神奈さんとアメリちゃん

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第五百十一話 夏の終わりのカプレーゼ!

公開日時: 2022年3月1日(火) 21:01
文字数:2,300

「でーきーたー!!」


 三十日の朝、無事原稿フィニッシュ! は~……お疲れ様、私! 送信~!


「アメリちゃーん。褒めて褒めて~!」


「おお? おねーちゃん、偉い偉い!」


「えへへ~」


 テレビを見ていた娘の横に寝っ転がり、頭を撫でてもらう。


「今日もおめでた料理、なにか作ろうねえ」


「おお。楽しみ~」


「もう少ししたら、買い物行きましょう~」


 しばし、愛娘の撫で撫でを愉しむのでした。



 ◆ ◆ ◆



 というわけで、いつものスーパー! いや~、ひと仕事終えると、心も軽い!


 何にしようかと考えながら、青果コーナーを見ると、大きな種無しスイカが目に止まりました。


 そうだ! 今年まだ、スイカ食べてない!


 これは由々しき事態ですよ。ぜひ買わねば!


 となると、このスイカくんで、おめでた料理作りたいですねえ。


 ゼリーも面白そうだけど、なにかちょっと変わったのないかな……? レシピサイトを検索。


 スイカのカプレーゼ、とな? へえ。面白そう。これにしてみようか。


 作り方的には、カプレーゼのトマトを、スイカに代えただけのものらしい。ほむほむ。


 モッツァレラチーズも買おうかと乳製品コーナーに行ったら、チーズ二割引セール! おお、これは天が作れと言ってますね!


 あとは、バジルか。オリーブオイルあるし……。


 ヨシ!


 あとは、お昼から明日の朝までの材料をお買い上げ~。カプレーゼとか、主菜にはならないからねえ。



 ◆ ◆ ◆



 たっだいまー!!


 手洗い&うがいをしたら、食材を冷やすですよ。


 よし! 仕事も終わったし、例のゲームをちょっとやろう!


 ……インストール完了! 開始~!


 ほほう。この女騎士さん、イケメンですねえ。まずは彼女を攻略してみよう。


 ふむふむ。身分差に悩む感じか。しかし、相変わらずさつきさんの塗り、きれいだなあ。私も精進あるのみ! っとと。今は純粋に楽しみましょ。


 ……ううむ。思いの外、重厚なファンタジーだなあ。優輝さんの作風が掴めてきましたよ。


 おおう、選択肢来た! どっちが正解なんだろ……?


「おねーちゃん!」


「うおっ! びっくりさせないでよ、アメリちゃん」


 いきなり、耳元で大声で呼ばれ、心臓がひっくり返るかと思った。


「だって、何度呼んでもお返事してくれないんだもん」


「え? ほんと?」


 こくこくとうなずく彼女。ありゃ、すっごい集中してたんだなあ。周りの音が気にならないのも、良し悪しだね……。


「で、どしたの?」


「もう、お昼過ぎてるよ?」


 PCの時計を見ると、十二時回ってる! ありゃ! ちょっとだけのつもりが、ずいぶんやりこんでしまった……。


「ごめん。お昼作ろうね」


 というわけで、二人で台所に向かうのでした。



 ◆ ◆ ◆



「なにか適当に、スパゲッティーをお願いできますか、アメリちゃん?」


「じゃあねー、ミートソースにするね」


「はいな。私は、カプレーゼを作るとしますか」


 まずは、よく冷えたスイカを真っ二つ! さらに切り分けていって、トマトぐらいの大きさに。


 で、モッツァレラチーズにも包丁を入れまして……。おすそわけの人数多いから、大変だな。


 よし、出来た! あとは、自分たちのぶんをとりあえずお皿に。まずは、試食してみないとね。


 塩コショウして、オリーブオイルをかけて、バジルをぱらぱら~。完成! 簡単料理だけど、とにかく切るのに時間かかったな。


「アメリシェフ。そっちはどうですか?」


「んー? あと少し~」


 ぐつぐつ茹でられる、ミートソースとスパゲッティー! タイマーが鳴り、湯切りしてソースをかけて、お皿に盛るアメリちゃん。私も、配膳しましょ。


 あとは、紅茶をれて……。配膳完了!


「「いえーい!」」


 おなじみのハイタッチ!


「じゃ、いただきますしようか」


「うん!」


「「いただきます!」」


 まずは、スパゲッティー。いい茹で加減ですねえ。ミートソースは缶詰だけど、それもまた良し。


「アメリちゃん、美味しいよー」


「ありがとう!」


 お陽様笑顔。ふふ、ほんとにこの笑顔を見ると、幸せになるね!


 で、肝心のカプレーゼ。


 ……へえ! トマトの代わりにスイカってのも悪くないもんですねえ! 甘みが、意外と調和していて面白い。シャクシャクした歯ざわりも、良きかな良きかな


 うん、これなら喜んでもらえそうだ。


「「ごちそうさまでした!」」


 一緒に宣言し、後片付け&歯磨き。皆さんのぶんも作って、配りに行きましょー!



 ◆ ◆ ◆



「こんにちはー」


 一時少し過ぎ、アメリたちを押江先生にしばしお任せして、かくてるハウスのインタホンを押すと、どなたか出たのでご挨拶。


「神奈サン、こんちはー。勉強会じゃなかったっけ、どしたの?」


 久美さんの声だ。


「脱稿記念に、おめでた料理を作ったので、おすそわけにきました」


「へー。おめでとさん! 今、そっち行くわ」


 というわけで、久美さんが門を開けて出てきました。


「どーも」


「こちらなんですけど」


 タッパー三つ入りの袋を手渡す。


「ありがとさん。カプレーゼ……に見えるね?」


 まじまじと、半透明の蓋越しに、ものを見定めようとする彼女。


「ええ、カプレーゼです。ただし、スイカとチーズの」


「へえ? また、変わったもん作ったねー」


 久美さんが、目を見開く。


「意外と美味しいんですよ」


「ほほー。後で、みんなでいただくわ。もう、昼飯食っちまったからなあ」


「はい。タッパーは、後で返していただければ。では、ほかの方々にも配ってきますので」


 ゲームの感想を、後ほど書き込むことをお話し、互いに別れの挨拶を交わして、白部家へ。その後は車で、近井家、宇多野家と回っていきます。


 夜のLIZEで、美味しかったと皆さんからご好評でした。良きかな良きかな


 仕事は終わったけど、一休みが終わったら、単行本化作業があるから、早めに最終話のプロット作らないとね!


 仕事に、遊びに、育児に! 全部に励みましょー!

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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