神奈さんとアメリちゃん

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第四百八十一話 ガールズ飲み会、三たび!

公開日時: 2022年1月30日(日) 21:01
更新日時: 2022年1月30日(日) 22:17
文字数:2,940

 夜は、ガールズ飲み会。良夫さんも呑めるけど、「男が一人混じっても、邪魔なだけでしょう」と、遠慮してくださいました。すみません。


「こんばんはー」


 久々の……でもないか。の、かくてるハウス! いやー、仕事明けで訪れると、晴れやかな気分ですねえ!


「いらっしゃーい」


 優輝さんを筆頭に、ご一同から「こんばんは」と、ご挨拶を受けます。


 皆さん、アメリのリボンに目ざとく気づき、可愛いと大好評! うふふ。


「由香里さんはキッチンですか?」


「そそ。今日も、特製お子様&大人様ランチ作るって」


 久美さんが、紅茶を飲みながら答える。さっそくブランデー決めてますね……。それにしても、その二つのランチ、すっかり飲み会での下戸&子供組の御用達アイテムになってますね。


「今日は、基本にして究極のもん、作るぜー。楽しみにな!」


 にかっと笑う彼女。飲み会の料理も、久美さんが担当するのが定番になりましたねえ。基本にして究極。何だろう?


「こんばんはー」


 由香里さんが、お子様ランチを手にダイニングから出てきました。みんなでご挨拶返し。


「おおー! お子様ランチ!」


 子供たち、お目々キラキラ。


「ふふ、本当に、心が暖かくなりますよね」


 まりあさんも微笑む。


「ありがとうございます。飲み物も持ってきますね。久美さん、台所は片付けて、材料置いておきました」


「ありがとさん。じゃー、行きましょーか」


 というわけで、ダイニングに移動。でも、これから作るの?


 中に入ると……。


「あれ? またテーブル一回り大きくなってません?」


 椅子も増えてる。


「ご縁が、近井サンご一家まで広がったからね。相談して、買い替えた。さーて、腕が鳴るな!」


 調理台には、金属のお賽銭箱のような器具。そして、バットに載った、串刺しのお肉。あ! これは……。


「焼き鳥ですか!」


「ピンポーン。焼き鳥は、やっぱ炭で焼きたいからね。優輝にキャンプ道具借りたんだわ」


 へー。


「どーよ。備長炭だぜ?」


 箱から炭を取り出し、キンキンと打ち鳴らし合う。これは期待が高まりますねえ!


「じゃ、やってくかー」


 換気扇を回し、備長炭を戻した箱の中に、ライターで点火。


「炭って、ライターで火が点くんですね」


「んにゃ。最初におがくずに点けなきゃ燃えんよ」


 火の加減を見守りつつ、彼女が答える。


「あ、座ってて」


 「はーい」と、一同着席。ワクワクするなあ。


 しばらくして、箱に肉を載せ始める。……おお! 垂れた脂で、火がブワッと!


「焼き鳥は、これがいいのよ。ガスやIHじゃ、これは出せん」


 と、うちわで扇ぎつつ、うなずく久美さん。


 くるくるとひっくり返しながら、焼くことしばし。


「おまっとさん! ねぎま~」


 おお、初手はまさに、基本にして究極! うわあ、美味しそう~。


「日本酒と焼酎、あとビール用意してあるから、好きなの言ってちょーだいな」


 めいめい、好みの飲み物をオーダーする。私は、初手ということで、ビール。


 おお、缶を設置して、サーバーにできる機械だ! こんなの買ったんですねえ。グラスに黄金色の液体が注がれ、ふわりと白い泡が立つ。うわあ~、美味しそう!


「ささ、どーぞどーぞ。ウチも行儀悪いけど、立ち食いしながら、続き焼くんで」


 配膳し終わった後、ビールを手に、ねぎまをかじりながら焼く彼女。


 さっそく、いただきましょう~。きゅっ。うわあ、肉汁がじゅわっと! タレも美味しい! これにビールは、まさに黄金の組み合わせですよ!


 みなさんにも、ねぎま大好評!


