「できたああああああっ!!」
あれから数日後のニ時過ぎ、やっとこ原稿完成!! 日曜につき、真留さんが会社にいないのですぐチェックしてもらえないけど、とにかく完成です!
「アーメリ、アーメーリ~! できたよ~! 完成したよ~!」
チョモランマより高いテンションでアメリの両手を握って横にぶんぶん振って大はしゃぎ!
「おお~! お仕事終わったの? おねーちゃん、偉い!」
頭を撫で撫でされる。えへへ~。
「あーもう、何しよっかな、何しよっかな~」
ハイテンションになった脳みそで、にやけながら考え込む。う~ん、我ながら締まりがないね。
「アメリ~。今日何食べたい~?」
「なんでもいいいよー!」
満面の笑みでいつもの力強いお言葉。偏食がないのはありがたいことだけど。
「う~ん。よし、今からスーパー行きましょう!」
というわけで、ちょっと早いけどお出かけです!
◆ ◆ ◆
いつもの店内BGMがお出迎え。今日はなんだかファンファーレのように聞こえるね。ハッピー脳は無敵!
さて、チラシチェーック! ええと……パン、オリーブオイル、カップ麺、国産牛豚肉がセール。ふーむ、まあ前三者はあれば便利だから買っておくとして……お肉かー。なんか、お肉! って気分でもないのよね。すき焼きは先月やったし。
あ、そうだ。このお店、鮮魚に力入れてるんだっけ。ちょっと見てみましょ。
おお、セール対象でこそないけれど、なかなかいい品揃えじゃない。冷蔵棚を眺めていると、とある物が目に付く。
真鯛の切り身。
おお~。流石に一尾じゃ多すぎるけれど、これは大きすぎず小さすぎずで、実に美味しそう!
よし! おめでタイってことで、これにしましょ!
あとは、副菜が欲しいかな。小松菜でおひたしとお味噌汁でも作ろっと。
じゃあ、おなじみコーラとマスペも買って帰りましょ~。
◆ ◆ ◆
ただいまーっと帰宅。さて、ごはんお水に浸すにはまだ早いし、アメリと遊ぼうかなっ!
「アメリー。何かして遊ぶー?」
「うーん……漢字教えてー!」
ほいほい。今日も、ネットからプリントアウトした小一向け漢字を教えましょ。というわけで、荷物をしまった後、折りたたみ机で差し向かいに。
ただ、漢字は反復練習あるのみだから、さすがのアメリも手こずってるね。私は私で教えられるのは書き順ぐらいだけど、それも忘却の彼方だしなー。
日本人って、ひらがな・カタカナ・漢字にアラビア数字とアルファベットまで使うんだから大変よねー。私たち、よくこれだけ覚えたものだわ。
あんまりやることないけれど、こうして頑張ってるアメリを眺めてるだけでも心が満たされる。
そんなこんなでアメリの勉強を見守りつつ、たまに飛んでくる質問に答えることしばし。スマホを取り出して時刻を見ると、もう四時過ぎ。早っ!
「アメリー、少し休憩しない? もう一時間以上お勉強してるよー」
「おお? それって長いの?」
「うん。ていうか、そういえばアメリに時間のこと教えてなかったね。ちょっと一服したら、時間のお勉強もしてみようか」
「おお~! そっちも気になる!」
「うん、相変わらず熱心だね! じゃあ、ジュース取ってくるね」
その後、ベッド横のサイドテーブルにある置き時計を使って時間のお勉強、時・分・秒・午前・午後・二十四時間式について教えました。本当は針時計もあるといいんだけど、あいにくうちにあるの全部デジタルなのよね。今度百均で適当なの見繕ってきましょ。
そうして過ごしていると、もうすぐ五時。お米を水に浸しましょー。「ちょっと行ってくるね」と言って、お米の準備。よし!
「ただいまー。六時になったら、ごはんの準備するからね」
「おお~。これが、六とゼロとゼロになればいいんだね!」
「正解です、アメリちゃん!」
頭を撫で撫ですると、うにゅうというおなじみの気の抜けた声を上げる。
漢字のお勉強を再開すること三十分、スマホのアラームが鳴ったので炊飯ボタンを押すために中座し、再び寝室に戻って漢字のお勉強にお付き合い。
そして六時!
「そんじゃあ行きましょうか、アメリちゃん!」
「はーい」と、とてとて後をついてくる彼女を引き連れキッチンへ!
◆ ◆ ◆
三分でクッキングする例の脳内BGMが鳴り響く中、鯛の煮付けと小松菜のおひたしとお味噌汁を作りまーす!
まず、炊けたお米を蒸してからしゃもじで切ってっと。
真鯛に×の字に切れ目を入れまして、水百ミリリットル、醤油大さじ二杯、みりん大さじ二杯半、料理酒五十ミリリットル、砂糖大さじ一杯を入れた鍋をひと煮立ちさせまーす。
煮立ったら弱火にして、切り身二つとチューブ生姜を少々。あとは落し蓋をして、さらに普通に蓋もして十分コトコト煮ます。
続いておひたしとお味噌汁。ポットのお湯からもう一個のお鍋にお湯を張り沸騰させ、洗った小松菜をひと束投入! グダグダにならない程度に茹でたらお湯から揚げて、冷水で締める! そして、一口サイズに切断!
お鍋の火を止めて、先ほどの小松菜でおひたしにしないぶんを投入! そして、だし入りお味噌をお玉に溶いて入れまーす。味見……うん、おけ!
あとは、おひたしを薄めためんつゆで味付け。こちらも味見して……よし!
「おお~……今回、アメリやることなかった」
ちょっとしょんぼりしてしまう。
「あー。小松菜、キッチンばさみでカットしてもらっても良かったんだけど、つい。また今度お願いね」
しょげてるアメリの頭を撫でると、「うにゅう」というおなじみの声。
アメリを撫でているとキッチンタイマーが煮付けの前半終了を教えてくれるので、蓋を取って煮汁をかけつつ汁を煮詰める。よし、こんなもんかな。
「はーい、完成だよ~」
テーブルに配膳し、自分もエプロンを外し着席。アメリが「おお~!」と瞳を輝かせる。
「じゃあ、いただきますしようか。いただきます!」
アメリも「いただきます!」と続く。
さて、お味は……? おお、なかなかいい鯛ですこと。自画自賛になっちゃうけど、煮汁の塩梅もいい感じ。
おひたしも、お味噌汁も美味しいなあ。
「アメリ、どう?」
「美味しい!」
夢中で食べる彼女。今日も合格いただきました! 良き哉良き哉。
食後は食器を洗ってお風呂タイム! 今日も素敵な一日でした。アメリといると、ほんと幸せ!
読み終わったら、ポイントを付けましょう!