いつものスーパーにとうちゃーく! 今日はちょっと遅めなので、車で来ています。
おなじみの店内BGMを聴きながら、チラシチェーック!
今日は、ひき肉がお安い! ほうほう。ハンバーグもいいし、ロールキャベツなんてのもこう寒いといいよねえ。
でも、昨日のそうめんチャンプルーを経て、ちょっと作ってみたい料理がひとつあるのです。
ずばり、ひき肉&玉ねぎ&ピーマンでピーマンの肉詰めを作っちゃいまーす! 付け合せには、アメリの大好きなトマトとブロッコリー。
あとは三種の神器を整えればさしあたってのラインナップは抑えたことになるけど、せっかく車で来たのだから、調味料とか粉系とか日用品とか、かさばるものも買っていきましょー。
「あ、そうだアメリ。今月のお小遣い」
「おお~! ありがとー!」
百円玉三枚にキラキラ瞳を輝かせ、さっそくコラ・コーラをかごに入れるアメリちゃんでした。
「これだけでいい?」
「うん!」
相変わらず、堅実ねえ。お金遣いが粗くない子に育ちそうで、お姉さん安心です。
では、帰りましょうか。
◆ ◆ ◆
たっだいまーっ!
手洗いうがいを済ませた後は、お米を水に浸しましてっと。
それじゃー、今日も元気に筆を走らせましょー! 近々入金もあるはずだから、気合い入りますねえ!
すいすい、さらさらっとね。我ながら筆が早い。マルチタスクとこの速筆は本当に自分でありがたいと思う。
「おねーちゃん!」
「はーい、何かなー?」
首をそちらに向ける。
「ミケのとこ行っていい?」
「あー、もう遅いからやめとこう? 電話ならいいよ。ちょっと待ってね」
優輝さん経由でミケちゃんに電話を回してもらうと、私もイヤホンを差したスマホをアメリに手渡す。
「ミケー、こんばんはー! あのね……」
他愛もない話を始めた模様。それにしても、今のこの暮らしは奇跡の連続だなと思う。たまたま、まりあさんたちと出会って正体バレして、お隣に優輝さんたちが越してきて、ノーラちゃんが転生して。
これらの偶然がなかったら、アメリは友達がいない、とても不自由で寂しい日々を送っていたことだろう。私もきっと、F市でここまで深い関わりを持つ友人ができなかった。そう思うと、天に感謝せざるを得ない。
楽しそうにおしゃべりするアメリの声をBGMに、鼻歌交じりに筆を走らせるのでした。
◆ ◆ ◆
おっと、ごはんが炊きあがりましたよ。
「アメリちゃん。ごはん作りに行きましょー」
「はーい。えっとね、これからごはん作るからまたねー。うん、ばいばーい!」
スマホを受け取り、一緒にキッチンへ。
さて、エプロン締めて、気合い入れていきましょー!
ハンバーグの応用だけど、一応レシピ動画をセット! そして、いつもの脳内BGMスイッチオン!
「さてアメリちゃん。昨日の要領でピーマンの種取ってくれるかな? ただし、今回は千切りじゃなくて縦半分に切ってね」
「はーい」
作業に取り掛かるアメリシェフ。私は並行して玉ねぎをみじん切り。う~、目に染みるぅ!
で、みじん切りができたら飴色になるまで炒めるですよ。香ばしい~。
「できたよー!」
おっと、ここでアメリシェフのピーマンが完成!
「えーっと、じゃあこんな感じに小麦粉をまぶしてくれる?」
動画の該当部分を見せる。
「らじゃー!」
元気に敬礼し、小麦粉をまぶし始める。
よし、こっちも玉ねぎ完成! 平皿に薄く置いて、冷やしましょーっと。
「できたよー!」
「はいはーい。じゃあ、付け合せを作ろう~」
玉ねぎを冷ます間、付け合せづくり。ポットのお湯を手鍋に張り、沸騰させまーす。
「アメリはトマトを切ってくれるかな? 私がいつもサラダ用にカットしてるのと同じ要領ね」
「はーい!」
トマトはアメリに任せ、つぼみの部分を茹でる。私は茎は使わない派。
「トマトもできたよー!」
「お疲れ様。ちょっと待っててね」
よし、茹で上がった! これを、冷水に晒しまーす。よし!
「次は、肉種を作るよー」
ひき肉に塩とパン粉と牛乳を入れ、二人でこねこね、こねこね。
ここに、冷めた玉ねぎも投入し、さらにこねこね。
あとはハンバーグの要領でぺしぺしと空気を抜いて、ピーマンに詰めていきまーす。
詰め終わったら、フライパンに油を引いて、肉側を下にして中火で焼くっと。
焼き色がついたら、ピーマン側を下にして、弱火にシフト。ガラス蓋をして五分ほど蒸し焼きに。今のうちにごはんも切って、と。
タイマーがピピピと鳴りました!
一番大きいのに竹串をぷすっと刺してみると、透明な肉汁がじゅわっと染み出す。火がきちんと通った証拠だ。
フライパンから取り出し、ウスターソースとケチャップでささっとソースを作る。
後はピーマンをお皿に盛ってソースをかけ、付け合せを添えれば完成!
「はーい、完成でーす。紅茶と麦茶どっちがいい?」
「紅茶ー!」
「ほいほい。じゃあ、紅茶淹れるね」
紅茶、ごはんとともに配膳し、着席。
「「いただきます!」」
合唱し、ぱくっといただく。うん、美味しい~!
ピーマンがニガテだった子供時代の私、お母さんが作ってくれたこれのおかげで、ピーマンを克服したものです。懐かしいなあ。
「どう? アメリ、ピーマンそれほど苦手じゃなさそうだけど」
「大丈夫だよ。美味しい!」
良き哉良き哉。ほんと好き嫌いがなくてありがたい。
アメリと雑談に花を咲かせながら、美味しく食べる。ふふ、アメリの笑顔は最高の調味料ね!
後片付けと歯磨きをしたら、仕事の続きを頑張ろー!
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