神奈さんとアメリちゃん

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第二百七話 アメリシェフの豚キムチ!

公開日時: 2021年4月29日(木) 18:01
文字数:2,644

さてさて、やってまいりましたいつものスーパー!


 久美さん曰く、聞き飽きないテクが盛り込まれてるらしいおなじみのBGMを耳にしながら、チラシチェーック!


 今日はキムチとお米がお安い! あとはなんやかや日配品と日用品。


 ふむ、車で来た日にお米が安いのは僥倖ぎょうこうね。五キロぐらい買ってっちゃいましょう。


 日用品と日配品もゲット! 特に、お昼にパンを使い切っちゃったからいつもの三種の神器は買うとして……。


 キムチかー。キムチっていったらアレよね、やっぱ。白菜のキムチともやしのキムチ、豚バラ、ニラをかごにイン!


 そういえば、今回白部さんたちにごちそうする段になって食材に困ってしまったけど、もう少し余裕持って買い物しとくようにしたほうがいいのかなあ。


 一人暮らしが長かったから、つい食べ切れる量でって考えちゃうのよねー。


 ……ふむ。明日はキムチラーメンを視野に入れて、インスタントの袋入り味噌ラーメンでも買っておきましょうか。あって困るものでもなし


 ただ、キムチだけだと具が寂しいね。出来合いのチャーシューと冷凍ほうれん草、メンマの瓶詰めも買っていこうかな。明日絶対お昼をキムチラーメンにするとは限らないけど、後者二つは保存が効くし。


 ふむ、私のほうはこんなもんかな?


「アメリは何か欲しいものある?」


「コラ・コーラ!」


「りょーかい。ついでに、ガムとうめえ棒も買ってあげちゃう!」


 近々原稿料と印税収入が確定してるので、ちょっと気前のいい私です。まあ、数十円のガムとうめえ棒で威張ることでもないか。


 あ、近々真留さんが来るわけだから、クッキーも買っとこ。


 入金されたらセミダブルベッド注文してー、アメリに新しい本も買ってあげてー……うーん、夢が広がるぅ!


 では、お会計しましょ~。



 ◆ ◆ ◆



 たっだいまーっと! ふー、お米が重い!


 さっそく炊飯の用意~。お米を水に浸して、プロットを練る。……むむう、あと一息なんだけど意外と難航してるなあ。でも、ほんとにあとちょっとだー!


 よし、できたーッ! うーん、まだプロットが終わっただけだけど、やはりひと仕事終えるとテンションが上りますなあ~。


 送信~! 月曜には真留さんからお返事があることでしょう。


 浸水時間もいい感じに終わり、炊飯ボタンをポチっとなー。


「ただいまー。アメリ、ちょっと漢字テストしようか?」


「おお~、頑張る!」


 先月、先々月と忙しかったからねー。また二月ぶんの仕事が忙しくなる前に、色々やっておきたいところ。


 小二の漢字テストを出すと、見事全問正解! おお~、お見事! きちんと自習の成果が出ているなあ。


「全問正解です、アメリちゃん! すごい! 偉い!」


 花マルをつけて頭を撫で撫ですると、「うにゅう」という気抜け声を上げる。このうにゅう、ほんと可愛いよねー。


 ああもう、辛抱たまらんとです!


「アメリ大好きー!」


 ガバっと抱きつき頬ずり。「うにゅっ!?」と変な声を出すアメリ。ふへへー、アメリちゃんはほんと可愛いなあ。あらやだ私、変態チック。


 落ち着け、私。まだ慌てるような時間じゃない。深呼吸して、アメリのホールドを解く。ふう、私はことアメリになると冷静さがどっかに行ってしまっていけない。いやまあ、普段から別段冷静なキャラしてるわけじゃないけれども。


 なんて、しょうもないセルフツッコミをやってるうちに、ごはんも炊きあがり直前。それじゃあ、晩ごはんを作りに行きますか。



 ◆ ◆ ◆



「さて、それでは一緒にやっていきましょう、アメリちゃん」


「はーい!」


 エプロン締めて、例の脳内BGMをスイッチオン!


「まずは、アメリちゃんにはニラを切ってもらおうかな」


 さっと水洗いしたニラを手渡す。


「これをね、食べやすいサイズに切ってちょうだいな。長さでいうと……四センチぐらい?」


「わかった!」


 テーブル側のまな板で調理を始めるアメリ。彼女から目を離せるようになったおかげで、こうやって場所を分けて同時進行できることがありがたい。


 私は豚バラを食べやすいサイズに切り、塩胡椒で軽く味付け。


 もやしキムチは容器入りではないので、容器に移し替える。白菜キムチのほうも、蓋を覆うビニールを取っておく。


「おねーちゃんできたー!」


「はいはーい。このボウルに入れてちょうだいなー」


「はーい」


 ボウルを手渡すと、ニラ入りで返ってきました。


「ありがとう。じゃあ、後は私一人でやっちゃうかな」


「それ、アメリにはできない?」


 おや、向上心の強い申し出で。そうね、揚げ物じゃないしお任せしてみましょうか。


「それじゃあ、アメリシェフに頑張ってもらいましょー!」


「おおー!」


 拳を突き上げ、士気も上々!


「まず、フライパンにごま油を流して……そう、そのぐらい。で、中火にしてね。フライパンが熱くなってきたなーと思ったら、豚肉投入! お箸でバラしながら炒めてねー。そうそう」


 アメリが作業を上手く行うたびに拍手。


「お肉が白くなったね。じゃあ、白菜ともやしのキムチを私がストップって言うまで入れてちょうだい。まずは、白菜から。……ストップ! 次、もやしね。……はい、ストップ!」


 うーん、いい匂い。またもや拍手!


「じゃあ、仕上げにめんつゆ大さじ半分を鍋肌……周りから入れて混ぜ合わせて」


 めんつゆとおさじ、受け皿を手渡し、入れてもらう。香ばしさも加わり、実にグッド! さらに拍手~!


「じゃあ、火を止めて盛り付けましょう~」


 お皿を用意する。アメリが盛り付けをしている間、私はごはんを切ってお茶をれる。


 お茶葉が開いて湯呑に注ぎ終わったらごはんをよそい配膳し、手をかざす。


「お疲れ様ー! いえーい!」


「いえーい!」


 パチンと手を打ち鳴らし合い、着席。


「じゃあ、いただきますしましょうか。いただきます!」


「いただきます!」


 ぱくっ! うん、美味しい! やはり、アメリシェフの料理は最高だわ!


「美味しいよー、アメリちゃん!」


「えへへ、ありがと」


 照れくさそうな彼女。可愛い! ほほえま! マジ天使!


 こうして晩ごはんも美味しく食べ終わり、お片付け。


 食休みにアメリと遊ぼうかと寝室に戻ると、LIZEに由香里さんからメッセージが入ってました。


 「明日、F市美術館に行きませんか?」との、一昨日伺ったお誘い。


「アメリー、明日美術館行ってみたい?」


「おお? 何それ?」


「絵とか彫刻が飾ってあるのー」


 ざっくりした説明でごめん。ほかに言いようがないのよ。


「おー、おねーちゃんと一緒ならどこでも行きたいー!」


「おっけー。じゃあ、行きますってお返事しとくね」


 というわけで、明日はなんだかんだで私も人生初の美術館体験。どうなりますかねー?

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