神奈さんとアメリちゃん

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第四百九十七話 幸運を呼ぶ座敷童子

公開日時: 2022年2月15日(火) 21:01
更新日時: 2022年2月19日(土) 01:41
文字数:2,109

 あっという間の帰省も終わり。帰りがけに、りんちゃんと供子きょうこちゃんに挨拶していきたかったけど、飛行機に乗る二人は、私たちより早く立ってしまったようです。残念だな。


「じゃー、お父さん、お母さん。また年末年始にね」


「おおー。おとーさん、おかーさん、またねー!」


 二人で、名残を惜しんで、福井駅前のロータリーで手を振ります。


「電話でいいから、元気な声を、もっと聞かせてちょうだいよね」


「僕たちは、いつでも待ってるからね」


 お母さん、涙ぐんじゃって。私まで泣きそうになっちゃうよ。


「じゃあ、行ってきます!」


 未練を振り切り、びしっと手を上げて別れの挨拶。駅舎へと向かうのでした。



 ◆ ◆ ◆



 車中で、おなじみのかにめしを、駅弁としていただきます。季節じゃないので内子は入ってないけれど。食べ飽きないこの味。


 そして、福井からの長旅を終え、懐かしの我が家へ。四日空けただけなのに、懐かしい感じがするんだから、不思議なもんだ。


 まずは、水道栓とガス栓を開ける。そして、きちんと手洗い・歯磨き&うがい。


 これが済んだら、シャワーを浴びて、気楽な格好にお着替え~。はー、スウェットくんも懐かしいですねえ。


 アメリと一緒に、ベッドにぼふっと転がり、だーらだら。


 買い物も、お仕事もしなきゃだけど、今日は疲れました! なんで、アラームかけて一眠り~……。



 ◆ ◆ ◆



 ん……アラームが鳴ってる……。


 うぅ~ん……! おはよーございまーす。


「アメリちゃーん、起きてくださーい」


 ゆさゆさ。


「おお……おはよ……」


「おはよーございます」


 まだ、うつらうつらとしているアメリ。身を起こすのも、少しばかりかかりそうだ。


 ほんとに、私となんで間逆なのかしらね。


 さて。晩ごはんとかの、買い出しに行かないとなあ。店屋物で済ます手も考えたけど、朝ごはんの材料もないし。


 外着にお着替え~。メイクよし!


「アメリちゃーん。お着替えしましょー……?」


 返事がない。


 ベッドを見ると、愛娘はまた、眠りの世界に落ちていました。


 寝かせてあげたいのはやまやまだけど、置いていくわけにもいかないし、昼夜逆転もさせるわけにいかない。


 しかたなく、もう一度起こすのでした。



 ◆ ◆ ◆



「ただいまー!」


 二人で合唱! いやー、外は暑い暑い。またシャワー浴びて、着替えなきゃ。


 暑いからってのと、疲れてるんで、今晩はおなじみ、冷やしわかめそばを作る予定。


 六時まで、まだ少しありますね。


 そうだ、皆さんも帰宅されているよね。LIZEでお話ししーましょっと。


 さすがに六時近くともなると、皆さん戻られてました。帰省の思い出話をする私たち。


 お土産交換会を、近くまたやりましょうという話になりました。


 ちなみに、私のお土産は、例によって「皐月ヶ浦さつきがうらせんべい」。どーしても、定番になっちゃうよねえ。ちなみに、明日受け取りの予定。


 「変化ないお土産で、すみません」と恐縮するも、「美味しいから、大歓迎です!」とみんなからお言葉をいただきます。ありがたや。


 積もる話というのは、しているときりがないもので、名残り惜しいけど六時にLIZEを落ちました。



 ◆ ◆ ◆



 食後は、お仕事~! 疲れてるけど、やらないわけにもね。


 芦田さんと連絡を取り、具合を尋ねます。


 さすがに芦田さんも、お盆なのでお休みしていたようで、これから取り掛かります、とのこと。


 やっぱり、帰省を短くして正解だったかな。今から下書き始めてたら、またデスマーチになるところだった。芦田さんにも、ご迷惑かけるし。


 とりあえず、私は私のお仕事をしないとね!



 ◆ ◆ ◆



「ふ~。アメリちゃん、久々にダンスかボクササイズ、しまっしょい?」


 うーんと伸びをして、愛娘に提案。実家では、ほぼ食っちゃ寝生活だったからね。


「おお~。じゃあ、ダンスー。ミケと、もうちょっといい勝負できるようになりたい!」


「素晴らしい向上心ですねえ。じゃあ、やりますかー」


 二人で、レッツ・ダンシン!


 ……。くはあ~、疲れた~。でも、これぐらいじゃ向こうで溜めたカロリー、消費しきれないわよね。ワンモアセッ!


 ……さすがに、クタクタ。アメリちゃんも、体力エンプティのようです。


 かといって、汗だくのままじゃ良くないので、本日三度目のお風呂。


 湯上がりのあと、さっそくアメリちゃんが、うつらうつら。


「なんか、ご本読んであげようか?」


「うん。読んで……」


 おーおー、すごく眠そう。


 例によって安眠の友、まりあさんの絵本を読み聞かせると、ほどなく寝息を立てます。おやすみ、マイ・エンジェル。


 この子も、誕生日まであと二週間ちょっとか。早いもんだ。


 あの日の絶望と救済は、たとえ私が耄碌もうろくしてしまっても、はっきりと記憶に残り続ける気がする。


 本当に、思い出がたくさん詰まった一年だった。


 それは、アメリのみならず、まりあさんや、かくてるの皆さん。白部さんや近井さん。そのほかにも、真留さんに浦野さん。色んな人たちの関わりとともにある。


 そして、その起点にいるのがアメリ。この子を通して、いろんな出会いと経験を重ねてきた。


 アメリが、幸運を運んでくる座敷童子なんていう扱いを、ご近所さんから受けているのも、思わず納得。すやすやと眠る愛娘に、微笑みかける。


 さあ、愛しい我が子のためにも、もうひと仕事、頑張ろー!

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