神奈さんとアメリちゃん

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第三十六話 美味! 猫崎飯店

公開日時: 2021年4月17日(土) 19:31
文字数:2,302

さあさあ、いつもの店内BGMと涼しい空気の中、例によってスマホでチラシを確認なう。


 えーと、今日は挽き肉の割引セール、あとニラと卵……ほか、細々こまごまと色々。


 挽き肉か。またハンバーグでもいいけど、アメリにはもっと色んな料理を体験させてあげたい。今までやってないので、挽き肉、挽き肉……。あっ!


 ポンとひらめき、まずは豚挽き肉とニラと卵、そしてカット済みキャベツをかごへイン。さらに、にんにくチューブ、生姜チューブ、片栗粉、ごま油、顆粒かりゅうの鶏ガラスープも入れる。そして、肝心の餃子の皮。


 晩ごはんは餃子を作りま~す! なにげに中華って初めてよね、アメリ。


 本日は自転車につき、何か飲食しながら帰るのは無理なので、コーラとマスペはなし。代わりといっては何だけど、中華だしゴマ団子と烏龍茶でも買っていこうかな。


 では、これにてお会計!



 ◆ ◆ ◆



 安全確認に注意を払いつつ、きこきこと自転車を漕いで帰宅~!


「自転車、どうだった?」


「楽しかった!」


「そっかそっか、じゃあ今度もうちょっと色んな所へいってみようねー」


 ただいまとドアを開けて中に入った後、キャスケットを取って頭を撫でると、「うにゅう」と気の抜けた声を上げる。可愛いなあ。


「今日は、餃子とニラ玉スープを作ります。アメリも少し手伝ってね」


 と言うと、「はーい!」という元気な返事。餃子にスープと、火をバリバリに使うのでお風呂は後回し。


 ではでは。三分でクッキングするいつものBGMが脳内で鳴り響く中、炊飯器のスイッチを入れてスマホを調理台に立てかけ、レシピを見ながら調理開始~。


 洗わずにすぐ使えるキャベツを粗めのみじん切りにしまーす。ニラも洗った後、三分の一束ほどをこれまた粗めのみじん切りに。みじん切りにしなかったぶんは三センチぐらいの長さに切り、みじん切りコンビと分けて別々の深皿に。


 続いて、挽き肉に塩胡椒を適量に加えた後、粘り気が出るまでぐにゅぐにゅと揉み込む。粘り気が出たら、先ほどのみじん切りコンビを混ぜこねる。


 これで、タネ・・は完成!


「さー。出番だよ、アメリー」


 傍らで様子を見守っていたアメリに声をかけると、「おお~!」と拳を突き上げて威勢よく応える。


「こうやって、お肉をこの丸い皮の真ん中に置いて、片側のへりに水を塗って……こう、折り目をつけながら折りたたんでいってね。で、でき上がったら下の方にこの片栗粉をまぶしてね」


 まずはお手本を見せる。「やってみる!」と、真似する彼女。正直、ちょっと残念な感じだけど、「初めてにしては上手だよ! 次はもっと上手にやってみよう! 時間はかかってもいいから、もう少し丁寧にやってみようか」と、褒めつつも指導する。


 そんなこんなで、計二十五個の餃子が完成! ふう、疲れた。でもまだまだ前半戦!


 お次はニラ玉スープ。中ぐらいの鍋にお湯を沸かし、顆粒かりゅうの鶏ガラスープと三センチのほうのニラ、とき卵を入れる。あとは味見をしつつ塩を加えていき、最後に胡椒とごま油で味を整えて完成!


 そして、また別の中鍋にごま油をなじませ、メインディッシュの餃子を強火でジュウジュウと焼きまーす。底面にいい感じで焼き目が付いたら、水を入れ、ガラス蓋をして弱火で五分から十分ぐらい蒸し焼きに。


 中まで火が通ったようなら、蓋を外して再度強火で仕上げ!


 こんな感じのことを繰り返して、全部焼き上がったらついに餃子も完成!


「さーあ、できたよ~」


 私のお皿には五つ、アメリのお皿には四つの餃子を載せ、小皿にポン酢を垂らす。お椀にニラ玉スープも注ぎレンゲを添えて、お茶碗にごはんもよそう。ゴマ団子を二個ずつ小皿に乗せ、コップに烏龍茶を注いだら配膳完了!


 うん、ちょっと豪華な感じでいいんじゃない? アメリも手伝ってくれたし、これは絶対美味しい!


「アメリ、そのスプーンのお化けみたいのはレンゲっていうのね。おかゆのときと、使い方はほぼ一緒だから」


「おお~!」


 着席しながら、レンゲを持ち上げまじまじと見る彼女。


「で、餃子……さっき、アメリと一緒に包んだのは、そのポン酢につけて食べてね。じゃあ、いただきます!」


「いただきます!」


 苦戦しながら、小皿のポン酢に餃子をつけるアメリ。頑張れー!


 アメリの奮闘を見守りながら、自分も食を進める。


 うん、美味しい美味しい! これ、アメリが作った餃子だね。アメリの愛と努力を感じる!


「アメリの作った餃子、とっても美味しいよ!」


 と褒めると、「えへへー」と頭を掻いて照れる。あーもう、なんて愛らしいんでしょう!


 そしてニラ玉スープ。私にはちょうどいい辛さと塩加減だけど、アメリにはどうなんだろう?


「スープ、味大丈夫? しょっぱかったり、薄すぎたりしない? あと、辛かったりとか」


 促され、ひと口飲む彼女。


「美味しいよ!」


 お陽様のような笑顔を向けてくる。ふう。大人の舌の感覚で作ると、こういうとこ心配なのよね。良きかな良きかな


「ありがとう。アメリにそう言ってもらえると、本当に作りがいがあるよ」


 平穏で幸福な時間。私は、本当に幸せ者だ。


 食後のデザートに、ゴマ団子をぱくっ。うん。香ばしくて、甘くて、もちもちしていて。多分、中華デザートでこれが一番好き。


 そして烏龍茶で流すと、後味もスッキリ!


 対面のアメリも餃子とスープを食べ終わり、ゴマ団子を食べて「おお~!」と、感心の声を上げる。


 烏龍茶も気に入ったのか、おかわりを求められたので注ぐと、それをよいしょよいしょと飲む。実に可愛い。


 かくして二人とも食べ終わり、「ごちそうさまでした!」で締め。残りの餃子とスープは、明日食べよう。


 歯を磨いてお風呂に入った後は、アメリはベッドで文字のお勉強。私はいつものように、コーヒー牛乳を傍らにお仕事に励むのでした。

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