神奈さんとアメリちゃん

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第二百三十八話 ねこかふぇたいけんき ―後編―

公開日時: 2021年5月20日(木) 21:01
更新日時: 2021年6月26日(土) 07:46
文字数:2,528

 更に時計の針は進み、二十二日。予約も予定通り取れ、K市Y駅前のマスバーガーハンバーガーチェーン店で待ち合わせ。


 ちなみに、わざわざ車三台も使う必要はないでしょうということで、白部さんとノーラちゃんは私の車に相乗りをお誘いしたので、一緒にコーヒーとジュースを飲みながら待ち合わせ。しばらく待っていると由香里さん、ミケちゃん、まりあさん、クロちゃんが入店してきたので、位置をアピール。四人が注文を済ませ、こちらにやってきました。


「お待たせしました」


「いえいえ。私たちも、注文してきますね。では、行ってきます」


 私たちも、改めてハンバーガーセットを注文。アメリは店の名前でもある、名物「マスバーガー」とコーラのセットにした模様。ポテトはちょっと食べすぎということで、飲み物だけのセット。


 私は、マスバーガーを象徴するハンバーガーの一つ、テリヤキバーガーとアイスコーヒー、フライドオニオンのセット。このテリヤキバーガー、ここマスバーガー発祥なのだとか。


 しばらく雑談していると店員さんが運んできてくれたので、さっそくいただく。


 うん、このテリヤキだれ、実にこってり美味しい。和洋折衷とはよく言ったものだわ。


 アメリも大きなトマトが挟まったマスバーガーを美味しい美味しいと食んでいる。コーラが、アメリの大好きなコラ・コーラではなくパプス・コーラだけど、これはこれで気に入った模様。


 飲食しながら雑談することしばし。そろそろ頃合いということで、由香里さん先導のもと、くだんの猫カフェ「Yねこ」さんに向けてしゅっぱーつ!


 少し歩くと、お肉屋さんの真上にある猫の写真が貼られたガラス窓とご対面。階段を上がり、二階へ。靴からスリッパに履き替え、ぞろぞろとお邪魔。さすが予約&開店ほやほや、とても空いている。


 カウンターに猫ちゃんがいて、ちょっとびっくり。へえ、本当に猫カフェなんだねーと変な感心をしてしまう。


「予約していた木下です」


 由香里さんが予約していた旨を告げ、私たちはそれぞれ二時間パック料金・千七百円を二人ぶんずつ支払う。


 メガネを掛けた男性店長さんから、撮影時はフラッシュを焚かないことや、大声を出さないことなどの諸注意を受け、レシートの入った紐付きの容れ物を首にかけ、内部へと進みました。


 いやー、ほんとに猫ちゃんいっぱいだー。ああ~、生猫とのふれあいなんて、転生前のノーラちゃんぶりだわ~。多数の猫ちゃんがうろちょろ、あるいはすやすや寝ていて、パラダイスね!


 猫カフェだけあって人慣れしていて、結構撫でさせてくれる。もっとも、「気分じゃない」子もいて、しゅっと背中を低くして避けられたりも。


 元猫である四人娘も興味津々。恐る恐る撫でたり、話しかけてみたり。ふふ、なんだか不思議な光景。


 店内にはドリンクサーバーのほかに漫画が多数置いてあって、漫画大好きっ子としてはそちらにも心惹かれるけど、ここは猫メインでいきましょう。


 とりあえず、アメショの子をひょいと抱っこ。ふふふ、猫飼育歴十四年をなめてはいけませんよ、猫ちゃん。猫の扱いは慣れたものですとも。


「おおー、アメリも抱っこしたい!」


「コツが要るよー」


 猫を上手く抱えるコツを伝授し、アメショちゃんを手渡すと、おっかなびっくり抱っこする。


「おお~、重い……」


 アメリの体力だと三キロとかある猫ちゃんは結構重いわよね。これで、小さいお米袋より重いんですもの。とりあえず、記念に一枚パシャリ。


 店内を見渡すと、めちゃくちゃ大きい茶トラの猫ちゃんに目が行く。でっか! いや、ほんと大きい。店長さんに体重を尋ねてみると、九キロあるのだとか……。びっくりね。


 スマホで猫ちゃんを撮影したり、撫でたり、お茶を飲んだりと、のんびりまったり過ごす。


 すると、突然猫ちゃん同士が取っ組み合いを始めるではないですか!


「喧嘩だ!」


 アメリもびっくり。


「ああ、あれはじゃれ合ってるの。猫の喧嘩は、追っかけ回すのよ」


 猫カフェ歴の長い由香里さんが説明してくれる。へー。私も多頭飼いしたことないから、喧嘩かと思っちゃった。


 店内には大きな回し車があり、キジトラの子がぐるぐる回し始めるので、スマホでパシャリ。うーん、猫カフェ楽しいなー。


 まりあさんはクロちゃんと一緒に、店内のおもちゃでじゃらしチェレンジ。まりあさんは上手だけれど、クロちゃんは上手くいかず。まりあさんも、さすが飼育歴が長いだけある。


 ノーラちゃんは猫ちゃんを追いかけ回そうとして白部さんに注意され、ミケちゃんはアメリと一緒に猫撫で探検隊を結成。いろんな子を撫で回している。


 しかし、寝てる子を撫でてると、この猫独特のやる気の無さが懐かしい。今のアメリってば、ほんと活動的だからねー。


 店内ではおやつも売っており、一つレジで買ってみると、タッパーごと渡されました。スプーンを使ってあげるのね。ちなみに、ちゅ~ゆみたいな液状ではなく、いわゆるカリカリ。


「アメリ、あげてみる?」


「うん!」


 タッパーを開くと、それだけで猫ちゃんがわらわらと集結! おやつタイムってわかるのね。


 スプーンであげようとすると、猫ちゃんががっついてもう大変なことに。猫まみれになって、「おお~?」と困惑するアメリ。


 寄ってたかってカリカリを食べる猫ちゃんを見て、「美味しそう……」とこぼすうちのお嬢様。帰りに、久々にちゅ~ゆでも買ってあげようかな。


 ほかの子たちも、おやつをあげてみたいと言い出し、順番におやつタイム。みんな猫まみれになりました。ほほえま。ねこまみれの四人の光景、もちろん撮影しましたとも。


 店内の交流ノートに、猫の絵を書いてみたり。なんか、プロ漫画家の画力が浮いてるけど、まあそれもまた良し。


 こうして、楽しい二時間はあっという間に過ぎていき、退店タイムに。レジで首にかけた容れ物を返却します。


 店長さんに別れを告げて店を出、階段を降りる。


「猫カフェ、初体験だけど楽しかったですー。これはハマりますねー」


「でしょう? でも、わたしからすると、猫を飼っていた皆さんが羨ましいですねえ」


 などと由香里さんとほのぼのトークを繰り広げながら、駐車場へ。


 帰りがけに、「サンチョ・パンサディスカウントストア」に寄り、色々買い込みました。もちろん、買い物の一つにちゅ~ゆも。久々にちゅ~ゆを堪能したアメリちゃんでした。

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