すいすいお仕事なう。すると、「炊飯始めてー」と、アラームが鳴りました。レシピ動画によるとこのベーコン卵大根、調理時間が結構かかるらしいので、今から炊飯と同時に調理始めちゃいますよっ!
「はーい、アメリちゃん。ごはん作りに行きまっしょい!」
「おおー? ごはん、いつもより早いね?」
「ちょっと、調理時間がかかるからね」
というわけで、とてとてとキッチンへ。
◆ ◆ ◆
さあ! レシピ動画セットして、炊飯スイッチポン! 例の脳内BGM流しましょー!
まず、ゆで卵用と大根用にお湯を沸かしまーす。
「アメリちゃん、一緒に大根切りましょう。……よっと。はい、はんぶんこ。皮を剥いて、一.五センチ幅の半月切りにしてね」
「はーい」
ピーラーでしゅっしゅと皮を剥き、すとんすとんと切り落としていく。
さて、大根の世話をしてるうちにお湯が沸きましたよ。穴空き卵四つを入れて、タイマーを十分にセット!
「できた!」
おっと、卵を入れてるうちにできましたか、お嬢様。
「はーい、じゃあいただくねー」
こちらの大根もフィニッシュし、生米ひとつまみを卵とは別の鍋に入れて茹でまーす。
次はベーコンブロックか。
「じゃあ、今度はこれを一センチ幅に切っていこう」
またもやはんぶんこしたベーコンを手渡す。
「らじゃー!」
ふふ、可愛い。
すとんすとんと、これも切り落としていく。これは、二人ほぼ同時に完成!
「はいはーい。じゃあこれも、もらっちゃうねー。しばらく休んでましょ」
ゆで卵も大根もすぐできるものではないので、スマホで動画散策。久々に基本に立ち返って、アメショ動画を見るアメリちゃんでした。
そうやってのほほんと過ごしていると、タイマーが鳴りましたよ!
ゆで卵を水に晒し、ヒビを入れる。大根に竹串を刺すと……こっちはもうちょっとだな。
アメリと雑談して、しばし時間を置く。
そろそろいいかな? 竹串ぷすっ。おお、すっと通りましたねえ。一旦、取り出しましょ。
卵も殻を剥がして縦半分に切って、と。
お次は、鍋に醤油と料理酒大さじ三杯、みりん大さじ二杯、お砂糖大さじ一杯、だし小さじ一杯、水六百ミリリットルを入れて、三種の具材を中火で二十分コトコト煮込みまーす。
「アメリちゃーん。また動画タイムですよー」
今度はまたまた基本に立ち返り、お魚鑑賞。アメリのマイブーム、一周回ってきてるのかしら。
「おお~! この魚、歩いてる!」
「面白いねー」
イトヒキイワシとかいう深海魚らしい。世の中には色々変な生物がいますねえ。でも、結局人間が一番変な生物なんだろうね。
そんな感じでのんびりまったり。タイマーが鳴りました!
火を止めたはいいけど、これ、煮物だから少し時間置いたほうが美味しいのよね。
というわけで、暇つぶしタイムラウンドスリー。今度は、またまた基本に立ち返って、ケイティちゃんの公式アニメ視聴。ほんとにマイブーム一周してるわね、アメリ。
そろそろいいかな?
煮物を再加熱して、ごはんを切る。あとは、お茶を用意して、と。
よし、温まったね。それじゃあ配膳!
「ふー。時間かかったけど、できあがりですよ、アメリちゃん! いただきましょ」
着席し、いただきますの合唱!
うーん、ベーコンの旨味が大根に染みてて美味しい~!
卵も、いい感じに味が付いてて良き哉良き哉。
そして、肝心のベーコン。うん、ぎゅっと肉汁が出て、とってもグー!
「おねーちゃん、美味しい!」
夢中で食べるアメリちゃん。
「がつがつすると、むせちゃうよー」
お茶をごくり。うんうん、まさに滋味。料理の先達方のありがたいことです。
ああ、平和だ。
◆ ◆ ◆
食後は、後片付けからの原稿執筆。アメリは、「スポンジ・トム」視聴。いつものルーティーンですねえ。
今日で下書きも折り返し地点になるはず。大変じゃないと言えば嘘になるけど、好きなものを仕事にできることの、なんと幸いなことかな。
ペンをすいすい走らせていると、そういえば白部さんから提案をいただいていたことを思い出す。
どうしましょうね。別に断るほどのことでもない気がするけれど、我が家の寝室が偉い先生方の目に入るかと思うと、さすがにこっ恥ずかしい。
うーん、アメリがそばにいないのは寂しいけれど、リビングを使っていただけばいいかなあ。よし、それでいこう。
とりあえず、当の本人に意思確認しないと。
「アメリちゃん、アメリちゃん。白部さんから、こんなお話をいただいているのだけど……」
かくかくしかじかと、アメリにプランを説明する。
「アメリは大丈夫だよー」
ほむ。乗り気ですね、アメリ先生。
スマホを左手に取り、白部さんにコールする。
「こんばんは。どうされました?」
「こんばんは。昼間の件、お受けしようと思いまして」
「撮影の話ですか? ありがとうございます! 伺ってよろしい日時を指定していただければ、それに合わせますので」
送話口を塞ぎ、アメリに都合の良い日を問うと、「いつでもいいよー」とのこと。
「アメリ、いつでもオッケーだそうです。ですので、逆に白部さんのご都合の良いときでいいですよ」
「では、明日の二時頃はいかがでしょう?」
急ですな。まあ、アメリ曰くいつでもいいそうだし。
「はい、それで構いません。では、お待ちしています」
「ご協力、ありがとうございます。また、飲み物とお菓子を持っていきますので」
電話口で深く頭を下げているご様子。かくして、通話終了。
上からの指示で動くお仕事ってのも、大変ですねえ。安定性がないことを除けば、漫画家ってのは気楽っちゃ気楽ね。
ともかくも、連日で白部さん来訪かー。リビング、きれいにしておかないとね。
この後、本日発売の「ねこきっく」と「あめりにっき」最新刊を購入された優輝さんから、怒涛のような賛辞をいただきました。
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