楽しかった七夕も過ぎ、今日は再び雨模様。ヤンナルネ。
LIZEでいつものように朝のご挨拶をし、少し雑談。
「神奈さん、また色々イベントに誘ってしまってますけど、お仕事大丈夫ですか?」
と、優輝さんに心配されてしまいました。
「はい。特に遅れなく進んでいます、ご心配をおかけしてすいません」
「いえいえ! ほんとに、神奈さんは何も悪くないですよ!」
手をバタバタしてる猫のスタンプが貼られる。
「逆に、皆さんのお仕事のほうはいかがでしょう? ふと、気になりました」
「私は、平常運転ですね」
白部さんが、そう書かれる。まあ、ノーラちゃんたちを「診る」のがお仕事ですもんねえ。日常すべて、之お仕事ナリ。
「あ、素朴な疑問なんですけど、虹の橋の女神様についても調べられるんですよね? 言ったら何ですけど、こういったオカルトめいた存在、どうやって調べるのでしょうか?」
「ああ、その件でしたら、心理学的に調査する方向で進んでいます。さすがに、猫耳人間という証拠があるとはいえ、虹の橋の世界を調べるのは無理ですから」
なるほどねー。
「あたしらは順調です。ただ、久美さんがミケの歌との同時進行で、泣いてますけど」
「泣いてねーっての。ただ、どうしてもミケ子のほうは後回しになるな」
漫才してるぅ~。
「お仕事じゃ、無理は言えないわね」
と、ミケちゃん。昔の彼女だったら、自分を優先してって言ってたろうなあ。成長したもんです。
「わたしも、執筆のほうは順調です」
まりあさんもいい感じみたいね。
「私も、お仕事順調です。あ、猫崎さんにお願いされていた件ですけど」
お、近井さんに頼んだ件というと!
「交流サイトのほう、順調にいけば週末にはテスト版をお見せできそうです」
「ありがとうございます!」と、バンザイ猫スタンプをぺたぺた貼る一同。楽しみ~。
「楽しみですね。ボクも、他の猫耳人間の子とお話ししてみたいです」
あの、人見知りだったクロちゃんが! すごい成長したなあ……。
「ちなみに、ボクは今度の日曜、昇級をかけた対戦をする予定です」
一同、「おお~」と反応。まりあさんは、「クロちゃんなら、勝てるって信じてるからね」とガッツポーズ猫スタンプ。
「ノーラちゃんは日中、どんな感じですか?」
「とにかく、サッカーしたいって愚痴ばかりです。あとはトレーニングに行きたがるので、勉強会などの集まりがない日は、行かせてあげてますね」
ほうほう。
「あと、今度の週末にスマホを買ってあげようかと」
またも、一同「おお~」と反応。さっきから全員、アメリ状態。
ともかくも、皆さん順調なようで何より。
私も、順調を不調に落とさないためにも、お仕事始めますかー。
仕事を開始する旨を皆さんに告げ、チャットルームを退出。「フリアト」を立ち上げます。
愛娘は、私の代わりに、皆さんと雑談してる模様。色々と、現在の話題を実況してくる。
やがて皆さんもお仕事を始めたようで、アメリちゃん実況も途絶えました。代わりに、調べ物を始めた模様。
「アメリー。なんか面白いもの調べられたー?」
ネームを切りながら尋ねる。
「おお? えっとね、宇宙はダークエネルギーっていうのが七十四%なんだって! ……%って何だろ?」
なんか、すごいこと調べてた! しかも、%はわからないアンバランスぶり!
「えーと、ものを百で割ったときの割合ね。七十四%は百分の七十四。ざっくり、四分の三だね」
「おお~! じゃあ、ダークエネルギーって何!?」
「それは……ちょっとわからないな。スマホで調べたほうが、早いと思うよ」
「わかったー!」
ふう。なんだかすごいですねえ、うちの娘は。
気を取り直して、お仕事再開。
すらすら……。
かちゃかちゃ……。
うーん、はかどりますねえ。
「おねーちゃん!」
「ほい?」
今度はアメリに呼びかけられたので、コーヒー牛乳片手に応える。
「ストームとテンペストってどう違うの?」
「ほぁっ!?」
思わず、変な声を出してしまう。
「えーと、ストームってたしか『嵐』って意味よね?」
こくこく頷くアメリちゃん。
「テンペストは……何かしら?」
「それも嵐らしいよ!」
困った。今の今まで、テンペストなんて単語知らなかった私が、答えられるわけもなく。
「えーと……スマホ先生に訊いたほうが早いかなー?」
「わかったー」
ふう。ほんとすごいというか、なんというか……。こういうの、どこで拾ってくるのかしら。
その後も、何かと難問を持ってくるアメリちゃん。
そのたびに答えに窮し、頭を悩ませる。
愛娘の知的好奇心の前に、親のソンゲンは風前の灯ですとも! とほほ。
それにしても、世の中知らないことだらけだなー。大学行っとけば良かったなー、なんて今更思うけども……。あの白部さんだって、宇宙のことなんかだと、きっとさっぱりだろうし。
世界の謎全体で見たら、わかることの上限がちょびっと上がるだけなんだろうねえ、きっと。世の中広いな。
そんなことを考えながら、目の前の仕事をこなすため、筆を走らせ、キーを叩くのでした。
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