今日のお天気は昨日に続き晴れ。いやはや、七夕の日に晴れてくれればなあ。
まあ、お空にぼやいてもしょうがない。
今日はサッカーグラウンドが使えるということで、白部姉妹は買い物の予定を変更して、クラブに出ることにしたようです。
で、私たちはどうしたものか。とりあえず、今日は天気が崩れなさそうなので、マットとお布団干しましょ。……ヨシ!
お仕事しなきゃだけど、せっかく晴れたのに引きこもりというのも悲しい。
というわけで、近井さんに「児童公園で子供を遊ばせませんか?」と打診。さっそく、快い返事をいただけました。
時間を決めて公園に向かうと、休日+久々の晴れ間ということで、結構な盛況。
「こんにちは。今日はにぎやかですねえ」
「おかーさん、ともちゃん、こんにちはー!」
先に到着されていた近井さんたちに、声をかける。
「こんにちは。みんな考えることは一緒ですね」
ふふ、と微笑む彼女。
「アメリちゃん、神奈おねーさん、こんにちはー!」
例によって砂いじりしていた、ともちゃんもご挨拶。
砂場はまだ水が抜けきっていないけど、いつもみたいにオブジェ作って遊ぶぶんには、問題なさそう。
「おお~。ともちゃん、何作ってるの?」
「アメリちゃん~!」
なんと、アメリの顔を作っていたようです。
「似てる?」
「似てる! 上手い!」
私視点、あまり似てないけど、ちゃんと褒めるアメリちゃん。褒めて伸ばすという教育方針を、採ってきたかいがあるというものです。優しい子に育ってくれて、ありがとう。
「アメリは、ともちゃん作るね!」
と、仲良く創造の世界に没入。
「暑いですけど、やっぱり久々のお陽様はいいものですねえ」
「ですね。久しぶりにお布団干せました」
近井さんと雑談。彼女も、お布団を干してるらしい。
「そういえば、旦那さんについて営業職と伺ってましたけど、性格面ではどういった方でしょう? 不躾な質問かもしれませんが」
「いえ、大丈夫ですよ。のんびりした人でしてねえ。結婚前は営業でやっていけるのか不安だったんですけど、どこか人を安心させるような雰囲気があって、そのおかげでか、成績は悪くないんですよ」
「そうなんですかー。なんだか、うちの父に似たタイプの方ですねー」
と、女二人でぺちゃくちゃおしゃべり。こういう時間も、いいものです。
「できたー!」
先に作っていたともちゃんが、アメリの顔を完成させる。
「お耳作るの難しかった!」
たしかに、耳というよりは角みたいになってしまっている。
それでも、三人で「上手、上手!」と褒め称える。子供は褒めて伸ばーす!
アメリも、続けて完成! これまたともちゃんとアメリを入れ替えた三人で褒め称える。
すると、いつぞやアメリとお友達になってくれた二人組が、「こんにちはー」と声をかけてきました。歳は、アメリと同じぐらいかな?
「はーい、こんにちは」
「おおー、こんにちは! 久しぶり!」
近井さんとともちゃんもご挨拶。四人で仲良く砂遊びを始めます。
顔の次は、お城を合作することにした模様。大工事ですねえ。
「そういえば、私、君たちの名前訊いてなかったな。私は神奈」
「エイイチ!」
「ミコ!」
二人が元気に答える。
「二人は兄妹?」
「「うん!」」
エイイチくんとミコちゃんに、近井さんも自己紹介。
ああ、のどかだこと。ずっとこうしていたいけど、スマホを確認。……十一時二十分か。お昼のぶんは食料あるけど、十二時少し前になったら帰らなくちゃなあ。お仕事もあるし。
とりあえず、子供は子供同士楽しんでもらって、私は近井さんとおしゃべり。
「そういえば神奈さん」
とりとめのない雑談中に、近井さんが突如思い出したように切り出すので、「はい、何でしょう?」と応える。
「例のサイトの件ですけど、今晩お見せしますね」
「ついにできたんですね! 楽しみです! ありがとうございます!」
思わず、手を握ってぶんぶん振ってしまい、面食らう彼女。
「あ、すみません。つい、興奮して」
「いえ、大丈夫です。お気持ちわかりますから。……というのは、おこがましいでしょうか」
「そんなことないです! 感謝しかありませんよ!」
実際、言葉通り感謝しかない。
私たちは、たまたま四人で固まれて、なおかつ最初期に先輩と出会えて、「ママ友」にも専門家である白部さんがいるというラッキーに恵まれたけど、こうした出会いがなければ、様々なことに難儀していたはずだ。
そういう人が、この日本に……いや、世界に二百人以上いる。そのうちの多くが、横のつながりを持てなくて、きっと心細い思いをしているはず。
私は、そういう人たちの助けになりたい。自分でできることはあまり多くないけれど、ありがたいことに近井さんを始め、いろんな方が力を貸してくださる。
ご厚意に甘えてばかりなのに、それこそ傲慢かもしれないけれど、偽らざる本心だ。
「見てー! お城ー!」
アメリの元気な声が聞こえてきて、我に返る。
お砂場に、いつものアメリちゃん謎オブジェではなく、立派なお城ができてました。
「すごいねー! みんなの力作だね!」
「「うん!」」
お陽様笑顔を向けてくる四人。近井さんも、「すっごく上手!」とべた褒め。
私は、みんなを笑顔にしたい。アメリも、ほかの猫耳人間も、ともちゃんたちも、親御さんたちも。
できる限りのことを、やっていこう。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!