神奈さんとアメリちゃん

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第二百六十四話 四度再来! 猫崎飯店!

公開日時: 2021年6月17日(木) 21:01
文字数:2,352

 ただいまーっと!


 手洗い&うがいをして、冷蔵庫に食品を入れてー……そうだ。


「アメリちゃん。ひとつ、ごはん炊いてみますか」


「おお~! やるやる!」


 相変わらず士気が高いですねえ、アメリシェフ。


「じゃあね。このお米の計量カップあるでしょう。このカップ一杯ぶん米びつからすくってちょうだい」


「……こう?」


 計量カップにちょっと山ができるぐらいすくうアメリちゃん。


「ちょっと多いから、余分なぶんは指ですーって落としちゃおう」


「こうかな?」


 指で撫で落とすと、ちょうど一カップになる。


「そうそう。これを炊飯器に入れてね」


 ざらざらーっと、お米が釜に投入される。


「次に、水二百ミリリットルを入れよう」


 水用の軽量カップを手渡すと、量を測り注ぐ。


「はい、よく出来ました。あとは、この赤いボタンを押して待つだけだよー」


「おお~」


 キラキラ瞳を輝かせるので頭を撫でると、「うにゅう」と気の抜けた声を出す。


「さて、寝室で待機~といきたいところだけど、焼売はちょっと時間がかかるのよ。だから、今から作り始めましょー!」


「おおー!」


 二人で拳を突き上げる。


 それでは、毎度おなじみ三分でクッキングする脳内BGMスイッチオン!


「まず、玉ねぎ二個をみじん切りにしちゃいます……が、めんどくさいのでフードプロセッサーを頼っちゃいましょう。というわけで、一緒に皮剥きね」


 一緒に上下端を切り落とし、皮を剥いてプロセッサーにイン! ガーッと粗めのみじん切りに。


「で、これに片栗粉をまぶすですよ。大さじ四杯、まぶしてみてくれるかな?」


「はーい」


 言われた通りにまぶす。


「もうちょいまぶそうか。……おっけー。次に、豚肉さんを味付けしてこねるですよ。調味料は私が調合しちゃうね」


 醤油大さじ一杯、オイスターソース大さじ半分、お砂糖、ごま油、鶏ガラスープの素小さじニ杯ずつ、チューブ生姜小さじ一杯、お塩小さじ四分の一、胡椒ちょいちょい……よし!


「アメリ、こねる?」


「やるー!」


 頑張り屋のアメリシェフが一所懸命こね始める。


「疲れたらいつでも言ってね。代わるから」


「任せて~!」


 こねこね、こねこね。


「粘り気が出たらやめていいいよ」


 しばらくこねていると粘ってきた。


「ん、ストップ。次に、よっと」


 焼売の皮の角を落とし、餡に混ぜ込む。


「これで、冷蔵庫で一時間寝かせまーす」


「おお~。お肉さんたち、おやすみ~」


 焼売の皮はラップでくるみ、こちらも再度冷蔵庫へ。


「そんじゃ、寝室行こうか」


「はーい」


 手を洗い、フードプロセッサーもきれいにしてゴートゥするのでした。



 ◆ ◆ ◆



 待ち時間の間、漢字の小テスト。おお、正答率八割!


「すごい、すごい、アメリちゃん!」


 パチパチと拍手すると、「えへへ」と照れる。可愛いなあ、うちのお姫様は。


「本当にすごいね。小四の漢字まで読めるようになったら、ずいぶん難しい文章も読めるようになるよ」


「おお~、楽しみ!」


 ふんすと気合を入れるお嬢様。


 ここで神奈先生が颯爽さっそうと漢字指導したいところだけど、漢字の読み書きは反復学習しかないのよねえ。がっくし。


 やむなく原稿の下書きを再開し、アメリちゃんとの戯れは切り上げるのでした。お仕事も大事だからねー。


 そうこうして過ごしていると、スマホのアラームが鳴りました!


「はいはーい。お時間でございます、お嬢様。焼売作りに行きましょう~」


「おお~」


 互いに筆を止め、キッチンにごー!



 ◆ ◆ ◆



 さあ! 再びいつもの脳内BGMいってみよー!


「そいじゃ、やっていきましょーか、アメリシェフ。こうやってお肉を皮に載せてですね」


 スプーンで餡を適量すくい、皮にオン!


「人差し指と親指で輪っか作って皮持って、こう、きゅっきゅまとめていくですよ」


 きゅっきゅっ。


「あとは、きれいに整えるのです。こんな感じ」


 おなじみの焼売の形ができあがる。


「おお~! やってみる!」


 最初は苦戦していたけども、さすが飲み込みが早く、割となんなく焼売を作れるようになっていく。


「その調子です、シェフ」


 きゅっきゅと焼売を作っていく私たち。都合、三十個出来上がりました。


「あとは、これを蒸せばOK!」


 寸胴鍋に蒸し用の器具をセットして水を張り、器具の上にクッキングシートを敷く。そして、焼売を並べて中火で蒸し焼きに。タイマーを十五分にセット!


 ごはんも蒸し終わっているので、切っておく。


「あとは待つだけだよー。動画とテレビ、どっち見る?」


「動画~。猫ちゃん見たい!」


「はいはーい。ちょっと待ってね~」


 動画サイトを立ち上げ、一緒に視聴。アメショは可愛いなあ~。アメリのシルバータビーの髪を撫でて、かつてを懐かしむ。


 のどかな時間を過ごしていると、アラームが鳴りました!


「出来上がりましたよー。今用意するからね」


 火を止め、菜箸で焼売をつまんでいく。あちち。


 ……よし、移し終わった!


 とりあえず、焼売を私は八個、アメリは七個取皿に載せる。


 ごはんをよそい、お茶を注いだらセット終了!


「はーい、これが焼売ちゃんの完成図でーす。からしをつけて食べると美味しいんだけど、無理そうだったらつけなくていいからね」


 アメリ用の小皿にからしと醤油を別々に用意する。私のほうは、両方混ぜてしまう。エプロンを外し、着席~。


「じゃあ、いただきますしよう。いただきます!」


「いただきます……! 辛い……」


 最初の一個にちょっとからしをつけてみたアメリちゃんだけど、どうも苦手みたいで、二個目はお醤油だけで食べる。やっぱり、ツンと来る系の辛味が苦手なのね。


「美味しい!」


 打って変わって、キラキラと瞳を輝かせるお嬢様。良きかな良きかな


 私もぱくっ。うーん、美味しい! 二人の愛のなせる味ね!


 二人仲良くごちそうさま。残りの焼売は冷めたら冷蔵して明日のお昼にでもしましょ。


 食後は下書き再開。今日中に芦田さんにバトンを渡すべく、ラストスパート! 頑張るぞー!

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