ぱかっと冷蔵庫を開けて、材料チェーック。相変わらず、いろいろ入ってるねー。これだけ多いと、逆に目移りしちゃうなあ。
よし、ここはあえて発想をシンプルにしてみよう。本日のおやつ決定!
「みんなー! 今日のおやつはカップケーキにするよ~」
子供たちが、「おお~!」と瞳を輝かせる。アメリが三人いるみたいでほほえま!
「カップケーキってなーに?」
しかし瞳を輝かせた割に、肝心のカップケーキを知らないアメリでありました。
「それはできてのお楽しみ~。作るのすっごく簡単だからみんなで作ろうね」
というわけで材料として薄力粉、ベーキングパウダー、お砂糖、サラダ油、卵、ブルーベリージャムを用意。
あとはボウル四つと、ミケちゃんに教えてもらった、かくてるハウスの皆さんのレンチン可能なマイマグカップと、私たちが使っていい、同様のレンチンOKマグカップを用意。
このおうち、ボウルが多いからこういう大人数での調理のとき便利よねー。
「じゃあ、お手本を見せるね」
三分でクッキングする例の脳内BGMを鳴らしながら、調理開始!
まずは薄力粉大さじ六杯、お砂糖大さじ六杯、ベーキングパウダーを小さじで一杯……これをボウルに入れて、よく混ぜ混ぜ。
続いて、サラダ油大さじ一杯と卵二個を投入! 今度はダマにならない程度に、かつ混ぜすぎないように混ぜまーす。
さらに、ブルーベリージャム少々を軽く練り込んで、と。
ボウルの中身を半分ずつカップに入れたら、底を叩いて空気抜きした後、一個ずつ電子レンジで加熱! うちの五百ワットだと一つあたり二分だけど、この千ワットのなら一分と十五秒ぐらいかな?
「ちょっとレンジの中見ててごらん。面白いのが見れるよー」
そういうと、三人娘がわらわらとレンジの前に集結する。
「おお~!? 膨らんできた!」
もこもこ膨らむケーキを見て、アメリが驚きの声を上げる。ミケちゃんたちも同様に感心してる。
ピーッと出来上がり。指で表面をツンツンしてみると、ふわっとした感触。うん、生焼けじゃないね。ちゃんと出来てる。
「はい、これがカップケーキでーす」
取り出してアメリに見せると、「おお~!!」と瞳を輝かせて好感触!
「じゃあ、みんなも作ってみようか」
もう一個のカップをレンジに入れた後、みんなの監督に回る。
「うんうん、上手だよー」とか、「あっ、それ以上は混ぜすぎ」などと言いながら、応援モード。
こうして、計八つのカップケーキができました!
「よーし。それじゃあ、運びましょ~」
と言って、リビングに運ぶ。私は、トレイにカップとフォークを載せて輸送。子供たちは両手に花ならぬカップ状態
「ミケちゃんは一番お姉さんだから、久美さんのカップを久美さんに届けてくれる? 私は、二階の優輝さんたちに持っていくね」
「まっかせて!」
と胸を反らし、ドンと自分の胸を叩く。うふふ、お姉さんって言われたのがすごく嬉しかったのね。しっぽがピンと立ってるし。
というわけで優輝さんたちに届けると、とても喜んでもらえました。
「ただいま~…。あれ? 食べずに待っててくれたの?」
「まーね! ミケたちレディですもの!」
ふふんとドヤ顔胸反らし。お姉さんムーブ、ここに極まれり。ほほえま!
「じゃあ、紅茶も淹れましょうか。もう少しだけ待てる? ミケちゃん、優輝さんたちはお砂糖入れるタイプかどうか分かる?」
「えっとねー……」
各人の好みを教えてもらう。ふむふむ。
というわけで、紅茶を作ったティーポットとティーカップを手に戻り、テーブルに配膳。久美さんのぶんはまたミケちゃんに持って行ってもらい、私は優輝さんたちに紅茶を運ぶ。
「ふう、ただいまー。じゃあ、おやつをいただきながら、お勉強再開しましょうか」
みんなで、「いただきまーす」と合唱。
「美味しい!」
アメリがキラキラと瞳を輝かせる。
「うふふ、ありがと。二人のほうはどう?」
「美味しい……さすがはミケね!」
ふんす、と胸を反らすミケちゃん。
「美味しいです。ボクにも作れそうだから、お姉ちゃんが元気になったら作ってあげようかな……」
クロちゃん、殊勝な心がけねえ。思わず「偉い偉い」と頭を撫でると、照れくさそうにうつむいてしまう。
「あー! クロだけずるーい! ミケも褒めてよね!」
「おおー! アメリも頑張ったよー!」
「そうだね。二人とも、とても良く頑張りました!」
それぞれの頭を撫でると、弛緩した顔つきで「えへへ~」「うにゅう~」と声を上げる。
さてさて、手が止まってしまったけれど、おやつをいただきつつお勉強再開です。
一時間ほどさらに勉強を進めた結果、正答率が三割までアップ! すごく順調!
「みんなすごーい! お姉さん、ほんと感動しちゃう」
ぱちぱちと拍手すると、一同照れくさそうに振る舞う。可愛い。
こんな感じでお勉強会はつつがなく進んでいき、途中トランプ休憩をはさみながら正答率四割まで行きました! いやー。初日でこれはすごいなあ、ほんと。
夕食の時刻になったので、今日はナポリタンを調理。
お仕事もいいけれど、こういう子供たちと戯れる日々もいいな、とぎゅっと噛みしめるのでした。
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