神奈さんとアメリちゃん

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第三百十六話 せっかくだから

公開日時: 2021年8月10日(火) 21:01
更新日時: 2021年9月10日(金) 18:13
文字数:2,017

 日にちは進み、十九日! すでに下書きは終わり、作画に作業工程は移っている。今月も何かと遊んじゃったからね。お楽しみの大型連休も控えてるし、早め早めで仕事を巻いていきましょう。


 but! しかし! 今日はとっても大事な用事があるので、駅前に行かねばなりません。


 それは、ミケちゃんのお誕生日プレゼントの受け取り!


 あと、せっかく駅前に行くのだから、もうちょっと何かしたい。


 PCの時計を見ると、十時を回ったところ。余裕を持って、行動していきましょー。


「アメリちゃん。今日はミケちゃんのお誕生日プレゼントを買いに行きますよ。ごはんもお外で食べるから、早めに準備していきましょー」


「おお~! アメリもお小遣いでミケに何か買う~!」


 というわけで、二人で出かける支度を始めるのでした。



 ◆ ◆ ◆



 まずは、市営駐車場のほうを利用して「麗文堂本屋」さんへ。やはり注目の的のアメリちゃん。人々が猫耳人間に慣れてくれるのは、いつの日になるでしょう……。


 ともかくも、目的の品をゲットしてラッピングしてもらうわけですが、「可愛いのありませんか?」と問うと、一瞬驚いたというか、怪訝というか、まあ不思議そうな顔をされました。


 女性アイドルの写真集が、まさか小さな女の子への贈り物だとは思わないでしょうからねえ。


 ともかくも、店員さん動揺したのもつかの間、猫の絵がプリントされた可愛い紙でラッピングしてもらいました。


 さて、第一目標は終わったけれど。


「アメリは、ミケちゃんに何贈るの?」


「百円ショップで決める~」


 ふむ。じゃあこのまま上の「ダイナー」へ向かいましょうか。


 二人で、まずは六階へ。私もちょっと欲しいものがあるのよね。


 まず、鉢と受け皿と土、それと支柱と栄養剤をゲット! そう、植物を育てようと思うのです。


 じょうろは……アメリの砂場遊び用のおもちゃで代用すればいいかな。


 あとは、害虫避けグッズだけど……室内で育てようかなあ。私が想定する植物は、本来ビニールハウスで育てるようなのだからね。


 植物関係はこんなもんかな? 他のコーナーも回っていきましょー。


「おお!」


 ぬいぐるみコーナーを通りかかると、アメリが突然声を上げる。


 またぞろ海産物のぬいぐるみでも見つけたのかと思ったら、手に持ってるのは熊のぬいぐるみ。


「あら、珍しい。海産物じゃないの?」


「ミケにあげる!」


 なるほど。ミケちゃん熊好きだもんね。ただ……お値段が税抜五百円。アメリにはこないだお小遣いをあげたばかりだけど、毎月三百円しかあげてないのでだいぶ足りない。


「私が出そうか?」


 提案すると、首を横に振るアメリ。


「アメリのお金で買ってあげるのが大事なの! あのね、お年玉の残りあったでしょ? あれから払うから、貸して!」


 なんとまあ、しっかりした子だこと! お姉さん、感激しちゃう。


「わかった。じゃあ、あとで二百五十円返してね」


 アメリの意を汲み、そこらへんの分別ははっきりさせることにしました。


 あとは五階でちょっとした調味料などを買い、お会計!


 さあ、まだまだお買い物は続きますよ~!



 ◆ ◆ ◆



 駅前を離れ、北のホームセンター「鳥忠」さんへ。ダイナーでは目的の種が手に入らなかったし、苗から育てるほうが楽でしょうということで、苗を買いにきました。


 こちらでは、バジルとトマトの苗をゲット! この二つ、一緒に育てると相乗効果でいい感じになるらしくて、春になったら育てようと前々から思っていたのです。


 買うべきものはきちんと買わせていただいたので、遠慮なくそのまま駐車場を使わせてもらうことにし、「すずらん公園」へ。


 お昼どきなので、キッチンカーがずら~り!


 二人で色々巡った結果、唐揚げ弁当とお茶を買うことにしました。


 車内で美味しくいただき、食後は帰路へ。


 ただし、晩ごはんの材料も買いたいので、おなじみいつものスーパーへ立ち寄るのでした。



 ◆ ◆ ◆



 さて、チラシちぇーっく!


 今日は豚肉とキャベツ、パン、日配品、キウイが安い!


 あら、これはトンカツを作れというお達し。トンカツ、美味しいよねえ……。


 でもここは、もう一捻りしてカツサンドにしよう! せっかくパンが安い日だしね。


 というわけで、トンカツ用ロース、薄力粉、パン粉、キャベツ、三種の神器をパン多め、あとはおやつにキウイ。


 おやつといえば、子供たちがよく遊びに来るようになってるから、クッキーと飲み物も買っておきましょうね。クロちゃん用に、羊羹も。


 よし、こんなもんかな? お会計~!



 ◆ ◆ ◆



 ただいまー!


 荷物をしまった後は、さっそく菜園の用意です。


 鉢をセットし土を入れ、スコップで掘って苗を植える。あとは、栄養剤を挿して、水をちょいとあげて。トマト、水あげすぎると良くないらしいからね。


 ふむ、こんなもんかな?


 うちの窓は基本東向きに付いてるから日当たりが少し心配だけど、まあ、育ちが悪いようなら外での栽培も考えるとしましょう。


 さて! あとはキャベツにおなじみの保存用加工をして、お仕事頑張りますかー!


 待っててねー、我が愛しの故郷よ~!!

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