神奈さんとアメリちゃん

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第百十話 お金の使い方を教えよう!

公開日時: 2021年4月23日(金) 19:01
文字数:2,470

今日は、銀行での引き出しや私自身の下着を買うほか、アメリのお弁当箱と本を買うために、「ゆらりと駅ビル」に寄っています。いやー、昨日のまりあさんは強敵でした……。


 今回は特に「るるる」で買うものがないので、市営駐車場のほうを利用。ランジェリーショップがあるのは「アール・サイン隣の駅ビル」側だけど、もう済ませちゃいました。それにしてもあそこ、エスカレーター上がって目の前にドン! ってのはもうちょっとなんとかならなかったのかしら。


 それはまあいいとして。「ハートマン雑貨店」でアメリのお弁当箱を物色なう。


「おねーちゃん、ケイティちゃん!」


 するとアメリ、目ざとくケイティちゃんのお弁当箱とお箸&箸入れセットを見つけましたよ。


「ほんとだー。これにする?」


「薄紫のなーい?」


 アメリが色をリクエストするので見てみたけれど、ピンクと水色しかないみたい。


「この二つの色しかないみたいだよ」


「じゃあ、こっち~!」


 ピンクをチョイス。良きかな良きかな。これで、紅葉狩りピクニックも万全ね!


 というわけでお会計。続いて、「麗文堂本屋さん」へ~。


 まりあさんの本もだいぶ制覇したな~。なにかめぼしいのないかしら?


「おねーちゃん、これ読んでみたい!」


 アメリが書架から取り出したのは、「ひよこけんし、ドラゴンにあいにいく」というもの。


 メルヘンな世界に住むひよこ剣士 (剣はおもちゃ)が、世界最高のピザを焼くことができる、伝説のドラゴンを探して旅するお話みたい。なんか、まりあさんって旅物語描くの好きよね。安心のまりあさん印ということで、買っちゃいましょう!


 ん。そんなこんなで、時刻が一時を回ってしまいました。今日、出るのちょっと遅かったからなー。ランチのピークは過ぎたし、どこかでごはんにしようかな。


「アメリー、何か食べたいものあるー?」


「何でもいいよー!」


 いつもながらの力強いお言葉。困ったな。じゃあ、私の気分で決めちゃうか。


「今日のお昼は、お野菜たっぷりめでいこうか」


 駐車場から車を出し、「バズラー」という駅から少し外れた国道沿いのレストランに駐車。


「ここね、美味しいお野菜がいっぱい食べられるんだよ」


「おお~!」


 というわけで入店。


 私はサラダバー単品に即決。アメリは「ハンバーガーだ!」とメニューを見て瞳をキラキラさせている。


 どれどれ……? ああ、子供向けメニューにあるのね。チーズににっこり笑顔が描いてあって可愛い。フライドポテト付き。


「可愛いねー。これにする?」


「うん!」


 というわけでアメリのほうも決定。


 ここのサラダバーは本当に種類が豊富で、お野菜以外にもスパゲッティーやフルーツなんかがある。


 私は、せっかくバズラーに来たんだしということで、サラダを筆頭にグリルナスなんかも取っていく。チーズトーストがサラダバーに付いてくるので、スパゲッティーは様子を見て、かな。


 アメリはというと、ブロッコリーとトマトばっかり取っている。


「そればっかりでいいの? もっと色々あるけど」


「これ好きなのー!」


 笑顔で答える彼女。ふむ。まあ、野菜好きなのはいいことよね。


 では、いただきます。……うん、いいお野菜。ここのサラダバー、結構なお値段がするんだけど、それに見合う味だわ。


 二人でもっしゃもっしゃと野菜を食んでいると、アメリのハンバーガーとポテトも到着。


「美味しい!」


 キラキラした瞳を向けてくる。


「良かったねえ」


 私も笑顔を返す。良きかな良きかな


 こうして美味しいお昼ごはんも食べ終わり、途中の「サンチョディスカウントストア」で雑多な物を買った後、帰宅しました。



 ◆ ◆ ◆



「アメリ、今日はちょっと大切なお勉強をするよ」


「おお?」


 机の前でそめごろうイカと戯れていたアメリの対面に正座し、お財布から小銭を取り出して並べる。


「これ、お金。お店で何か欲しいとき、これと交換で手に入れるのね。それを『買う』っていうの。お金は『円』って呼ぶんだ」


 「おおー……」と言いながら、興味津々で眺める彼女。


「これが一円玉、これが五円玉、で、十円玉、五十円玉、百円玉、五百円玉。お札っていう、もっと上のもあるんだけど、それはとりあえず覚えなくていいかな」


 今日銀行に寄ったのも、十分な量の小銭を調達するのが目的の一つだったりする。


「じゃあ、ちょっとやってみようか。アメリが三十円のお菓子、三つ欲しいとするね。いくら払ったらいいと思う?」


「ええと……」


 悩みながら、十円玉九枚を選ぶアメリ。


「うん、正解」


 頭を撫でると、「うにゅう」と気の抜けた声を上げる。


「でも、他にもいくつか買い方があるんだよ。わかるかな?」


 するとうんうん悩み始め、「あ!」と叫んで五十円玉一枚と、十円玉四枚を選んだ。


「すごい、すごい! 正解です! でも、まだ別の方法があるよ~。ちょっと、引き算も使うんだ」


 ぱちぱち拍手した後、別パターンの存在を示すと、またもやうんうん悩み始める。


「う~……わかんない!」


「じゃあ、三つ目の正解を教えるね。百円玉を出してごらん」


 言われた通り、百円玉を選ぶ。


「そうするとね。店員さんが十円玉を返してくれるの。百引く九十で十っていうわけね。これを、お釣りっていうんだ」


 「おお~!!」と瞳を輝かせる彼女。ふふ、知的好奇心が満たされている証拠だね。


「もちろん五円玉十八枚とかでもいいけど、重いからね。なるべく大きい額のを持ち歩くのが好きかな、私は」


 ふう、と一息。


「で、ちょっと面白いコツがあるのね。アメリが三十円のお菓子を二個買いたいとするね? で、お釣りの枚数をできるだけ減らしたいとします。お金、量が多いと重いし場所取るからね。どう支払ったらいいと思う?」


 これまたうんうん悩んだ後、自信なさげに百円玉一枚と、十円玉一枚を差し出してくる。


「すっごーい! 大正解! 百円玉一枚だけだとお釣りが十円玉四枚になっちゃうけど、こうすると五十円玉一枚で返ってくるの。大変良くできました!」


 よしよしと頭を撫でると、弛緩した顔で「うにゅう~」という気抜けボイスを上げる。


「じゃあ、晩ごはん買いに行くとき、実際アメリも何か買ってみよー!」


「おお~!」


 二人で拳を突き上げる。さあ、アメリのお買い物見守り隊 (隊員一名)発足です!

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