神奈さんとアメリちゃん

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第四百四十六話 久々のお陽様と公園!

公開日時: 2021年12月27日(月) 21:01
更新日時: 2022年1月1日(土) 12:13
文字数:2,131

 今日のお天気は昨日に続き晴れ。いやはや、七夕の日に晴れてくれればなあ。


 まあ、お空にぼやいてもしょうがない。


 今日はサッカーグラウンドが使えるということで、白部姉妹は買い物の予定を変更して、クラブに出ることにしたようです。


 で、私たちはどうしたものか。とりあえず、今日は天気が崩れなさそうなので、マットとお布団干しましょ。……ヨシ!


 お仕事しなきゃだけど、せっかく晴れたのに引きこもりというのも悲しい。


 というわけで、近井さんに「児童公園で子供を遊ばせませんか?」と打診。さっそく、快い返事をいただけました。


 時間を決めて公園に向かうと、休日+久々の晴れ間ということで、結構な盛況。


「こんにちは。今日はにぎやかですねえ」


「おかーさん、ともちゃん、こんにちはー!」


 先に到着されていた近井さんたちに、声をかける。


「こんにちは。みんな考えることは一緒ですね」


 ふふ、と微笑む彼女。


「アメリちゃん、神奈おねーさん、こんにちはー!」


 例によって砂いじりしていた、ともちゃんもご挨拶。


 砂場はまだ水が抜けきっていないけど、いつもみたいにオブジェ作って遊ぶぶんには、問題なさそう。


「おお~。ともちゃん、何作ってるの?」


「アメリちゃん~!」


 なんと、アメリの顔を作っていたようです。


「似てる?」


「似てる! 上手い!」


 私視点、あまり似てないけど、ちゃんと褒めるアメリちゃん。褒めて伸ばすという教育方針を、採ってきたかいがあるというものです。優しい子に育ってくれて、ありがとう。


「アメリは、ともちゃん作るね!」


 と、仲良く創造の世界に没入。


「暑いですけど、やっぱり久々のお陽様はいいものですねえ」


「ですね。久しぶりにお布団干せました」


 近井さんと雑談。彼女も、お布団を干してるらしい。


「そういえば、旦那さんについて営業職と伺ってましたけど、性格面ではどういった方でしょう? 不躾な質問かもしれませんが」


「いえ、大丈夫ですよ。のんびりした人でしてねえ。結婚前は営業でやっていけるのか不安だったんですけど、どこか人を安心させるような雰囲気があって、そのおかげでか、成績は悪くないんですよ」


「そうなんですかー。なんだか、うちの父に似たタイプの方ですねー」


 と、女二人でぺちゃくちゃおしゃべり。こういう時間も、いいものです。


「できたー!」


 先に作っていたともちゃんが、アメリの顔を完成させる。


「お耳作るの難しかった!」


 たしかに、耳というよりはつのみたいになってしまっている。


 それでも、三人で「上手、上手!」と褒め称える。子供は褒めて伸ばーす!


 アメリも、続けて完成! これまたともちゃんとアメリを入れ替えた三人で褒め称える。


 すると、いつぞやアメリとお友達になってくれた二人組が、「こんにちはー」と声をかけてきました。歳は、アメリと同じぐらいかな?


「はーい、こんにちは」


「おおー、こんにちは! 久しぶり!」


 近井さんとともちゃんもご挨拶。四人で仲良く砂遊びを始めます。


 顔の次は、お城を合作することにした模様。大工事ですねえ。


「そういえば、私、君たちの名前訊いてなかったな。私は神奈」


「エイイチ!」


「ミコ!」


 二人が元気に答える。


「二人は兄妹?」


「「うん!」」


 エイイチくんとミコちゃんに、近井さんも自己紹介。


 ああ、のどかだこと。ずっとこうしていたいけど、スマホを確認。……十一時二十分か。お昼のぶんは食料あるけど、十二時少し前になったら帰らなくちゃなあ。お仕事もあるし。


 とりあえず、子供は子供同士楽しんでもらって、私は近井さんとおしゃべり。


「そういえば神奈さん」


 とりとめのない雑談中に、近井さんが突如思い出したように切り出すので、「はい、何でしょう?」と応える。


「例のサイトの件ですけど、今晩お見せしますね」


「ついにできたんですね! 楽しみです! ありがとうございます!」


 思わず、手を握ってぶんぶん振ってしまい、面食らう彼女。


「あ、すみません。つい、興奮して」


「いえ、大丈夫です。お気持ちわかりますから。……というのは、おこがましいでしょうか」


「そんなことないです! 感謝しかありませんよ!」


 実際、言葉通り感謝しかない。


 私たちは、たまたま四人で固まれて、なおかつ最初期に先輩まりあさんと出会えて、「ママ友」にも専門家である白部さんがいるというラッキーに恵まれたけど、こうした出会いがなければ、様々なことに難儀していたはずだ。


 そういう人が、この日本に……いや、世界に二百人以上いる。そのうちの多くが、横のつながりを持てなくて、きっと心細い思いをしているはず。


 私は、そういう人たちの助けになりたい。自分でできることはあまり多くないけれど、ありがたいことに近井さんを始め、いろんな方が力を貸してくださる。


 ご厚意に甘えてばかりなのに、それこそ傲慢かもしれないけれど、偽らざる本心だ。


「見てー! お城ー!」


 アメリの元気な声が聞こえてきて、我に返る。


 お砂場に、いつものアメリちゃん謎オブジェではなく、立派なお城ができてました。


「すごいねー! みんなの力作だね!」


「「うん!」」


 お陽様笑顔を向けてくる四人。近井さんも、「すっごく上手!」とべた褒め。


 私は、みんなを笑顔にしたい。アメリも、ほかの猫耳人間も、ともちゃんたちも、親御さんたちも。


 できる限りのことを、やっていこう。

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