神奈さんとアメリちゃん

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第四百六十三話 海だー!!

公開日時: 2022年1月12日(水) 21:01
文字数:2,056

「海だー!!」


 やっぱり、海に来たらやりたいこのシャウト。設営を終え、海に向かって思いっきり叫びます。アラサー女が青春したっていいじゃない! 自由ってきっと、そういうこと!


「海だー!」


「うみだー!」


 アメリとともちゃんも真似っこ。せっかくなので、もう一度三人揃ってシャウト。


「お二人もいかがですか?」


 ご夫妻にも提案。


「そうですねえ。ちょっと恥ずかしいけどやろうか」


「ええ」


 というわけで、五人でシャウト!


「やー、楽しそうっすねえ」


 さつきさんと、宇多野姉妹、白部姉妹も合流!


「自分らもやりましょっすか?」


「すいません、私はちょっと……」


 照れる白部さん。


「じゃあ、わたしが代わりに。海だー!!」


 おお、まりあさんノリがいい。


 それにしても……。親子ちかこさんも、まりあさんも、三十代なのにきれいなボディラインだなあ。


「どうしたんですか? わたし、何かおかしいです?」


 自分の体を見回すまりあさん。


「あ、すみません。ジロジロ見て。まりあさんも、親子ちかこさんも、素敵なプロポーションだなあと」


「あら、ありがとうございます。神奈さんも、素敵ですよ」


「ありがとうございます」


 口元に手を当て、うふふと微笑む彼女。親子ちかこさんからも、お礼の言葉ををいただきました。


「とりあえず、シート敷きましょうか」


 白部さんは、マイペースに設営を進めています。


「白部さんも、ナイスプロポーションですー!」


「もう……恥ずかしいですってば~」


 照れる彼女。


 こうして後発組も、無事セット完成!


「はーい、ちびっこたち。久美ねーさんの安全講座だ。まず、準備運動を抜かりなく!」


 ミケちゃんと一緒にこちらに来て、体操を始める彼女。アメリたちのみならず、私たち一同も準備体操に加わる。


「次! 行動するときは、絶対大人と一緒に!」


 「はーい」と返事する、子供五人。


「沖……向こう側な。あっちには絶対行かないこと! 遊泳禁止区域に行くのも、絶対ダメだ。誰か溺れたら、あそこの監視員さんにソッコー知らせろ。救出と応急手当なら、ライフセーバーって人ができるし、ありがたいことに白部サンもいる。あと、水分こまめに取れ。OK?」


 「はい!」の五重奏。


「よーし。じゃあ、各自遊ぼうか。ノラ子、ボール遊びしようぜ。それとも、泳ぐのにチャレンジするか?」


「あ、ミケもボール遊びしたいわ」


「オッケー。じゃあ、三人でトスしようぜ。ほかに混ざりたい人はー?」


 一同を見回す久美さん。


「あー、あたしらは甲羅干ししてます。由香里、日焼け止め塗ってー」


「お前、見た目の割に、本当に運動嫌いだよな」


 マイペースな優輝さんに、久美さんため息。


「まーいーや。さつきはどうするよ?」


「自分も、だらけ組に参加っす~。やっぱ、全身で太陽を思いっきり感じたいじゃないっすか」


「無駄に言い回しが詩的だな……。よーし、ボールで遊ぶぞー」


 とてとてと、ボールを手に砂浜中央に向かう三人。


「アメリ。海、入ってみる?」


「おお! 入ってみたい! ともちゃんも入ろ!」


「うん!」


 二人とも仲いいわね。ほほえま。


「じゃあ、私が泳ぎ教えるね」


「うん。じゃあ、ここで荷物見てるから」


 良夫さんが、荷物番を引き受けてくださいました。というわけで、ポンプを踏み踏みして、浮き輪を膨らませます。


「おお! これ、どうすればいいの!?」


「中央に足入れて、腰辺りで手に持って」


「おお~!」


 アメリちゃん、アクアモード!


「じゃ、ゆっくり入ろう……足がつかなくなったら言ってね」


 ざぶざぶと、手をつないで横向きに海に入っていく。親子ちかこさんと、ともちゃんも同様。


「足、つかなくなった!」


「じゃあ、ちょっと戻ろう。……おけ。じゃあね、体を伸ばして、浮いてごらん」


「おお? ……おおおお!」


 新感覚に、びっくりするアメリ。


「よし、足をばたばたしよう」


 ゆっくりと、愛娘を引いていく。


「おおお! 面白い!」


「でしょー。少しでも疲れたら言ってね。足がつるといけないから」


 しばし、二組でばちゃばちゃと遊泳指導。うーん、泳ぐアメリちゃんを撮れないのが残念だわ。


「うにゅう。疲れてきた……」


 おっと。じゃあ、一旦上がりましょ。腕時計がないと、時間がわからなくなるね。もっと体力のないともちゃんは、先に上がっていたようです。


 売店で買ったスポドリを、美味しそうに飲む娘。私もいただこう。白部さんが、ゆっくり飲むのがオススメだっておっしゃってたっけ。ちびちび。


 体を休め、近井さんご一家と談笑。繁忙期の中の、ひとときの憩い。良きかな良きかな


 ボール遊び組に目をやると、さすがフィジカルトリオ。いい感じにトスが続いてるようです。ただ、さすがに疲れたのか、向こうもそれぞれのシートに引き上げました。


 みんなで、のんびりすることしばし。


「みなさーん、そろそろお昼にしましょう~! バーベキュー場はあっちなので、貴重品は持ってきてくださーい。じゃ、手続きしとくから、材料と炭よろしく」


 お、イベント大好き系イケメンガールからお声がかかりましたよ。もうそんな時間か。由香里さんとさつきさんと久美さんが、駐車場へと向かいます。


 それじゃあ、いそいそと参りましょうか。

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