昨日のこと。みんなが帰った後の夜にLIZEを見ると、優輝さんから素敵な呼びかけがありました!
「明日、うちで七夕パーティーしませんか? 夕食会込みで、夜六時を予定しています。ご予定の合う方はぜひ!」
そっか、もう七日か。早いなー。
返事はもちろんOK。仕事は忙しいけれど、年に一度のイベントをアメリに楽しませてあげたい。
すると、優輝さん大喜び!
「ありがとうございます! いやー、昨日に引き続き恐縮です!」
と、お辞儀猫スタンプ。ほかの皆さんもご参加予定。
近井さんたちは比較的家が近いとはいえ、夜道を歩かせるのは怖いので、私が車でお迎えすることになりました。
「アメリちゃん、明日はお隣で七夕会ですよ~」
「スポンジ・トム」の録画を視聴していた愛娘に話しかける。
「おお? 何それ?」
一時停止し、こちらを向く。
「七夕っていうのは、お空の天の川のせいで会えない、彦星と織姫っていう二人が、カササギっていう鳥のおかげで年に一度だけ出会える日だよ」
「おお~! なんだか壮大だね!」
「そうねー」
もしかしたら世界一スケールの大きいカップルかも?
「そんなわけで、二人の再会を祝して、明日は楽しみましょー!」
「おおー!」
良き哉良き哉。
◆ ◆ ◆
「こんばんは~」
当日六時、アメリと一緒にお邪魔。Oh! ササターケ! さっそく、短冊が七枚下がってますねえ。
「こんばんは」
その場にいた優輝さん、ミケちゃん、白部姉妹からご挨拶をいただく。ほかの方々は、それぞれ料理と迎えに行ってるところか。
「ささ、どうぞ書いてくださいな」
短冊とサインペンを、二つずつ手渡してくる優輝さん。
「ありがとうございます。書かせていただきますね」
リビングテーブルに短冊を置き、サインペンのキャップを、きゅぽっと抜く。
「おねーちゃん、これどうすればいいの?」
「叶えたい願いを書くんだよ」
「おお~!」
合点が行き、すらすら書き始めるアメリちゃん。
私はどうしようかな。
「あめりにっき」アニメ化! とかも頭をよぎるけど、やっぱり「一家健康に暮らせますように」ってのが一番本音かな。特に、私は一度アメリを喪ってるからね。
……これでヨシ!
飾り付けに行くと、「サッカーせん手になる!」「目指せ第二の千多ちゃん!」「猫耳人間と人類がより良い関係になれますように」「みんなと仲良く楽しく暮らせますように」などなど、願い事の書かれた短冊が目に入る。
それぞれ、誰が書いたのか、なんとなくわかるのが興味深い。
「できたー!」
お。アメリちゃんもできましたか。
「もし良かったら、私が飾り付けるよー」
「おおー、お願い!」
短冊を受け取ると、そこには「おねーちゃんと、ずっといっしょにいられますように!」との願いが。
胸の底がじーんと熱くなって、短冊を抱きしめてしまう。
「ありがとうね、アメリ」
そう言いながら、枝に結ぶのでした。
そうしていると、宇多野姉妹、近井さん親子、さつきさん、久美さんが入ってきました。互いに挨拶を交わします。
「やあやあ、役者が揃いましたね!」
厨房は由香里さんに任せて、ホストとしてトークを繰り広げる優輝さん。例によってアレな映画の話をしかけて、久美さんと由香里さんに阻止されたり。
とはいえ、やはり全体に喋りが上手く、場が盛り上がる。その間に、後から来た四人も願い事を飾り付けました。帰り際に見てみよう。
つくづく、曇天なのが惜しいなー。晴れてたら、みんなで夜空を見たかった!
「お待たせしましたー」
そこへ、ついに由香里さん登場! ディナーの出来上がりです!
「ごはんができたので、みなさんどうぞ」
というわけで、一同ダイニングへ。
テーブルには、きれいなちらし寿司とお椀が!
「どうぞ、お掛けください。今日は、伝統的なイベントの日ということで、おめでたい感じに、ちらし寿司とお吸い物にしてみました」
由香里さんが、飲み物をサーブしながら、今日の趣旨を説明してくださる。上戸組は日本酒、下戸組と子供は緑茶。ただし、久美さんも緑茶。
「音頭取りは、わたしでいいかな?」
「頼む」
彼女に、一任する優輝さん。
「いただきます!」
一同、いただきます宣言して箸をつける。
おなじみのエビに加えて、コハダが美味しい。旬だものねー。
「嬉しいことにハモも手に入ったので、お吸い物にしてみたんですよ。楽しんでください」
おお、食べたことない一品! たしか、魚だっけ。この、白いのがそうかな?
ごく……あら、いいお味! 淡白なのに味が濃い! 身も、細かく入った包丁のおかげで、ほろほろ美味しい。
「わたし、東京から出たことないのに、ハモ好きなんですよ。京都ではよく食べるんだそうですけど」
へー。福井は東京よりは京都に近いけど、さすがに食べたことないなあ。私も、まだまだだな。などと、謎の敗北感。
ここで日本酒を。うーん、辛口で美味しい! 久美さんの秘蔵っ子か。
「っかー! 美味いねえ!」
さっそく、ハイペースの手酌でお猪口でぱかぱかおかわりする、当の本人。
「すごいペースですね」
彼女の鯨飲ぶりに、目を白黒させる近井さん。
そういえば、近井さんは久美さんの飲兵衛ぶりを初めて見るんだなー。
「姉さん、すごいうわばみなんすよ。ほんと、休肝日以外はたいてい何か呑んでるんで」
「お強いんですねえ」
さらにピッチを上げる久美さんに、感心する近井さん。
私もだいぶ見慣れたつもりだけど、改めて見ると、ほんとすごいね。
子供たちも、美味しい美味しいと大満足。まだ箸が上手く使えないともちゃんは、フォークとスプーンで食べています。
「美味しいねー、アメリ」
「うん!」
お陽様笑顔を向けると、お陽様笑顔が返ってくる。
「今日は、こんな美味しいお寿司をありがとうございます、由香里さん」
「いえいえ。料理は半ば趣味ですから」
そういえば、ストレス発散法の一つだったっけ。良き哉良き哉。
こうして楽しい会食は終わり、お開き。名残り惜しいな。
最後に、短冊をもう一度閲覧。
「おとーさんとおかーさんとげんきでいられますように」
ともちゃんだね、これは。
「一家元気で暮らせますように」
一瞬私のかと思ったけど、近井さんかな?
「プロになれますように」
クロちゃんだね、多分。
「あらゆる子供たちが、幸せでいられますように」
まりあさんだな、これは。やはり、優しい方だ。
笹と短冊は、しばらくそのまま飾っておくとのことです。
別れを告げ、帰途に。今日も素晴らしい一日だった!
お酒も美味しかったけど、せっかく一杯にとどめたからね。お仕事、頑張りましょー!
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