 「おまっとさん」と、続いて運ばれてきたのは、つくね! これも、コリコリと軟骨が美味しい。ああもう、ほんと基本にして究極っていうのを理解するわ、焼き鳥。


 ほかにも、ぼんじり、豚トロなど、色々と運ばれてくる。私も、ビールから日本酒に移行。すごく、いいお酒だ。さすが、久美さんの見立て。


「さすがに、アップルサイダーは合わないですね」


 と、白部さんもビールを愉しんでいます。そういえば、四月の演説の打ち上げのときも、持ってきたのビールだったっけ。彼女、アップルサイダー以外だと、ビール党なのかな?


 耳を済ませると、リビングのほうからも談笑が聞こえる。向こうは向こうで、楽しんでるようで良きかな良きかな


「ああ、そうそう。長野おさの先生いらっしゃいますよね? 彼だけでも、非公開の第三掲示板に招いてみようと思うのですけど。あ、日英分けるから、第四ですか」


「長野先生と、お話できるんですか!」


 親子ちかこさんの提案に、白部さん、大興奮。憧れの人の、一人でしょうものね。


「私たちも興味あります」


「では、先生のメールアドレスに、招待URL送っておきますね。今日は酔いが回っていて、失礼を働きそうなので、明日にでも」


 紅い頬で、微笑む親子ちかこさん。だいぶ効いてますね~。


「そういえば、コミットのほうは順調ですか?」


 ふと、飲み会してる場合かしらと気になり、優輝さんに尋ねる。


「順調です。順調じゃなかったら、さすがの久美さんでも、飲み会の提案しませんよ」


 と、からからと笑う。「そーゆーこと」と、久美さんも請け負う。


「ミケも、梱包作業手伝ってくれましてね。助かります」


 へー。ミケちゃんも、お手伝いするんだなあ。……ってのは失礼か。


「ミケちゃん、偉いですね。コミットまで、もうあとわずかなんですよね。楽しみですー」


 ふふ、と微笑む。初コミット、どうなるのかなあ。


「さーさー。焼き鳥はまだあるぜー。どんどん行こー!」


 こうして、飲み会は順調に盛り上がったのでした。



 ◆ ◆ ◆



「こっち、終わったぜー」


 リビングからぞろぞろ出てきて、久美さんが由香里さんたちに告げる。


「お疲れ様でした。こっちは、まったりと食休み中です」


 テレビを見ながら、雑談していたらしい。


「あ、そうだ親子ちかこさん。こちらを」


 紙袋を手渡す。


「こちらは?」


「昨日焼いたケーキです。一日遅れになってしまいましたけど」


「あら! ありがとうございます! 友美、ケーキですって。良かったねー」


「ケーキ、ケーキ!」


 ふふ、ともちゃん大喜び。


「美味しーよ! アメリも、頑張って作るの手伝った!」


「あら、すごい。ありがとうね」


 アメリの頭を撫でる親子ちかこさん。おなじみの「うにゅう」ボイス。


「ミケも手伝ったわよ!?」


「ミケちゃんも、ありがとう」


 親子ちかこさんに撫でられ、照れくさそう。


 猫耳幼女、四人全員の頭を撫でる親子ちかこさん。


「うちも、ありがとうございました。みんなで美味しくいただきましたよ」


 優輝さんも、私たちにお礼を述べる。まりあさんからも、お礼の言葉をいただきました。


「いえいえ。これだけでは、受けたご恩を返しきれていませんので、また何か作りますね」


「いやー、そんな気を使わなくて、大丈夫ですよ」


「そうですよ。わたしなんて、むしろクロちゃんがお世話になりっぱなしで」


 互いに、気を使い合う。


「ともかく、今日は、とても楽しかったです。秋物が出たら、一緒にブティックでもいかがですか、由香里さん」


「いいですね! 行きましょう、行きましょう!」


「あ、それ自分も行きたいっすね。いっそ、みんなで行くっすか!」


 「さんせーい!」と、大人組みんなでノる。


「では、時間も遅いですし、失礼しますね。アメリ、帰ろ」


「おお~。みんな、またねー! さよーならー!」


 こうして、めいめい帰途につくのでした。


 明日は何して過ごそうかなー? オフって、ほんとにいいもんですねえ! るんるん。

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