神奈さんとアメリちゃん

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第百五十八話 お魚さんに会いに行こう! ―後編―

公開日時: 2021年4月25日(日) 12:01
更新日時: 2022年4月27日(水) 22:07
文字数:2,746

エレベーターで二階に昇り、展望レストラン入り口で食券を買い求める。


「ダイオウグソクムシオムライス……っていうのがあるんだ~。食べてみる? 分け合ったらちょうどいい量だね」


 食品サンプルを指し示しながら提案。しかも、一日限定五食らしい。幸い、まだ残っている模様。


「おお? ダイオウグソクムシ?」


「そういう、海の生物がいるんだ。これサンプルみたいな姿をしててね。どう?」


「じゃあ、これにするー」


 私たちはダイオウくんに決定! お父さんたちは、越前セットというのにした模様。


 食券を受付に出し、窓際に着席。店内は円形のパノラマになっていて、館内を見渡せる設計。といっても、絶景というにはちょっと高さが足りないけども。


 ただ、優輝さんなら中央の席で外を見ないようにするか、そもそも入店しないかってレベルの高さではあるのは確か。


 やや待って、窓口に取りに行く。


 で、肝心のオムライスは……サンプル通りのおっきなダイオウグソクムシ! 節目が付いた卵の胴体、ポテトの脚、なんかスティック菓子みたいな触角、海苔でできた目……。なんか可愛い~。スマホでパシャリ。


 お父さんたちも注文の品を受け取り終わったので、皆でいただきます! の合唱。


 うーん、実にオムライス! チキンライスの胴体に、うずらの卵が入ってるのが面白い。オムライス大好きなアメリは、瞳を輝かせて美味しそうに食んでいる。ふふ、ほほえま!


 越前セットのほうは、おろし蕎麦とソースカツ丼のセット。お味噌汁とお新香付き。あちらも美味しそうね。二人が手を付ける前に、一枚撮らせてもらう。


「アメリ、お口の回りにケチャップ付いてるよ」


 ポケットティッシュで拭うと、「うにゅう」と気抜け声を上げる。しっかりしてるところと、こういうところのアンバランスさが実に可愛い。


 お昼も美味しく食べ終わり、見学再会!


 展望レストランの真上に3Dシアターがあるので入場。


「ほえほえさんだ!」


 様々なクジラの映像が映され、アメリ大興奮。続く恐竜のCGに、アメリさらに興奮。水族館だからって、海竜オンリーじゃないのね。


 シアターも堪能したので、地上に降りる、こちらには、海の幸タッチコーナーなるものがあり、魚に餌やりをしたり、ズワイガニやうなぎにタッチできるとのこと。


 初めて触る生きた魚介類に、アメリ超興奮! カニには「かにざえもんだー!」と大喜びし、うなぎのぬるぬるっぷりにびっくり。ほほえま!


 お触りも堪能してお隣に。こちらかわうそ館なのだけど、十二時半に餌やりが見られるとのことで、先に更にその隣のおさかな館を攻略。


 こちら、かなり年季の入った建物らしく。六十年の歴史があるのだとか。


「おお~? おっきーい!」


 リュウグウノツカイの標本を見て圧倒されるアメリ。


「リュウグウノツカイっていう魚だね。すごーく深いところを泳いでるんだよ」


 「おお~」と、ひたすら感心。


 さらに歩を進め、水槽のマツカサウオやハリセンボンを見ていく。


 新たな魚に出会うたび、知的好奇心が満たされ瞳を輝かせるアメリが実にほほえま!


 時間もそろそろいいので、かわうそ館に戻り、コツメカワウソの愛らしい食事風景を拝見。これも、スマホでパシャリ。容量、使い果たさないといいけど。まあ、私あんまりアプリ入れてないし大丈夫でしょう。


 しかし、もう午後なんだなあ。せっかく来たんだから、アメリに可能な限りスポットを回らせてあげたい。名残り惜しいけど、次の場所へ。


 外に出ると、さきほどのペンギンお散歩コースに人が集まり始めていた。これは、ちょうどいい場面なのでは? さっそく、通路沿いに並ぶ。


 すると、向こうからペンギンがよちよち歩いてくるじゃありませんか! あらまあ、可愛い! これまたパシャリ。アメリも「可愛い、可愛い」と語彙力が崩壊して大興奮!


 解説タイムになると、アメリがペンギンってなーに? という基本的な質問に始まり、様々な質問を係員さんに怒涛のように浴びせる。ふっふっふっ。係員さん、うちのアメリちゃんの知的好奇心、観念してくださいませ。


 まあ、係員さんは笑顔でアメリの質問に答えてくれるんですけどね。良きかな良きかな


 お散歩が終わると、ペンギン館で泳ぐペンギンを堪能。さあさあ、回るスポットはまだまだありますよ、アメリちゃん!


 食事を優先して、一度スルーしたふれあい館に立ち寄る。こちらでも、ナマコやウニ、サメやエイ、さらにはミズダコなんていう生物に触れるスポット。アメリの興奮は留まることを知らず。


 続いて、うみがめ館へ。ぐるりと私たちを取り囲むパノラマ水槽で、巨大なウミガメが悠然と泳いでいる。興奮のあまりアメリのしっぽが立ってしまったので、慌てて三人で隠す。


「おおおおお~……」


 と、もはや感動が言葉にならない彼女。


 お次は、かめ・かえる館なる建物へ。こちらでは、世界の珍しいカエルやカメ、さらにはウーパールーパーやイグアナなんかが見れる模様。


「おお~……変なのー」


 アメリ、ウミガメでテンションが上りすぎた反動か、ちょっと控えめかつ興味深げにカエルやカメを見ている。さすがのアメリも、疲れてきたのかなー。ケヅメリクガメなるカメに小松菜を与えることができるとのことで、これも体験。


 さらに同館で、ドクターフィッシュ体験。こちらでは、水槽に手を突っ込んでドクターフィッシュに手の垢をついばんでもらえるらしい。


「こちょこちょする~」


 くすぐったそうにもじもじするアメリ。


「女性の方にもおすすめですよ。手がすべすべになりますから」


 と係員さんがおっしゃるので、私たち大人組も試すことに。あはは、やだこれくすぐったい~。ややして手を引き上げ撫でてみると、ほんとにすべすべ! あら~、これはいいなあ。もう片方もやりましょ。


 お手々をつやつやきれいにした後は、ラストワン・可愛い建物のこんぺいとうハウスへ。


 こちらではコンペイトウなる丸っこい魚が展示されており、アクリル板に吸盤で張り付いていて面白い。さらに面白いのが、なんと巻き貝の中にすっぽり入っている個体がいること。ヤドカリだけじゃないんだねー、こういうことするの。


 アメリもラストワンということで元気が戻ったのか、テンションが再燃。「おお~!」と興味深げに眺めている。


 さらに進むと、お昼に食べたあのダイオウグソクムシの生が! アメリ、テンションさらにアップ!


 ほかにはクリオネもいて、ひらひら泳ぐ天使ぶりに「可愛い、可愛い」と反応。でもね、アメリちゃん。これ、餌食べるときモンスターと化すのよ。でもまあ、夢は壊さないでおきましょうね。


 というわけで、ついにスポット全制覇! お土産にコンペイトウのぬいぐるみを買っていきました。


 久々の水族館もいいもんだね! アメリのハイテンションな可愛い姿もたくさん見れたし。閉館時間も近い。帰りがけに、どこかでごはんを済ませて帰りましょ。

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