ふう、今日のごはんも美味しかったー。アメリと二人で食事するようになってから、はや一年以上経つけど、親しい人と一緒に食べるって、素敵な調味料だね!
さーて。食休みに、交流掲示板でもいってみようかな。
「こんばんは~」
「ねこにゃー」名義で書き込む。
掲示板は、親子さんのご尽力のお陰で、至極快適に利用できるようになり、荒らしなどもいない、いい感じの空間となりました。
で、私たちは身内用だけでなく、総合スレッドにも書き込むようになっています。
というわけで、私がさっき書いたのは、総合のほう。
その場にいたお三方から、「こんばんは」とご挨拶をいただく。あ、そうそう。英語掲示板は日本語版と別になりました。ろくに英語が読めないので、あっちはどうなってるのかさっぱり。
「せっかくだから、アメリも掲示板、入ってくる?」
ベッドに腰掛け、スマホをいじっていた愛娘にも、呼びかけてみる。
「おお。それもいーね!」
さっそく、アメリも「こんばんはー!」と書き込む。
アメリの名義は、今まで通り「雨子」。ほんと、あのお正月のとき適当につけた偽名を、未だに使い回してるわよね、私たち。
それはさておき、この場にいらっしゃるのは……「さといも」さん、「ゆき」ちゃん。後者は優輝さんと紛らわしいけど、どうやら猫耳人間の女の子らしい常連さん。さといもさんは、そのママさんらしいです。
そして、「管理人」こと、我らが親子さん。
ログを追ってみると、里芋の煮っころがしの話をしていた模様。ハンドルネームにしちゃうほどに、さといもさんの大好物なんですって。
「里芋、美味しいですよねー。私たちも好きですよ。雨子、ほとんど好き嫌いなく食べてくれるので、ありがたいです」
この話題に、混ざってみる。ちなみに、アメリは未だに、ツンと来る系の辛味だけはダメ。それ以外は何でも食べてくれるんだけど。
「はい、美味しいです! なんでしょうね。あのねっとり感が好きで好きで。ゆきも、美味しい美味しいって食べてくれるから、だいたい一日置きに食卓に上ってますねー」
そりゃすごい。そういえば、クロちゃんが和食党なの、まりあさんの影響なのよね。親子で似るのかしら?
「里芋、イカと一緒に煮たの好き! ゆきちゃんは、どういう食べ方が好き?」
アメリも、会話に混ざってきました。
「わたしもそれかなー。趣味が合うね!」
ですって。ふふ、ほほえま!
「ふかしたのも、美味しいですよねー」
「うちは煮物や豚汁が多いですけど、『酒仙』さんが、お酒のアテによく作るそうですよ」
さといもさんの、ふかし里芋にレスを返す。ちなみに酒仙さんは、久美さんのハンドルネーム。ほんと、お酒好きよねえ。
「まあ、そうなんですか! 私も、ふかし里芋で、キュッとやりたくなっちゃいました」
あらまあ。さといもさんも、いける口?
「こんばんは」
おっと、「いっちー」さんが入ってきました。最初に掲示板を公開したときいらっしゃった、親の方。みんなでご挨拶返し。
「里芋ですか。自分も好きですねえ。明日作りましょうか」
なんか、すっかり里芋トークの場になってしまった。
「『かる』くんは、お元気ですか?」
かるくんは、いっちーさんの息子さん。彼も、猫耳人間。ただ、まだスマホは使えないらしいので、ここには来たことがない。
「はい。元気モリモリで、困っちゃうぐらいですよ。でも、元気なのが一番嬉しいですね」
その気持ち、分かります。私たち、一度愛する子を喪ってますもんね……。
同意を示すと、彼もさらに重ねてご同意。
「やっぱり男の子って、手、かかるもんです?」
向井家のおじさまとおばさまも、はじめ兄ちゃんが小さかった頃は、やんちゃで手を焼いたって、よく言ってたものだけど。
「そうですねえ。自分は逆に、女の子を育てたことがないから、比較ではわからないんですけど、何ていうか、とてもエネルギッシュですね。おもちゃをよく、壊しがちで」
へえ~。ノーラちゃんを、さらにパワーアップさせた感じかなあ?
「大変そうですね」
「まあ、それも育児の喜びですから。あの子が還ってきてくれて、元気いっぱいで。それだけでもう、胸があったかくなります」
「わかります! ほんと、虹の橋の女神様には、感謝しかありません!」
さといもさんも、熱くご同意。
「雨子も! おねーちゃんにまた会えて、すっごく嬉しかった!」
「わたしも!」
子供たちも、乗ってくる。
素晴らしいな。私はたまたま、まりあさんや優輝さん、白部さんが近くにいてくれたけれど、さといもさんや、いっちーさんは、あちらの松戸医院やCH研のようなところしか、話せる相手がいなかったわけで。
それが今、日本各地の猫耳人間とその保護者とで、他愛もない会話をしたり、悩みを相談し合ったりできる。海外版も入れたら、世界中の私たちが繋がり合っているのだ。
掲示板を立ち上げ、運営してくださっている親子さんには、感謝しかない。
あとで改めて、その旨を直接伝えよう。
さて、そろそろ仕事に戻らないと。「仕事に戻りますので、失礼します」と書き残し、フリアトを立ち上げるのでした。
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