神奈さんとアメリちゃん

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第百八十八話 インドでダンス!

公開日時: 2021年4月26日(月) 22:01
文字数:2,671

う~ん……。


 うう~ん……。


 ……気分転換したいっ!!


 時計の針はくるくると回り、二十三日・土曜日。仕事が順調なのはいいけれど、こう出かける先がいつものスーパーだけだと、インドア派の私もさすがに気が滅入ってくるというもので。さすがにちょっと、なにがしか気分転換をしたいというもの。


 丸一日遊び呆けるとかはいかがなものかと思うけど、数時間ぐらい息抜きしてもバチは当たらないと思うのですよ。


 そして、こういうとき持つべきものは友人! 「ちょっと遊びに行っていいですか?」と、LIZEのグループにメッセージを飛ばす。


 まりあさん、優輝さん、白部さんからご快諾いただき、それじゃあうちでお昼をご一緒しましょう! なんて、バンザイ猫スタンプとともに優輝さんからご提案いただきました。


 優輝さんのことだから、またピザ焼いてくれるのかしら。今日はどんな具だろう。楽しみだなあ。



 ◆ ◆ ◆



 お昼になりました! 中に入れていただき、皆さんとご挨拶。未到着だったまりあさんも合流し、談笑する。ああ、やっぱり息抜きって大事。心のコリ・・がほぐれていくわ~……。


「ねえ、ダンスゲームしましょ!」


 子供たちも子供たち同士で話していると、ミケちゃんがそんな提案をアメリたちにしてきました。


 アメリとノーラちゃんは快諾したものの、クロちゃんは「ごめん、ボクあんまりそういうの得意じゃないから……」と辞退。


「まー、しょーがないわね。クロそういうタイプだものね」


 肩をすくめ、同意するミケちゃん。歌謡コンテストを無理強いしてた子が、立派になって……。


「ありがとう。応援は頑張るからね」


 胸の前で両拳をぐっと構えるクロちゃん。可愛い。


 というわけで、料理ができるまで子供たちのダンスを見守る会に。


 ミケちゃんがアメリとノーラちゃんに、画面の矢印通りにマットを踏むゲームなのだとレクチャーする。へー、そういう簡単なルールなら、私でも理解できそうかな。


 というわけで、まずはミケちゃんとアメリでゲーム開始!


 さすがはミケちゃんというべきか、実にリズミカルかつ正確にステップを踏んでいく。画面に「GOOD!」とか「EXCELLENT!」って出てるから、きっとそうなのよね? 画面のキャラがミケちゃんと同じように踊るのが面白いなー。


 しかし、アメリも(多分)負けていない。同じように「GGOD!」や「EXCELLENT!」を連発していく。あのときの特訓は無駄ではなかったのね!


 私たち大人組とクロちゃんは、「どっちも頑張ってー!」などと応援を飛ばす。ノーラちゃんは、アメリ贔屓のようでアメリに声援を送っている。


 そしてフィニッシュ! 判定は……ミケちゃんの勝利! うーん、さすがに一日の長があるか。とはいえ、きちんと「ミケちゃん、上手だったよー! アメリも頑張ったね!」と平等に賞賛と労いの言葉を贈るのでした。アメリ贔屓のノーラちゃんは「仇は取るぞー!」と意気軒昂いきけんこう


 というわけで第二ラウンド、ミケちゃんVSノーラちゃんの対決!


 おお、ノーラちゃんダンスの特訓とかしてないはずなのに上手! 運動神経がいいんだなー。これは……どっちが優勢なんだろう?


 音楽は進んで行き、フィニッシュ! 勝者は……ミケちゃん! お見事!


「V2達成おめでとう! ノーラちゃんもすごい接戦だったよー!」


 両者の健闘を称える。


「ふー、二人ともなかなか手強かったわ。でも、お姉さんとして負けるわけにはいかないものね!」


 と、胸を反らしドヤ顔。実にミケちゃんらしいリアクション。


「おめでとう、ミケ。アメリちゃんとノーラちゃんも、初めてにしては上手だったよ!」


 うお! いつの間にか、リビングで観戦していた優輝さんにびっくり!


「優輝さん、いつからいらっしゃったんですか?」


「アメリちゃんとの勝負の中盤あたりですかね。ごはんできたんですけど、声をかけるのも野暮だと思って、終わるまで見守ってました。というわけで、ダイニングへどうぞー」


 というわけで、一同移動。


 「今日はどんなピザを焼かれたんですか?」と問うと、「いやー、それが……」と、後頭部を撫でる優輝さん。むむ?


 ダイニングキッチンに移動すると香ばしい香りが……カレーだ!


「今日はピザじゃないんですね」


「例によって、久美さんに猛抗議されまして。美味しいんですけどねえ、ピザ」


「いや、だからお前は作り過ぎなんだって。当番のたびに焼いてるじゃねーか……」


 げっそりした感じで辟易する久美さん。いやはや、相変わらずなのね。


「でも、転んでもタダでは起きないのがあたしです。今日はカレーライスじゃないんですよ」


 ほえ? というと……。


 配膳を始める彼女。やや、これはナン! ピザを焼けなかった無念を、ナンを焼いて晴らすとは……。


「カレーのほうも、ナンに合うようにとろみのないものを作りました」


「すごいんですよ、優輝ちゃん。スパイスの調合から始めちゃったんです」


 優輝さんの言葉を由香里さんが補足する。凝り性だとは思ってたけど、スパイスの調合までしてしまうとは……。


「ほんとにすごいですね……。でも、私のひょんなお誘いから急に決まった昼食会なのに、よくスパイスから作れましたねー」


「ああ、そのカラクリは簡単です。もともと一昨日の当番でピザ作ったときから『次回ピザ禁止令』が出てまして、今日のお昼が次の当番だったんですよ。で、ピザが焼けないならナンを焼いちゃおう! と思い立ちまして」


 なるほど。


「で、やるならとことん! ってことで、飲み物もインド名物の紅茶、チャイにしてみました」


 いやはや、ほんとに凝り性だこと。でも、面白い昼食会になりそうだなー。


「おっと、冷めるといけない。早くいただきましょう」


 そう言って優輝さんが着席すると、皆でいただきますの合唱。


 まずはカレーをひと口……。おお、実に辛ウマ! さすが優輝さん、こういうのも得意なんだなー。


 ナンのお味も、実にベネ良し! さすが、ピザを焼き慣れてるだけはあるわあ。


 そして、チャイもごくり。ほうほう、これはこれは。スパイスによる、独特の風味が効いたミルクティーですねえ。癖があるけど、嫌いじゃない。というか、むしろ割と好きかも。


 大人も子供も、三種を味わい愉しんでいる。ノーラちゃんの「うめーうめー」絶賛は、もはやおなじみの光景。ほほえま!


 こうして、昼食も美味しく食べ終わりました。


 その後はリビングで少し談笑。まりあさんは、「くろねこクロのたび」の新作に取り組んでいるそうで、これは期待。


 ずっとこうしていたいものの、皆それぞれ、特に私の仕事が残っているので、名残り惜しいけどやや早めに解散。


 いやー、すごくリフレッシュできた! お仕事頑張るぞー!

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