神奈さんとアメリちゃん

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第三百二十二話 相談ターイム!

公開日時: 2021年8月16日(月) 21:01
更新日時: 2021年8月19日(木) 20:20
文字数:2,178

「神奈~! 神奈~!」


「おねーちゃーん! おねーちゃん!」


 ゆさゆさ。ゆさゆさ。


 うにゅ~。体が揺さぶられるう~。


「あと二時間寝かせて~」


「まったく、この子は……てい!」


 布団が一気に引っ剥がされる。


「う~。寒いよ~」


「お友達をご案内するんでしょ。さっさと起きなさい」


 そーでした。今回のワタシにはそんな重大ミッションがありましたね。


「おふぁよーございまーす……」


 ふわあ。


「ほんっとーに朝弱いわよね。誰に似たのかしら」


 お父さんもお母さんも別に朝弱くないから、隔世遺伝じゃないかな……。あふ……。


「ごはん用意しとくから、顔洗ってらっしゃい」


「ふぁーい……」


 むにゅむにゅと返事。ため息吐くお母さん。メンボクない。


 のっそのっそと洗面所に向かうのでした。



 ◆ ◆ ◆



「ごちそうさまでした」


 四人の中で、一番遅く完食。サヨリの塩焼き、美味しかった~。


 さすがにもう八時を回ろうとしてるので、意識もしゃっきりしております。


 さて、歯を磨いて着替えを済ませたら、皆さんにご連絡だ!



 ◆ ◆ ◆



「おはようございます」


 LIZEで呼びかけると、皆さんから一斉にご挨拶が返ってくる。


「昨夜はよく休めましたか?」


「はい。いいホテルですね。温泉でゆったりくつろぎました」


 そうおっしゃるのはまりあさん。良きかな良きかな


 ほかの方々も、ゆっくりできた模様。


「それは良かったです。さっそくですけど、今日はどういったところを回りたいですか? 神社仏閣ですとか、ディノ・ミュージアムですとか、水族館ですとか、色々スポットありますけど」


 しばし、皆さんで相談タイム。やはり、クロちゃんは神社仏閣に、ノーラちゃんはディノ・ミュージアムに興味があるようだ。


「クロちゃんに、お城もあるよって伝えてあげてください。参考サイトのURL送りますね」


 子供向け福井観光スポット二十選と題されたページのURLを送る。


「私個人としては、アメリを科学館に連れて行ってあげたいところですけど、今回は皆さん優先で」


 しばし、皆の相談をリビングに寝転んで眺める。


「もーう。神奈、だらしない」


 そばを通りかかったお母さんから、お小言が飛んでくる。


「んー? 皆さんの結論が出るまでやることなくて」


 ごろごろ。アメリも一緒にごろごろ。


「アメリちゃん、こういう大人になっちゃダメよ」


「おお~そうなの?」


 身を起こすアメリ。うう、立場ないな。しゃーない、起き上がりますか。にゅ!


 それにしても、子供たちの趣味がバラバラなせいか、いまいちまとまらないな。


「うーん、子供たち同士で直接話し合わせたほうがいいかもしれませんね。皆さん、イヤホンはお持ちですか?」


 全員YESとのことで、私もグループ通話モードにしてスマホにイヤホンを挿し、アメリに手渡す。


「仲良く、行きたいとこ話し合ってね」


「はーい。おはよー! アメリはね、科学館行きたいけど……」


 子供たちで話し合い開始。私は今のうちに、お茶をれる。はー、美味し。


「あのね。クロとノーラがお城行きたいって!」


 へー。クロちゃんはわかるけど、ノーラちゃんはちょっと意外だ。あれか。趣味が男の子っぽいから、本来は戦闘用施設ってとこにちょっと心惹かれたのかな。


 その後も話し合いが続くことしばし。


「うん。それでいいよー。あのね、お城に決まった!」


「ほうほう。ちょっとスマホ返してね」


「おはよー。三人とも、お城でオーケー?」


「あ、神奈おねーさんおはよー。うん、ミケが行きたい遊園地は、明後日にすることにしたわ。お姉さんですもの!」


 ふふ、ドヤ顔で胸反らしてそう。ほかの二人からも、挨拶される。


「今日はお城、明日は科学館、明後日は遊園地にしようって話になりました」


 と、クロちゃん。ほむほむ。


「お城、近場に有名なの二つあるけどどっちがいい? 大野城と丸岡城ってのがあるんだけど」


 近場といっても、福井基準でだけど。


「どっちがおすすめですか?」


「そうねー……。若干近いのが丸岡城かな? まあ、車なら片道十分じゅっぷん程度の違いだけど。ただ、場所が全然離れてるから、一日で両方回るのは厳しいかな」


 再度相談する三人。


「おねーさん、アメリに代わってもらえる?」


「ほいほい」


 ミケちゃんの要請で、再度バトンタッチ。子供四人でわちゃわちゃと話し合う。お茶をすすり、様子を見守る。


 あ! 大事なこと言うの忘れてた!


「アメリ、ちょっと代わって」


「おお?」


 スマホを受け取る。


「ミケちゃん、優輝さんと代わってもらえるかな?」


「優輝と? いいけど」


 やや間があって。


「はい、代わりました。どうしました?」


「大事なこと伝え忘れてました。大野城、山の上にあって……その、すごく見晴らしがいい・・・・・・・んです。優輝さん、大丈夫ですか?」


 再び、しばし間。


「……丸岡城のほうにしていただけますか?」


「わかりました。では、丸岡城にしましょう」


 ふう、あやうく優輝さんを恐怖のドン底に陥れるとこだった。……実は、丸岡城も山の下からだと天守閣まで三十五メートルぐらいあったりするんだけど。


「というわけで、クロちゃんもノーラちゃんも、丸岡城に決まったってまりあさんと白部さんに伝えてね」


 「はーい」と返事を受け、再びグループチャットに移行。


 細かい打ち合わせをして、十一時にホテルで昼食を済ませ、十二時半頃に現地集合しましょうという話になりました。


 てことは、私たちも早めに昼食取ったほうがいいね。お母さんに、伝えとかなきゃ。


 さーて、楽しみですねえ!

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