心の底から童心に帰ったワタクシ、再び夢から覚めると皆さんと作戦会議。
「あ、ケイティちゃんのアトラクションがありますよ」
優輝さんが、パンフのを指差して見せてくださる。
「あら、本当ですね。さすが大スター。でも、よろしいんですか? なんだか、うちの子と私ばっかり楽しんでる気がして、申し訳ないです」
「大丈夫ですよ、あたしらもきちんと楽しんでますんで」
彼女が一同に視線を巡らせると、皆さん笑顔で頷かれる。
「ありがとうございます。では、こちらのコーナーでよろしいですか?」
「はい。アトラクションらしいアトラクション、この階ではこれが最後みたいですし」
というわけで、優輝さんに背中を押していただいたこともあり、「レディケイティルーム」なるアトラクションへ。
「次は、ケイティちゃんのお部屋だって!」と愛娘に語りかけると、「おお~! 行きたい、行きたい!」と、ぴょんぴょん跳ねそうに大はしゃぎ。まだまだ元気があるようで良かった。まだ、一階があるからねー。
というわけで、お部屋の前で順番待ち。どうにも、テーマパークってアトラクションより待ち時間のほうが長くて疲れるわね。
ケイティちゃん愛を語るアメリの話に耳を傾けていると、やっとこ入場~。
まずは、ケイティちゃんのご尊顔と、赤いゴシックなソファがお出迎え。まずは、一枚いっときましょー。パシャリ。
隣の部屋に進むと、動物型の可愛い一人掛けソファが五脚。さらにそこから進むと、熊の大きなバルーンが扉の向こうからにゅにゅっと膨らみ出てきて、「レディケイティのお部屋にようこそ! レディケイティの作った、いろんな仕掛けがあるよ!」とご挨拶。
アメリちゃん、「おお~!」と興奮。
大きな化粧品……口紅やコンパクトの模型とか、ティーカップ、ベッドがあります。
「このベッド、寝っ転がっていいみたいよ?」
「おお!? ケイティちゃんのベッド、寝っ転がってみたい!」
靴を脱いで上がり、ごろごろローリング。可愛い~! 撮影、撮影!!
ふと、視線を感じたので振り返ると、ミケちゃんがなんともいえない表情でこちらを見ている。
「ごめん、ミケちゃんもやりたい?」
「……! 違うわよ! ただ見てただけ!」
慌てて、ぷいと視線を逸らす彼女。すると、そばにいた久美さんがポンと肩を叩き、「なー、ミケ子。大人になるとこういうのやりたくてもできなくなるぜ? 意地張んなって」と、うんうん頷く。
それを聞いたミケちゃん、「う~……」と唸り、「じゃあ、ちょっとだけ……」と、アメリと交代し、ぼふんとベッドにうずまる。しっぽがぴくぴく動いていて満足してるのが丸わかりだ。
そして、足をバタバタ。あらやだ、可愛いい。思わず、パシャリ。
他の子たちもやりたいと言うので、こうたいでめいめい楽しむ。
ベッドを楽しむと、次に待ち受けていたのは……茶室!
着物姿のケイティちゃんが、茶釜の前で正座しています。
「アメリ、靴を脱いだら上がっていいんだって」
「おお~! 写真撮って~!」
靴を脱ぎ、ちょこんとケイティちゃんに寄り添うう我が子。
「みんなもおいでよ!」とアメリが誘うと、ケイティちゃんを囲んでVの字にお座り。
「いいですねー、撮れ高!」
優輝さんがパシャリ。私たちも撮影ボタンをタップする。
そして最後に待ち受けていたのは……ゴシックドレス姿の、きぐるみケイティちゃん!
「おお~……」と感動し、キラキラ目を輝かせるアメリ。
「一緒に写真撮りたい!」
おねだりしてくるので、椅子に座らせて撮影しようとすると、係員さんに制止されてしまいました。
ケイティちゃんとの撮影は、ここのカメラ千六百円ナリでなければダメなのだとか。
むむむ……可愛い娘のためですとも! 惜しくないわ!
ただ、せっかくなので私も混ざってスリーショット写真に。お値段おんなじだからね。
パシャリ!
きれいに撮れてるといいけど。
プリントアウトされた写真には、笑顔の私とアメリ、そしてアメリ愛しのケイティちゃんが和やかに映っていました。
最後に、ケイティちゃんと思いっきりスキンシップする愛娘。今度はさすがに泣き出すこともなく、素直に大喜び。良き哉良き哉。
他の子たちも大人組も、それほど熱心なケイティちゃんファンではないので、ケイティちゃんのソロ写真 (ソロは無料)を撮影。
そしてお部屋を抜けると、ケイティちゃんグッズまみれのショップが。むむむ、なんと巧みなトラップ!
もちろんアメリちゃん、欲しい欲しいと大騒ぎ。
「んー……、じゃあ、どれか一個だけね」
「おおー!」
店内を一緒にうろちょろ。アメリ姫が悩みに悩んだ末に選んだのは、ケイティちゃんリュック。
「それでいいのね?」
最終確認すると、力強くこくり。というわけでお買い上げ。そのまま背負っていくのでした。
ショップから出て、またもや作戦会議。
「一応、ほかにもなんかあるみたいですよ?」
パンフを見ると、一応まだコーナーがあるらしい。
「クレーンゲームとか乗り物があるゲームコーナーと、似顔絵描いてくれるお店ですね。行きます?」
ちょっと、気乗りしない様子の優輝さん。うーん、こういうとこまで来てクレーンゲームもなあ。普通にショップで買ったほうが、最終的に安くつくと思うし。
そして似顔絵は……ここに、漫画家と絵本作家とイラストレーター二人がいるわけで、いらないよねえ? アメリの似顔絵なら、自分で描けるし……。
「下、行きましょうか」
一同異存なく、エスカレーターに向かうのでした。
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