今日も今日とてお仕事なう。こうやって本線を引いて、トーンを貼っていると、作業も大詰めだなあと実感する。
今回はこれに加え、さらにおまけコーナーも描かなければいけないのだから大変だ。最悪、おまけは放棄という選択肢もあるので後回しにしているけれど、なるべく描きたいところ。
すると、お昼どきを知らせるアラームが。「ん~っ」と伸びをして、体のこわばりをほぐす。
「アメリちゃーん、ごはんの時間ですよー」
「おお~」
くるりと椅子を回すと、ブロックで何かを作っているところだった。また何か、大作の予感ですねえ。
とてとてとキッチンに向かい、今日のお昼を作るわけですが、ここでアメリ先生にご活躍願いましょう!
「アメリ先生には、今回目玉焼きを作っていただきます」
「おお~! 新しい料理に挑戦だあ!」
キラキラと瞳を輝かせる彼女。
「じゃあ、見本を作るね。まずこうやって、手鍋に油を薄く引いて、火にかけます。火の強さはこのぐらい」
中火と強火の中間ぐらいで手鍋を熱する。
「で、卵を割り入れて……このガラス蓋に少しお水をれてね、こう被せると水蒸気で卵を蒸し焼きにできるのね」
「おお~」
「で……ほら、白い膜がかかったでしょう? そしたら、火を止めちゃう。あとは予熱……火を止めた後の熱ね。これで、じっくり火を通して完成~」
ぱかっと蓋を取ると、美味しそうな目玉焼きが出来上がりでーす。
「さあ、アメリちゃんもやってみよう~」
「おお~、頑張る!」
試作品をお皿に移し、選手交代。
言われた通りに油を引き、手鍋を熱する。
「よしよし、いいよー!」
子供は褒めて伸ばす! ちょっとしたことでも、大げさなぐらい褒める!
続いて両手で卵をぱかっ。あら、殻が入っちゃったね。白身が透明なうちに、菜箸で除去。
「さあ、アメリちゃん。次はどうするんだったかな?」
「えっと……蓋をする!」
「惜しい、ちょっとお水を入れてからね」
「そうだった!」と、お水をちょっと入れたガラス蓋をする彼女。
「さあ白くなってきたよー」
「おお~!」
火を止め、予熱状態に。「いいよいいよ~!」と拍手!
「うん、そろそろ取り出そう」
「わかった!」
菜箸で、お皿に目玉焼きを空ける彼女。
「お上手! 美味しそうな半熟だね~」
頭を撫でると、「うにゅう」という気抜け声を出す。
「ちなみにこの半熟は私が好きなタイプだけど、完全に固くしちゃったり、両面焼いたり、あるいは白い膜を付けなかったりとか、色んな焼き方があるんだ。アメリも色々焼いて、自分好みの焼き方を見つけるといいよ」
「わかった!」
「じゃあ、再度選手交代でーす」
バトンタッチして、冷凍しておいたソーセージを炒め始める。今のうちに、トーストもセット。朝ごはんみたいなメニューだけど、アメリに目玉焼きの作り方を教えるのがメインだったからね。
よし、できた! 味付けは、胡椒とケチャップ。後はアスパラ缶でサラダ作って、でっきあがり~。
「じゃあ、いただきますしよう。いただきます!」
「いただきます!」
ぱくっ。自作のほうだけど、普通に美味しい。
「アメリ、自分で焼いた目玉焼きの味はどう?」
「美味しい!」
キラキラ瞳を輝かせる彼女。良き哉良き哉。
「もっと火の扱いに慣れたら、色々作っていこうね」
「うん!」
こうして、お昼ごはんも美味しく食べ終わりました! ごちそうさま。
◆ ◆ ◆
原稿再開なう。うん、順調順調。やはり、アメリと戯れると効率がアップするね!
そうして過ごしていると、アラームが四時を知らせる。よーし、いつものスーパーへ行きまっしょい!
きこきこと自転車を漕いで、とうちゃーく!
さーて、今日のお買い得品は?
スパイス、缶詰&瓶詰め、挽き肉がセールですって。へー、なんかこれは辛ーい肉料理を作れというお達しでしょうかねー。
マスバーガーだと、ハラペーニョを効かせたスパイシーなバーガーが人気商品の一つだったりするけれど……さすがにハラペーニョなんて売ってないだろうしなあ。
あ、そうだ。スマホでレシピを……。うん、うん。よし、今日はこれ作ろう!
牛豚合挽き、ミックスビーンズ、トマト缶、チューブにんにく、チリパウダーにクミンパウダー、あとローリエ。ほかには玉ねぎと人参か。
せっかくだから、久々にマスペ買っていきましょっと。あと、コラ・コーラ。
これにプラスして、ロールパンと食パンと卵に牛乳、アスパラも買いましてっと。
うん、晩ごはんと明日の朝の買い物はバッチリだね! あ、台所用洗剤も買っとこ。
よーし、お会計~!
◆ ◆ ◆
ただいまーっと!
手洗いとうがいの後、食材を冷蔵庫にしまってほっと一息。
今日はお米を使わないから、事前準備必要ナシ! 時間までお仕事してましょーっと。
……ふう。つーかーれーた~! 六時まで三十分。ちょっとアメリと一緒に息抜きしよう。
「アメリちゃん、アメリちゃん。今日は新しいお勉強を教えたいと思います」
「おお?」
ブロック遊びをしていた彼女の対面に座ると、興味深げに首を傾げる。
「ちょっと、ブロックどかすね。……じゃーん、針時計~」
いつぞや百均で買ったまま放置していた針時計を、机に置く。
「これも時計の一種なんだけど、ここに一から十二の数字があるのわかるかな?」
アラビア数字で書いてあるのを指し示すと、こくこくと頷く彼女。
「これにね、短い方の針が指し示しているのが『時』。よいしょっと……」
時刻を三時に合わせる。
「これは何時かな?」
「三時!」
「せいかーい! で、長い方のが表してるのは『分』なんだけど……」
今度は、四時十五分に合わせる。
「長い針が三時のところにあるね? 時の間が、五分割されているでしょう? このひと目盛りが一分を表しているのね」
「へ~!」と感心するアメリちゃん。
「でね、今短い針が三時からちょっと進んでいるけど、針時計は分が進むと時も一緒に、こうやって進んでいくの」
「おお~!」
「あと、この細いのが秒針。一秒ごとに進んでいくんだよ。今、電池抜いてるから動かないけど」
うんうんと頷く彼女。
「あとは、針時計は全部午前・午後の十二時間式だから、そこを注意ね。何かわからないことあるかな?」
ふるふると首を横に振る。良き哉良き哉。
「駅とか、針時計使ってるところも多いからね。見方覚えておくと便利だよ~」
時計のお勉強をしてたら、ちょうどいい時間になりました。それじゃー、キッチンへ行きましょー!
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