神奈さんとアメリちゃん

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第三百十二話 冷しゃぶとつけ麺と

公開日時: 2021年8月6日(金) 21:01
更新日時: 2021年8月8日(日) 13:51
文字数:2,131

 おっと、アラームが鳴った。ごはんを炊きに行く時間ですねえ。


 んーっ! 今日もよく仕事したあ! まだ折り返し地点だけど。


 ごっはっんっをたっきにっ、いっきまっしょ~。


 ……戻り。少し休憩するかなあ。


「アメリちゃん。さっきの漫画借りていーい?」


「おおー? いいよー」


 お昼寝から目覚め、ブロック遊びしてるアメリに本を借りる。まあこれ、もともと私が買ってあげたものだけど、そういう分別は付けないとね。


 ぱらり……ぱらり……。


 へー。空気って、加熱されると水蒸気を多く含めるから、夏は服が乾きやすいんだー。


 自販機ってあれ、一種のロボットだったんだ……。


 この漫画、大人が読んでもためになるわね。子供向け科学読本、侮りがたし!


 ありゃ、アラームが鳴りましたよ。思わず読みふけってしまった。


「アメリ、本ありがとね。それじゃー、ごはん作りに行きましょー!」


「おおー!」


 というわけで、らんらんとキッチンへ!



 ◆ ◆ ◆



「さて、今日の晩ごはんは冷しゃぶです」


「おお? 何それ?」


「冬にしゃぶしゃぶやったでしょう? あれの冷たい版なのですよ」


「おおー!」


 キラキラ瞳を向けてくるアメリちゃん。


「というわけで、さっそく作っていきましょー!」


 例の脳内BGMスタート!


「アメリシェフに重要ミッションです! レタス二枚を一口大にちぎって、ミニトマトのヘタを取って半分にカット、きゅうりを千切りにしてください」


 材料を並べながら指示を出す。


「らじゃー!」


 しゅびっと敬礼して、テーブルのまな板に向かうシェフ。


 一方私は、お肉とおネギの担当です。


 料理酒を大さじ二杯入れたお湯を沸かし、冷凍ネギをさっとお湯にくぐらせて解凍。ザルに載せて水を切った後お皿に乗せ、自然冷却。


 続いて、しゃぶしゃぶ用豚ロースを一枚一枚丁寧に加熱し、アクが出ればそのたびにきちんとすくう。


 火が通ったお肉はザルに揚げ、これも自然冷却。


 ふう、暑い。まだ春だからいいけど、夏にやりたくない作業だねえ。


「できたー!」


「はーい、ありがとねー。そこに置いといて~。もひとつお願いいいかな? うちわ……これね。これでザルのお肉を扇いでくれる?」


「はーい」


 うちわを手渡すと、ぱたぱたと扇ぎ始めるアメリちゃん。いつぞやのちらし寿司を思い出すね。


 よし、ラスト茹で上がり!


「じゃ、そのまま扇いでてねー」


 今のうちにごはんを切り、続いて盛り付け。レタス、きゅうり、トマトの順に盛っていく。


「はーい、扇ぐのやめていいいよー」


 肉を受け取り、お野菜の上に盛り付け。あとは、ごまとおネギをまぶしてポン酢をかけたらかんせーい!


「はーい、お疲れ様でしたー。いえーい!」


「いえーい!」


 ぱちん。


 おなじみのハイタッチをし、ごはん、麦茶とともに配膳していく。


 配膳が終わると、エプロンを外し対面に着席。


「それじゃー、いただきましょう。いただきます!」


「いただきます!」


 ぱくっ……うんうん、さっぱりしていて美味しい! ごまだれバージョンもいいけど、ポン酢も良きかな良きかな


 アメリちゃんも、美味しい美味しいと食べてくれて、お姉さん嬉しい!


 まだレタスがだいぶ余ってるけど、何に使おうかな? 雑にサラダでもいいけど、こないだみたいに加熱して食べてもいいよね。


 そんなこんなでごちそうさま。今日も美味しいごはんに感謝。


 今日はもうお風呂入ったけど、汗かいたしもっかい入っちゃおう!


 お仕事、ダンス、お風呂の後は、再びお仕事モード。アメリちゃんが眠そうにしていたので、今日は早めに休ませて消灯。


 デスクとモニタの明かりに照らされ、明日の糧のためにバリバリとお仕事に打ち込むのでした。



 ◆ ◆ ◆



 午前中に松戸医院での予防接種を済ませ、お昼はドラッグストアに寄るついでにそのすぐそばのラーメン屋さんに入ってみました。


 病院でも、アメリは注目の的だったなあ。そういや、猫耳モードで行くのは初めてだものね。


 で、肝心のラーメン屋さんだけど、店主のおじさん一人で回してるらしい、カウンター席だけのこぢんまりとしたお店で、いかにもラーメン屋! って感じの佇まい。そして、やっぱり店主さんと先客さん、猫耳にびっくり。はは、もう慣れたもんですよ。


 女二人の親子連れでラーメンってのもちょっと敷居高いけど、さつきさんと久美さんがつけ麺が美味しいとイチ押ししてたので、頼んでみることに。


 ここは食券式なので、二千円投入してつけ麺八百円ナリの券を得て出す。ランチタイムは一品付けてくれるそうなので、二人でチャーシューをおまけにつけてもらうのでした。


 しばらく待つと、出てきました! 具はチャーシュー二つに、ほうれん草、もやし、海苔、メンマ。そしてつけダレ。では、さっそくいただきましょう。


 二人でいただきますの合唱をし、つるつるっと。


 あら、美味しい! さすが、かくてるハウス凸凹コンビ情報! 鰹ベースのいいおだしが出たスープがグー!


「おねーちゃん、美味しい!」


 アメリが率直に褒めると、猫耳に面食らってた店主さんもにっこり。


 いやー、結構ボリュームがあったけど、するっと食べられてしまった。ここ、いいわあ……。このドラッグストア来たら、今度も寄ってみよ。


 ごちそうさまをすると、店主さんが愛想良く「ありがとうございましたー」と言ってくれる。


 さて、もうすぐみんなが来るね。帰って用意を整えましょ。

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