょう!」


 ぽんと手を打ち、提案する。ちなみに、リビングのソファも四人がけなのです。


 あとからお茶を持っていくことにし、お茶が載ったトレイを手に向かうことを伝え、代わりに白部さんに私のお弁当箱を運んでいただく。


 中に入ると、白部さんが所在なさげに立っていました。


「あ、ベッドに腰掛けちゃってください」


「失礼します」


 私も、配膳後に白部さんのお隣に腰掛ける。


「お行儀悪いですけど、ここでいただいちゃいましょう」


「なんだかベンチでお弁当広げる気分で、学生時代を思い出しますね」


 医学部の白部さん。学生時代は四年前の思い出のはずだけど、ずいぶん遠い目をされるなあ。


 お茶の載ったトレイを間に置き、「それがですね。うち、高校も給食だったもんで、遠足以外でこういうの、憧れだったんですよ」と微笑む。


「そうだったんですか、じゃあ、高校生気分でいただききましょうよ!」


 白部さんも微笑み返す。いただきますを言うと、子供たちもそれに合わせるようにいただきますを言うのでした。


 子供たちは、さっそくおかずのトレードを始めた模様。うちのおかずの人気度やいかに!


「私たちもおかず交換しましょうか」


「それが、冷食だらけで恐縮で……」


「いえいえ、お話が急でしたからね。そのオムレツと何か、交換しませんか?」


「恐縮です。では、ミートボールいただきますね」


 トレード成立。うん、冷食だっておっしゃるけど、今どきの冷食はきちんと美味しい。


 さらにもう一品、ベーコンポテトと唐揚げをトレード。


「やっぱり、こういうのって楽しいですね。また、まりあさんやかくてるの皆さんと、行楽に行きたいですねえ」


「角照さんのことだから、お花見の企画を立てている頃でしょうね」


 お花見かー。楽しみだなあ~。


 こうして、お昼ごはんも美味しく食べ終わり、最後のクロちゃんを待ってごちそうさま。


 湯呑とお弁当箱は食洗機に入れ、せっかくなのでみんなのぶんも洗うことにしました。


 戻ってくると、子供たちがお手玉をぽんぽんと練習している。


「クロちゃん、お手玉教えてるところ、撮影していいかな?」


 ピンときた白部さんが、提案する。


「あ、はい。いいですよ」


「じゃあ、ちょっと待っててね。すぐ戻ってきます」


 前半はクロちゃんたちに、後半は私に伝え、早足で玄関に向かう白部さん。


 はてさて、どうなりますことやら。

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