神奈さんとアメリちゃん

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第二百十一話 おうちでドレミレド、再び!

公開日時: 2021年4月29日(木) 22:01
文字数:2,332

ルビ振りに励んでいると、スマホが「夕飯の時間ですよ~」とアラームでお知らせしてきました。


 それでは、美味しい晩ごはんを作りに行きまっSHOW!


 るんたったーと、やって来ましたキッチン! では、おなじみの脳内BGMをスイッチオン!


「おねーちゃん、ラーメンってアメリにも作れる?」


 おお、なんとチャレンジブルな子でしょう!


「そうだね。特に難しい工程はないから、一緒に二人ぶん作る?」


「うん!」


 というわけで、並行作業と相成りました。


 しかし、その前に作らなければいけないものがあります。


「じゃあ、まずはゆで卵作ろうか。八分はちふん茹でのちょっと固め半熟バージョンね」


「はーい!」


 というわけで、手鍋にお湯を沸かし、沸騰したらお尻にぷすっと穴を空けてもらう。


「さて、キッチンタイマーの使い方を教えるよー。ここの『分』を八回押して、一番右のスタートっていうボタンを押してね」


 教えた通り操作するとカウントダウンが始まったので、卵を一つ投入!


 アメリには休憩していてもらい、私はその間にキムチとほうれん草、チャーシューを順番に常温までレンチンする。冷えたまま入れると、ラーメンが冷めちゃうからね。


 すると、タイマーがピピピと茹で上がりを告げました!


「アメリちゃーん、水で冷やしてちょうだーい」


「はーい」


 鍋敷きをテーブルに置き、その中で冷水に入れ替えた手鍋を置いてたまごにヒビを入れてもらう。


 あとは、たまごが冷めるまでちょっと休憩。


 ……そろそろいいかな?


「じゃあ、鍋からたまごを出して、流しで剥いてちょうだいー」


「わかった!」


 アメリが殻剥き作業をしている間、私は先ほどの手鍋ともう一つの手鍋二号にポットのお湯を張り、コンロにかけて沸騰させる。


「剥けたー」


「はーい、じゃあ、一旦お皿に置いといてね。お湯が沸騰したら、この袋の中の麺を入れるよー」


 沸騰するまでの間に袋を空け、二つのどんぶりに粉スープを入れておく。


 お鍋がボコボコいう音が聞こえてきました!


「よし、じゃあ私と一緒に入れよう!」


 片方の袋を手渡す。お手本として麺とちょっと砕けた部分を入れると、アメリもならう。


 タイマーを四分にセットし、菜箸でかき回す。アメリも同じように、もう一組の菜箸でかき回している。


 そして、またもタイマーが鳴りました!


「はーい。じゃあ火を止めて、ゆっくりどんぶりに注ごう~」


 二人でラーメンをどんぶりにイン!


「あとは、具を盛り付けていこう~!」


「はーい!」


 菜箸でキムチ、チャーシュー、ほうれん草、メンマをきれいに盛りつけていく。


「あとは、これを載せたら完成~」


 ゆで卵を半分に切り、それぞれのどんぶりに載せる。


「やったね! 完成だよ~! いえーい!」


「いえ~い!」


 パチンと手を打ち鳴らし合う。


「それじゃ、いただきますしようか」


 あいにく烏龍茶を買い忘れていたので、レンゲと麦茶の入ったコップを配膳し着席。


「「いただきます!」」


 合唱し、ずるずるとすする。


 うん、インスタントだけど、そこは具でカバー! 美味しい美味しい。味噌味とキムチって、ほんと合うなー。


「辛い! でも美味しい!」


 アメリも額に汗しながら、美味しそうに食べている。良きかな良きかな


 脳のどこかで、チャルメラのラッパが鳴る。ああ、情緒。


「アメリ、近いうちにまた駅前行こっか」


「おお? 行く行くー!」


「本、買ってあげるね」


 すると、「おお~!」と瞳を輝かせる。可愛い。


 食後は後片付けの後、歯を磨いてそれぞれの作業に移る。


 アメリはお絵かきから、ブロック遊びに河岸を変えたようだ。


 時間が静かに過ぎていく。アラームが七時半を知らてきせたので、ストレッチ開始! そして、お風呂へGO! ふー、さっぱりするねえ。


 一息ついたところで、ちょっと思いついたことを実行してみる。


 「ハチさん、花の旅」の絵をスキャンし、物語を余白に書き加え、「近所の子供のために描いてあげたお話です」という体でツイスターSNSにアップ。お、さっそく拡散とハートがぼちぼち付き始めましたよ。


 あ、優輝さんが引用でめっちゃ興奮気味に拡散してる。ほんとに私のファンなんだなー。ありがたいことです。


 今、彼女の手が空いてるみたいだし、ちょっとご挨拶してみようかな。LIZE起動っと。


「こんばんは」


「こんばんは! ツイストメッセージ見ましたよ! 可愛い絵ですね!」


 ウキウキ猫スタンプとともに返信が届く。


「今日、美術館で見た絵を元に、アメリのために描いてみました」


「うわー、アメリちゃんうらやましいなー。あたし、神奈さんに絵を描いていただいたら昇天しちゃいますよ~!」


 照れ猫スタンプの返信。


「あ、じゃあ何か描きましょうか?」


「!? いいんですか!? ぜひ! もう、神奈さんの描いてくださるものなら何でもいいです!」


 今度は驚愕猫スタンプ。


「お安いご用ですよー。でも、モチーフは指定してもらったほうが楽ですねー」


「じゃあ、由加とミキじゃなくて、あたしとミケをお願いしてもいいですか?」


「はい。では、折を見て描いてみますね」


 無言で、昇天猫スタンプが返ってきました。……大丈夫かな。


「すみません。喜びのあまり、言葉を失いました。ありがとうございます!」


 そんな感じで楽しいチャットを続けていると、アメリが「おねーちゃん、おやすみー」と、挨拶してベッドに潜りました。あら、もうそんな時間か。


 デスク以外消灯し、「アメリが寝たので、チャットはここまでにして『ひなまつり』させていただきますね」と打つと、「はい、よろしくお願いします!」とお返事をいただきチャット終了。


 イヤホンをPCに差し、ゲーム起動。あとは、冬美ふゆみちゃんのグッドエンドを残すだけかな? ゲームももうすぐ完全クリアかー。これは手直し前のものということで、完成品は細部が変わるそうだけど。


 ともかく、あと一息! 頑張ってプレイしまっしょい!

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