神奈さんとアメリちゃん

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第四百十六話 楽しい勉強法を考えよう!

公開日時: 2021年11月24日(水) 21:01
文字数:2,296

 五時を迎え、勉強会もお開き。


 雨天につき、夏場なのにこの時刻でも薄暗い。


「それでは、お邪魔しました」


「みんな、またなー!」


「バイバイ! また、お勉強したり遊んだりしましょ!」


 白部姉妹とミケちゃんを見送り、ふうと一息。我々のような気軽な仲でも、来客ってのは神経を使うもので。まあ、喜びのほうが大きいんだけどね。


「じゃ、送っていくね」


「よろしくお願いします」


 ぺこりと頭を下げるクロちゃん。アメリと三人でガレージに向かいます。


 では、宇多野家へ~!



 ◆ ◆ ◆



「本当に、ありがとうございました」


 深々とお辞儀するまりあさん。


「いえいえ。これぐらいお安いご用です。むしろ、アメリも喜んでましたし、私自身も色々深い話ができて楽しかったです」


「そうおっしゃっていただけて、ありがたいです。では、雨中お引き止めしても良くないので」


「はい。私たちは、せっかくだから『さわき』さん、でしたっけ? あちらのスーパーに寄っていこうと思います。では、また。失礼します」


 双方再度お辞儀し、二人ともお別れ。


 炊飯はすでに用意してあるし、今日は何作ろうかなっと。



 ◆ ◆ ◆



 さーて、とうちゃーく!


 このお店、雨だからか前みたいに、外にじゃがいもとか出してないな。とりあえず、中に入りましょ。


 で、チラシチェーック!


 ナスなど夏野菜。あとは旬の魚がお安い! 特にホッケは、食べ出があるおっきいやつだ!


 うわあ、これは言葉通りサカナ・・・にして日本酒をキュッといきたくなってしまう。でも、お仕事あるのに飲んじゃダメよね。


 普通に、ごはんのおかずにしましょう。


 おナスも買いたいな。煮浸しもいいし、焼いてもいい。でも……。と、鮮魚コーナーを見ると、こりゃほんとに立派なホッケだ。これ一品でおかず足りちゃうな。


 よし、ナスはお味噌汁の具に決定! 万能ねぎの調理済みパックと一緒に買っていこう。


 今夜はこれで決まり!


 お菓子は今日いっぱい食べたけど、明日以降、子供が遊びに来たときのために、予備に定番のクッキーでも買っとこう。……いや、たまにはチョコ菓子にしてみるか。チョコパイ買いましょっと。


 飲み物は……ペットボトルのなら、すぐに飲まなきゃいけないこともないし、コーラとマスペを買っとこう。


 さて。夕飯とお菓子関係はこれでいいとして……。


「アメリちゃん、明日作りたい朝食って決まってますか?」


「おおー、ミートソースにしようかな……」


 ふふ。ともちゃんの大好物だね。アメリもハマったか。


「麺も缶もあるから、特に買わなきゃいけないものはないか……。あ、輪切りのおナス、炒めて入れると美味しいよ」


「ほんと!? じゃあ、使わせて!」


 ほいほい。すると、おナスは明日の朝食にシフトだね。味噌汁の具は、薄揚げにでも変えましょうか。


 それでは、お会計~!



 ◆ ◆ ◆



 帰宅後、二人でホッケとお味噌汁を美味しく食べました。脂がのった大ホッケをシェアして、ふたりとも大満足。大根おろしあると良かったんだけどね。持て余しちゃうのよねえ。


 片付けと歯磨き後、PCでLIZEをチェックすると、白部さんがさっそく、「子供が覚えやすい、興味を持ってもらえる勉強法」について、皆さんとご相談されてました。


 「こんばんは」とご挨拶すると、みんなからご挨拶を返される。そうそう。このチャット、スマホ入手以来、ミケちゃんとクロちゃんも参加しています。


 現在、当事者である子供二人、あとはチャット外だけど、ノーラちゃんの意見を白部さんの伝聞で汲みながら、勉強法を模索してるようで。


 クロちゃんは、いかにも授業然とした方法でも苦にならないみたいだけど、ミケちゃんはどちらかというと、ノーラちゃん寄り。もっと楽しく、学びたいようだ。


 私がアメリに使った、クレヨンやブロックを用いた方法は、小数の授業ではちょっと使えない。いや、使えないこともないけど、やはり直感的ではないというのが正確か。


「ミケちゃん。小数って、整数から位が下がっただけって言ったらピンとくる?」


「んー……?」


 と、悩み猫スタンプ。ピンときませんか。


 まあ、足し算・引き算やってるうちはまだいいけど、位が下がっただけと覚えさせると、きっと掛け算や割り算で混乱するよね。あまり、いい方法ではないか。


 背もたれに体重をかけ、後頭部で指を組みつつ、天井を見つめ思案。うーん……。


「ミケちゃんは、いまどこらへんでつまずいてる?」


 考えても何も出てこなかったので、姿勢を正してインタビュー。


「足し算と引き算はなんとかなってる」


 あ、なるほど。授業がわからないのではなく、機械的な学習法が単に面白くないってことか。これは勘違い。


「クロちゃんはどう?」


「ボクは今、五年の漢字のほうをやってるので……」


 ふむ。


「アメリー。今日の勉強会で、わかりにくいなーとか、そういう部分あった?」


「おお? 特になかったよ。でも、ノーラが爆発しそうで心配だった!」


 ふむ。アメリちゃんも、授業然としたのに苦手意識なくなったのか。偉いなあ。


 でも、ノーラちゃんの苦手ぶりは今日見ての通りだな。解決は、ミケちゃん以上に急務だ。


「白部さん。ノーラちゃんの学力って今どのぐらいですか?」


「割り算でつまずいてます。猫崎さんのクレヨン法で、概念はわかったみたいなんですけど、モチベーションの問題のほうが大きいみたいで。漢字は、エレメントレンジャーの本読めるよって言うと、興味持ってくれるんですけど」


 ノーラちゃんも、メンタルのほうが問題か。


「うーん、すぐには新しい提案ができなそうです。私も仕事に戻らなければいけないので、このへんで一度お暇しますね」


 お疲れ様でしたや、またねーなど、お別れの言葉を受けてフリアト作画ソフト起動。


 ふう。我々大人にも、難しい宿題が出ちゃったなー。

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