神奈さんとアメリちゃん

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第二百二十五話 ベーコン・大根・ゆで卵の三重奏!

公開日時: 2021年5月6日(木) 22:01
更新日時: 2021年5月22日(土) 05:57
文字数:2,306

 すいすいお仕事なう。すると、「炊飯始めてー」と、アラームが鳴りました。レシピ動画によるとこのベーコン卵大根、調理時間が結構かかるらしいので、今から炊飯と同時に調理始めちゃいますよっ!


「はーい、アメリちゃん。ごはん作りに行きまっしょい!」


「おおー? ごはん、いつもより早いね?」


「ちょっと、調理時間がかかるからね」


 というわけで、とてとてとキッチンへ。



 ◆ ◆ ◆



 さあ! レシピ動画セットして、炊飯スイッチポン! 例の脳内BGM流しましょー!


 まず、ゆで卵用と大根用にお湯を沸かしまーす。


「アメリちゃん、一緒に大根切りましょう。……よっと。はい、はんぶんこ。皮を剥いて、一.五センチ幅の半月切りにしてね」


「はーい」


 ピーラーでしゅっしゅと皮を剥き、すとんすとんと切り落としていく。


 さて、大根の世話をしてるうちにお湯が沸きましたよ。穴空き卵四つを入れて、タイマーを十分じゅっぷんにセット!


「できた!」


 おっと、卵を入れてるうちにできましたか、お嬢様。


「はーい、じゃあいただくねー」


 こちらの大根もフィニッシュし、生米ひとつまみを卵とは別の鍋に入れて茹でまーす。


 次はベーコンブロックか。


「じゃあ、今度はこれを一センチ幅に切っていこう」


 またもやはんぶんこしたベーコンを手渡す。


「らじゃー!」


 ふふ、可愛い。


 すとんすとんと、これも切り落としていく。これは、二人ほぼ同時に完成!


「はいはーい。じゃあこれも、もらっちゃうねー。しばらく休んでましょ」


 ゆで卵も大根もすぐできるものではないので、スマホで動画散策。久々に基本に立ち返って、アメショ動画を見るアメリちゃんでした。


 そうやってのほほんと過ごしていると、タイマーが鳴りましたよ!


 ゆで卵を水に晒し、ヒビを入れる。大根に竹串を刺すと……こっちはもうちょっとだな。


 アメリと雑談して、しばし時間を置く。


 そろそろいいかな? 竹串ぷすっ。おお、すっと通りましたねえ。一旦、取り出しましょ。


 卵も殻を剥がして縦半分に切って、と。


 お次は、鍋に醤油と料理酒大さじ三杯、みりん大さじ二杯、お砂糖大さじ一杯、だし小さじ一杯、水六百ミリリットルを入れて、三種の具材を中火で二十分コトコト煮込みまーす。


「アメリちゃーん。また動画タイムですよー」


 今度はまたまた基本に立ち返り、お魚鑑賞。アメリのマイブーム、一周回ってきてるのかしら。


「おお~! この魚、歩いてる!」


「面白いねー」


 イトヒキイワシとかいう深海魚らしい。世の中には色々変な生物がいますねえ。でも、結局人間が一番変な生物なんだろうね。


 そんな感じでのんびりまったり。タイマーが鳴りました!


 火を止めたはいいけど、これ、煮物だから少し時間置いたほうが美味しいのよね。


 というわけで、暇つぶしタイムラウンドスリー。今度は、またまた基本に立ち返って、ケイティちゃんの公式アニメ視聴。ほんとにマイブーム一周してるわね、アメリ。


 そろそろいいかな?


 煮物を再加熱して、ごはんを切る。あとは、お茶を用意して、と。


 よし、温まったね。それじゃあ配膳!


「ふー。時間かかったけど、できあがりですよ、アメリちゃん! いただきましょ」


 着席し、いただきますの合唱!


 うーん、ベーコンの旨味が大根に染みてて美味しい~!


 卵も、いい感じに味が付いてて良きかな良きかな


 そして、肝心のベーコン。うん、ぎゅっと肉汁が出て、とってもグー!


「おねーちゃん、美味しい!」


 夢中で食べるアメリちゃん。


「がつがつすると、むせちゃうよー」


 お茶をごくり。うんうん、まさに滋味。料理の先達方のありがたいことです。


 ああ、平和だ。



 ◆ ◆ ◆



 食後は、後片付けからの原稿執筆。アメリは、「スポンジ・トム」視聴。いつものルーティーンですねえ。


 今日で下書きも折り返し地点になるはず。大変じゃないと言えば嘘になるけど、好きなものを仕事にできることの、なんと幸いなことかな。


 ペンをすいすい走らせていると、そういえば白部さんから提案をいただいていたことを思い出す。


 どうしましょうね。別に断るほどのことでもない気がするけれど、我が家の寝室が偉い先生方の目に入るかと思うと、さすがにこっ恥ずかしい。


 うーん、アメリがそばにいないのは寂しいけれど、リビングを使っていただけばいいかなあ。よし、それでいこう。


 とりあえず、当の本人に意思確認しないと。


「アメリちゃん、アメリちゃん。白部さんから、こんなお話をいただいているのだけど……」


 かくかくしかじかと、アメリにプランを説明する。


「アメリは大丈夫だよー」


 ほむ。乗り気ですね、アメリ先生。


 スマホを左手に取り、白部さんにコールする。


「こんばんは。どうされました?」


「こんばんは。昼間の件、お受けしようと思いまして」


「撮影の話ですか? ありがとうございます! 伺ってよろしい日時を指定していただければ、それに合わせますので」


 送話口を塞ぎ、アメリに都合の良い日を問うと、「いつでもいいよー」とのこと。


「アメリ、いつでもオッケーだそうです。ですので、逆に白部さんのご都合の良いときでいいですよ」


「では、明日の二時頃はいかがでしょう?」


 急ですな。まあ、アメリ曰くいつでもいいそうだし。


「はい、それで構いません。では、お待ちしています」


「ご協力、ありがとうございます。また、飲み物とお菓子を持っていきますので」


 電話口で深く頭を下げているご様子。かくして、通話終了。


 上からの指示で動くお仕事ってのも、大変ですねえ。安定性がないことを除けば、漫画家ってのは気楽っちゃ気楽ね。


 ともかくも、連日で白部さん来訪かー。リビング、きれいにしておかないとね。


 この後、本日発売の「ねこきっく」と「あめりにっき」最新刊を購入された優輝さんから、怒涛のような賛辞をいただきました。

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