神奈さんとアメリちゃん

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第二百二十話 悪魔の料理!?

公開日時: 2021年5月1日(土) 22:01
更新日時: 2021年5月21日(金) 23:47
文字数:2,200

「とまあ、結局正直に白状しちゃいました。ご相談に乗っていただいておいて、あれですけど」


 汗拭き猫スタンプとともに、いつものグループチャットに送信。


「いやいや、円満解決して純粋に嬉しいですよ。やっぱり、神奈さんには嘘は似合いませんもん」


 優輝さんがうなずき猫スタンプとともに送信。


「あまりお役に立てず、すみませんでした」


「いえ、背中を押していただいてありがとうございました。皆さんも、ご相談に乗っていただきありがとうございました」


 恐縮する白部さんと皆さんに、お辞儀猫スタンプとともに素直な感謝の気持ちを述べる。


 いやはや、朝っぱらからお騒がせしてしまった。気を取り直して、お昼と晩ごはんの材料買ってこようかなあ。


「アメリー、お買い物行くー?」


「行くー!」


 お絵かきをしていた彼女が、笑顔で返事する。


 そいじゃあ、参りましょうか!


 私のお買い物も、最近朝とか昼とかが多くなったねー。一人暮らししてたときとは、随分生活リズムが変わったもんですなあ。



 ◆ ◆ ◆



 とーちゃーく! いつもの店内BGMを耳にしながら、チラシちぇーっく!


 今日はスパゲッティーとスパゲッティーソース、鶏もも肉がお安いでーす、と。


 ふむ。スパゲッティーは昨日ボンゴレ作ったけどなー。まあいいや、乾麺とレトルトソースはあって困るものでなし。持て余さない程度に買っていきましょ。


 あ、そうだ。こないだ優輝さんから教わった、あの料理作ってみようかな。ミートソースをかごにイン! あと、とろけるチーズ~。


 さて、お昼はこれでいいとして、夜はどうしましょうねー。鶏ももで何か……。


 そういえば、せっかく冬なんだからお鍋を堪能しきっておきたいねー。よし、水炊きを作りましょー!


 鶏もも、白菜、おネギ、人参、えのき、春菊をイン~!


 あとは、おなじみ三種の神器、パン、牛乳、卵をがごにポン! おっけー!


「アメリは何か買いたい物あるー?」


「んー……『うめえ棒』四つ買う~。みんなと食べたい~」


 ふふ、ほほえまだね!


 じゃあ、お会計しましょうか。



 ◆ ◆ ◆



 ただいまーっと。お昼までまだ時間があるので、真留さんのお返事チェーック!


 お、ネームが一発で通りました。ありがたや。では、下書きに入りましょー。


 私はPCで下書きを、アメリちゃんは本でお勉強を始めました。「雨太郎」完。めでたしめでたし。って、なんでしょね、このノリ。ネームが通ってプチハイになってるのかしら。


 しょうもない脳内遊びはさておき、下書き下書き~!


 すいすい、かりかり。


 お、スマホのアラームがお昼を知らせてきましたよ。そんじゃー、作りに行きますかー!


「アメリちゃーん、お昼作りに行きますよー」


「はーい!」


 本から顔を上げ、しゅびっと挙手。元気でよろしい!


 では、れっつらごー!



 ◆ ◆ ◆



「おねーちゃん、今日は何作るのー?」


「ふっふっふー。『悪魔のグラタン』を作るですよー」


「お、おおお!? 悪魔……怖い……」


 ぷるぷるとマナーモードのように震えるアメリ。


「あー、ごめんごめん。脅かすつもりはなかった。あのね、悪魔的なまでに美味しいグラタンって意味だよ」


「おおー!」


 今度は瞳をキラキラ輝かせる。忙しいね。


「で、とーっても簡単お手軽だから、アメリちゃんに作ってもらおうかな!」


「おお! 任せて!」


 しゅびっと挙手する彼女。


「じゃあ、やっていきましょー」


 今日のシェフはアメリだけど、気分的に三分でクッキングする脳内BGMを流す。今のうちに、オーブンを温めておいて、と。


「じゃーん、グラタン皿~。まずはこれに、パンを一口サイズにちぎって敷き詰めてちょうだいな」


「わかった!」


 よいしょよいしょと、ちぎっては入れ、ちぎって入れしていくアメリシェフ。


「お見事です。じゃあ、牛乳百五十ミリリットル……これは私が計量するね。……はい、これをかけ回してちょうだい」


「はーい」


 いい感じに、パンがひたひたに。


「じゃあ、次はこのレトルトミートソースを均等にかけて。固まっちゃったらスプーンで伸ばしてね」


 にゅにゅっと絞り出し、スプーンで伸ばしていくアメリちゃん。


「あとは、このとろけるチーズ二枚を上に載せたら準備完了だよー」


「おおー」


 チーズを載せ載せ。


「はい、同じのをもう一個作ろう」


 というわけで、もう一個目を作成。


「あとは、八分レンチンですよー。オーブンの中に入れたら、このツマミを8まで回してね」


「はーい」


 というわけで、あとは焼成を待つだけ! 動画を見ながら暇つぶし~。アメリのリクエストで、色んな動物の動画を見ていく。


 チーン!


 お、できあがりましたね。


「じゃあ、アメリちゃん。平皿を二枚私たちの座るところに置いてくれるかな?」


「わかったー!」


 アメリがお皿を用意してくれたので、その上にミトンで掴んだグラタン皿を置く。


 紅茶をれてフォークとスプーンを用意して、と。


「じゃあ、いただきますしようか。いただきます!」


「いただきます!」


 うーん、ミルクを吸ったパンが、クリーミィ! これがチーズ、ミートソースと合わさり実に濃厚!


「おお~! 美味しい!」


 アメリちゃんもご満悦。良きかな良きかな


「お見事な腕前です、アメリシェフ」


 パチパチと拍手すると、「えへへ~」と照れる。可愛いなあ、もう!


 優輝さんはこういうお手軽料理を色々ご存じで、凝ったものからこういうお手軽なものまで幅広く作れて、ほんとすごいなあと感心してしまう。


 さてさて、夜は凝り凝り料理である水炊きが待っていますよ。それまでお仕事がんばりましょー!

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