神奈さんとアメリちゃん

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第九十三話 どん、どん、どーなつ! どんどん行こーっ!

公開日時: 2021年4月21日(水) 17:01
更新日時: 2021年12月15日(水) 02:03
文字数:2,152

今日はお昼前から、お菓子の材料を買うためにスーパーに来ています。いやーこの時刻はやっぱり混むねえ。これがちょっと苦手で、いつも夕方に買い物してるわけだけど。


 お昼ごはんと晩ごはんの材料も買いたいから、今日はちょっと荷物多くなりそう。


 毎度お馴染み、チラシチェーック!


 今日安いのは、鶏胸肉、各種お野菜。ふむふむ。白菜ときくらげと鶏肉で中華炒めなんてのも良さそうねー。お昼はこれでいきましょ。夜は……チキンカツでいこう、うん。キャベツ一玉は多すぎるから、これは出来合いの千切りで済ませちゃう。それだけでは寂しいので、ついでにトマトを一つ。


 順次かごに入れていき、本日の主役であるホットケーキミックスの大袋もイン! うちにある卵も今回できっと使い切るから、さらに一パック買っときましょ。おやつのぶんはこれでいいかな。


 あ、飲み物も必要よね。コーラ、マスぺと……ミケちゃんはアルピスソーダ、クロちゃんは緑茶っと。


 では、お会計~。



 ◆ ◆ ◆



 お昼も済ませ、寝室でアメリに小一向けの漢字を教えていると、インタホンの呼び鈴が鳴る。応対すると、ミケちゃんだったのでお出迎え。


 「昨日言われた通り、ボウルと木べらと丸い型抜きの大きいのと小さいの、持ってきたわよ」とのミケちゃんの言葉に、「おっけー、おっけー! 一緒にお菓子たーくさん作ろうね!」と返す。


 クロちゃんを待つ間、ミケちゃんにもほかの小一向け漢字を教えていると、インタホン再び。果たしてクロちゃんだったので、彼女も迎え入れる。彼女も昨日伝えた通り、ミケちゃんと同じ物を持参している。


「さて! 全員揃ったし、みんなで楽しくお菓子作りといきましょー!」


 ぽんと手を打ち、ぞろぞろとキッチンへ向かう。


「おねーちゃん、何作るの?」


「今日はね、ドーナツっていうお菓子を作るよ! アメリは初めてだね。二人は食べたことある?」


 ミケちゃんたちに問うと、こくこくとうなずく。


「じゃあ、二人には説明不要だね。アメリは、作りながらどんな物になるかお楽しみに!」


 スマホでレシピ動画を見ながら、まずは生地作り!


 えーと、まず無塩バター八十グラムを湯煎。クッキーのときのでいいよね。酸化してそうな先端部分はもったいないけど切って捨てちゃいましょ。


 次に、ホットケーキミックスを六百グラム、砂糖四十グラム、さっき溶かしたバター、卵四つを四つのボウル均等に分けてイン。


「それでは、木べらで混ぜ混ぜしよう~!」


 みんなで混ぜ混ぜ。いい感じに固まってきましたよ。


「よし、これを丸めよう~」


 潰れ気味のボール状にまとめていく。こうなると、いかにも生地! って感じだね。


「じゃあ、ラップを敷くからその上に生地を置いてね」


 みんなが私が敷いたラップの上に生地を置いたので、その上に更にラップを被せる。


「で、これ麺棒で伸ばしてくわけなんだけど、あいにく一本しかないのよね。だから順番に使いましょ。私がやるぐらいの厚さまで伸ばしてね」


 というわけで、お手本として一センチの厚みになるように伸ばし、これをみんなで順番にやっていく。みんな一所懸命でほほえま!


「お次は、型抜きで抜いていくよー。抜ききれなくなったら、一回丸めてまた伸ばして抜いてね。アメリはドーナツの形知らないだろうから、私の真似をしてね」


 丸い大小二つの型抜きで、輪っかを作っていく。本当にこれ以上抜ききれないぐらい小さくなってきたので、そのぶんは丸めて小さいボール状にするように言う。


「おっけ! ここからは火と油を使うから、みんなはテーブルで見学しててね」


 百八十度が適温らしいので、その温度と思われる温度できつね色に揚げていく。IHだと温度管理楽なんだろうけど、絶対電子レンジとかと一緒に使ったらブレーカー落ちちゃうし、いざという停電のとき困っちゃうからね。私はガス党でいきます。


 わいわいおしゃべりしている三人の声を背に受けながら、ボールのも含めてすべて揚げ終わりました!


「できたよ~!」


「おお~? これがドーナツ?」


 とてとてと寄ってくる三人。アメリが不思議な物を見るように食い入る。


「あー、まだ食べられないよ。揚げたてで熱すぎるからね。少し冷ましてから」


 四人でおしゃべりしながら冷めるのを待つ。そして、十分じゅっぷん弱。


「そろそろいいかな。じゃあ、いただきますしよう! 一人三つね。残りはまりあさんや優輝さんたちへのお土産にしてちょうだい。みんなで作ったって聞いたら、きっと喜ぶよー。白部さんにもあとでおすそ分けするから、そのぶんも残してね」


 みんなに、それぞれドーナツと好みの飲み物を配っていく。


 エプロンを外した私の着席を待って、みんなでいただきますの四重唱。めいめいドーナツを手に取る。


「美味しい!」


「でしょ? 特に自分で作ったなら、なおさらよね」


 キラキラ輝く瞳を向けてくるアメリ。う~ん、可愛い。良きかな良きかな。実際にはどれが誰が作ったのかわからない状態だけど、そこは気分。


「我ながらジョーデキね!」


 自慢げなミケちゃん。これまた可愛い。


「美味しい……。和菓子もいいけど、手作りドーナツもいいね」


 はにかむクロちゃん。またまた可愛い。


「みんな喜んでくれたようで、私も嬉しいよ。また今度、一緒に何か作ろうね」


 「はーい!」と応える三人。ああもう、ほんとに可愛いなあ。


 こうして、楽しいお菓子作りと実食は無事終了しました。

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