神奈さんとアメリちゃん

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第三百七十二話 ケイティちゃんといっしょ!

公開日時: 2021年10月5日(火) 21:01
文字数:2,196

 心の底から童心に帰ったワタクシ、再び夢から覚めると皆さんと作戦会議。


「あ、ケイティちゃんのアトラクションがありますよ」


 優輝さんが、パンフのを指差して見せてくださる。


「あら、本当ですね。さすが大スター。でも、よろしいんですか? なんだか、うちの子と私ばっかり楽しんでる気がして、申し訳ないです」


「大丈夫ですよ、あたしらもきちんと楽しんでますんで」


 彼女が一同に視線を巡らせると、皆さん笑顔でうなずかれる。


「ありがとうございます。では、こちらのコーナーでよろしいですか?」


「はい。アトラクションらしいアトラクション、この階二階ではこれが最後みたいですし」


 というわけで、優輝さんに背中を押していただいたこともあり、「レディケイティルーム」なるアトラクションへ。


 「次は、ケイティちゃんのお部屋だって!」と愛娘に語りかけると、「おお~! 行きたい、行きたい!」と、ぴょんぴょん跳ねそうに大はしゃぎ。まだまだ元気があるようで良かった。まだ、一階があるからねー。


 というわけで、お部屋の前で順番待ち。どうにも、テーマパークってアトラクションより待ち時間のほうが長くて疲れるわね。


 ケイティちゃん愛を語るアメリの話に耳を傾けていると、やっとこ入場~。


 まずは、ケイティちゃんのご尊顔と、赤いゴシックなソファがお出迎え。まずは、一枚いっときましょー。パシャリ。


 隣の部屋に進むと、動物型の可愛い一人掛けソファが五脚。さらにそこから進むと、熊の大きなバルーンが扉の向こうからにゅにゅっと膨らみ出てきて、「レディケイティのお部屋にようこそ! レディケイティの作った、いろんな仕掛けがあるよ!」とご挨拶。


 アメリちゃん、「おお~!」と興奮。


 大きな化粧品……口紅やコンパクトの模型とか、ティーカップ、ベッドがあります。


「このベッド、寝っ転がっていいみたいよ?」


「おお!? ケイティちゃんのベッド、寝っ転がってみたい!」


 靴を脱いで上がり、ごろごろローリング。可愛い~! 撮影、撮影!!


 ふと、視線を感じたので振り返ると、ミケちゃんがなんともいえない表情でこちらを見ている。


「ごめん、ミケちゃんもやりたい?」


「……! 違うわよ! ただ見てただけ!」


 慌てて、ぷいと視線を逸らす彼女。すると、そばにいた久美さんがポンと肩を叩き、「なー、ミケ子。大人になるとこういうのやりたくてもできなくなるぜ? 意地張んなって」と、うんうんうなずく。


 それを聞いたミケちゃん、「う~……」と唸り、「じゃあ、ちょっとだけ……」と、アメリと交代し、ぼふんとベッドにうずまる。しっぽがぴくぴく動いていて満足してるのが丸わかりだ。


 そして、足をバタバタ。あらやだ、可愛いい。思わず、パシャリ。


 他の子たちもやりたいと言うので、こうたいでめいめい楽しむ。


 ベッドを楽しむと、次に待ち受けていたのは……茶室!


 着物姿のケイティちゃんが、茶釜の前で正座しています。


「アメリ、靴を脱いだら上がっていいんだって」


「おお~! 写真撮って~!」


 靴を脱ぎ、ちょこんとケイティちゃんに寄り添うう我が子。


 「みんなもおいでよ!」とアメリが誘うと、ケイティちゃんを囲んでVの字にお座り。


「いいですねー、撮れ高!」


 優輝さんがパシャリ。私たちも撮影ボタンをタップする。


 そして最後に待ち受けていたのは……ゴシックドレス姿の、きぐるみケイティちゃん!


 「おお~……」と感動し、キラキラ目を輝かせるアメリ。


「一緒に写真撮りたい!」


 おねだりしてくるので、椅子に座らせて撮影しようとすると、係員さんに制止されてしまいました。


 ケイティちゃんとの撮影は、ここのカメラ千六百円ナリでなければダメなのだとか。


 むむむ……可愛い娘のためですとも! 惜しくないわ!


 ただ、せっかくなので私も混ざってスリーショット写真に。お値段おんなじだからね。


 パシャリ!


 きれいに撮れてるといいけど。


 プリントアウトされた写真には、笑顔の私とアメリ、そしてアメリ愛しのケイティちゃんが和やかに映っていました。


 最後に、ケイティちゃんと思いっきりスキンシップする愛娘。今度はさすがに泣き出すこともなく、素直に大喜び。良きかな良きかな


 他の子たちも大人組も、それほど熱心なケイティちゃんファンではないので、ケイティちゃんのソロ写真 (ソロは無料)を撮影。


 そしてお部屋を抜けると、ケイティちゃんグッズまみれのショップが。むむむ、なんと巧みなトラップ!


 もちろんアメリちゃん、欲しい欲しいと大騒ぎ。


「んー……、じゃあ、どれか一個だけね」


「おおー!」


 店内を一緒にうろちょろ。アメリ姫が悩みに悩んだ末に選んだのは、ケイティちゃんリュック。


「それでいいのね?」


 最終確認すると、力強くこくり。というわけでお買い上げ。そのまま背負っていくのでした。


 ショップから出て、またもや作戦会議。


「一応、ほかにもなんかあるみたいですよ?」


 パンフを見ると、一応まだコーナーがあるらしい。


「クレーンゲームとか乗り物があるゲームコーナーと、似顔絵描いてくれるお店ですね。行きます?」


 ちょっと、気乗りしない様子の優輝さん。うーん、こういうとこまで来てクレーンゲームもなあ。普通にショップで買ったほうが、最終的に安くつくと思うし。


 そして似顔絵は……ここに、漫画家と絵本作家とイラストレーター二人がいるわけで、いらないよねえ? アメリの似顔絵なら、自分で描けるし……。


一階、行きましょうか」


 一同異存なく、エスカレーターに向かうのでした。

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