「でーきーたー!!」
三十日の朝、無事原稿フィニッシュ! は~……お疲れ様、私! 送信~!
「アメリちゃーん。褒めて褒めて~!」
「おお? おねーちゃん、偉い偉い!」
「えへへ~」
テレビを見ていた娘の横に寝っ転がり、頭を撫でてもらう。
「今日もおめでた料理、なにか作ろうねえ」
「おお。楽しみ~」
「もう少ししたら、買い物行きましょう~」
しばし、愛娘の撫で撫でを愉しむのでした。
◆ ◆ ◆
というわけで、いつものスーパー! いや~、ひと仕事終えると、心も軽い!
何にしようかと考えながら、青果コーナーを見ると、大きな種無しスイカが目に止まりました。
そうだ! 今年まだ、スイカ食べてない!
これは由々しき事態ですよ。ぜひ買わねば!
となると、このスイカくんで、おめでた料理作りたいですねえ。
ゼリーも面白そうだけど、なにかちょっと変わったのないかな……? レシピサイトを検索。
スイカのカプレーゼ、とな? へえ。面白そう。これにしてみようか。
作り方的には、カプレーゼのトマトを、スイカに代えただけのものらしい。ほむほむ。
モッツァレラチーズも買おうかと乳製品コーナーに行ったら、チーズ二割引セール! おお、これは天が作れと言ってますね!
あとは、バジルか。オリーブオイルあるし……。
ヨシ!
あとは、お昼から明日の朝までの材料をお買い上げ~。カプレーゼとか、主菜にはならないからねえ。
◆ ◆ ◆
たっだいまー!!
手洗い&うがいをしたら、食材を冷やすですよ。
よし! 仕事も終わったし、例のゲームをちょっとやろう!
……インストール完了! 開始~!
ほほう。この女騎士さん、イケメンですねえ。まずは彼女を攻略してみよう。
ふむふむ。身分差に悩む感じか。しかし、相変わらずさつきさんの塗り、きれいだなあ。私も精進あるのみ! っとと。今は純粋に楽しみましょ。
……ううむ。思いの外、重厚なファンタジーだなあ。優輝さんの作風が掴めてきましたよ。
おおう、選択肢来た! どっちが正解なんだろ……?
「おねーちゃん!」
「うおっ! びっくりさせないでよ、アメリちゃん」
いきなり、耳元で大声で呼ばれ、心臓がひっくり返るかと思った。
「だって、何度呼んでもお返事してくれないんだもん」
「え? ほんと?」
こくこくと頷く彼女。ありゃ、すっごい集中してたんだなあ。周りの音が気にならないのも、良し悪しだね……。
「で、どしたの?」
「もう、お昼過ぎてるよ?」
PCの時計を見ると、十二時回ってる! ありゃ! ちょっとだけのつもりが、ずいぶんやりこんでしまった……。
「ごめん。お昼作ろうね」
というわけで、二人で台所に向かうのでした。
◆ ◆ ◆
「なにか適当に、スパゲッティーをお願いできますか、アメリちゃん?」
「じゃあねー、ミートソースにするね」
「はいな。私は、カプレーゼを作るとしますか」
まずは、よく冷えたスイカを真っ二つ! さらに切り分けていって、トマトぐらいの大きさに。
で、モッツァレラチーズにも包丁を入れまして……。おすそわけの人数多いから、大変だな。
よし、出来た! あとは、自分たちのぶんをとりあえずお皿に。まずは、試食してみないとね。
塩コショウして、オリーブオイルをかけて、バジルをぱらぱら~。完成! 簡単料理だけど、とにかく切るのに時間かかったな。
「アメリシェフ。そっちはどうですか?」
「んー? あと少し~」
ぐつぐつ茹でられる、ミートソースとスパゲッティー! タイマーが鳴り、湯切りしてソースをかけて、お皿に盛るアメリちゃん。私も、配膳しましょ。
あとは、紅茶を淹れて……。配膳完了!
「「いえーい!」」
おなじみのハイタッチ!
「じゃ、いただきますしようか」
「うん!」
「「いただきます!」」
まずは、スパゲッティー。いい茹で加減ですねえ。ミートソースは缶詰だけど、それもまた良し。
「アメリちゃん、美味しいよー」
「ありがとう!」
お陽様笑顔。ふふ、ほんとにこの笑顔を見ると、幸せになるね!
で、肝心のカプレーゼ。
……へえ! トマトの代わりにスイカってのも悪くないもんですねえ! 甘みが、意外と調和していて面白い。シャクシャクした歯ざわりも、良き哉良き哉。
うん、これなら喜んでもらえそうだ。
「「ごちそうさまでした!」」
一緒に宣言し、後片付け&歯磨き。皆さんのぶんも作って、配りに行きましょー!
◆ ◆ ◆
「こんにちはー」
一時少し過ぎ、アメリたちを押江先生にしばしお任せして、かくてるハウスのインタホンを押すと、どなたか出たのでご挨拶。
「神奈サン、こんちはー。勉強会じゃなかったっけ、どしたの?」
久美さんの声だ。
「脱稿記念に、おめでた料理を作ったので、おすそわけにきました」
「へー。おめでとさん! 今、そっち行くわ」
というわけで、久美さんが門を開けて出てきました。
「どーも」
「こちらなんですけど」
タッパー三つ入りの袋を手渡す。
「ありがとさん。カプレーゼ……に見えるね?」
まじまじと、半透明の蓋越しに、ものを見定めようとする彼女。
「ええ、カプレーゼです。ただし、スイカとチーズの」
「へえ? また、変わったもん作ったねー」
久美さんが、目を見開く。
「意外と美味しいんですよ」
「ほほー。後で、みんなでいただくわ。もう、昼飯食っちまったからなあ」
「はい。タッパーは、後で返していただければ。では、ほかの方々にも配ってきますので」
ゲームの感想を、後ほど書き込むことをお話し、互いに別れの挨拶を交わして、白部家へ。その後は車で、近井家、宇多野家と回っていきます。
夜のLIZEで、美味しかったと皆さんからご好評でした。良き哉良き哉。
仕事は終わったけど、一休みが終わったら、単行本化作業があるから、早めに最終話のプロット作らないとね!
仕事に、遊びに、育児に! 全部に励みましょー!
読み終わったら、ポイントを付けましょう!