神奈さんとアメリちゃん

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第三百六十話 検査の後は、お楽しみタイム!

公開日時: 2021年9月23日(木) 21:01
更新日時: 2021年9月25日(土) 08:51
文字数:2,448

 ミケちゃんに料理を教えてから、はや三日の五月十四日。もう月半ばですよ。早いですねえ。


 今日もアメリちゃん謹製のサンドイッチをもっさもっさと食べています。こうして朝食が出てくるって、ほんとありがたい。孝行娘を持ったものです。


 そんな本日、いくつかやることがあります。まず、おなじみT総での検査。続いて、「うどんのめがみさま」の新刊購入。あと、アメリが「トイザウるスおもちゃ屋さん」に行きたいそうで。


「トイさんで何買うのー?」


 牛乳でツナサンドを流し込み、ふと気になって尋ねてみる。


「メンダコ!」


 めん……だこ……? ああ、ぬいぐるみ買うってことね。


「それはお年玉から出してね」


「はーい!」


 しかし、リッチですねえ。まだお年玉が残ってるんだから大したもんです。


 あ、お年玉といえば。


「後で、今月のお小遣いあげるね」


「ほんと!? やったー!」


 朝から元気ですこと。まあ、私も起きてからもうすぐ一時間。結構、しゃっきりしてきてますけども。


 食べ終わったら、さっそく出かける準備ですよ~。お互い大変ですねえ、アメリちゃんや。



 ◆ ◆ ◆



 T総の待合。すでにクロちゃんが、採血室に呼ばれています。それにしても、病院ってなんでこう全体的に白いのかしらね?


「白部さん、病院が全体的に白い理由ってご存じだったりします?」


「え? あ、うーん? さあ……? 全体的に、清潔感が必要だからではないでしょうか……?」


「なるほど。すいません、唐突に変な質問をして」


 突然振られたへんてこな質問にうろたえつつ、答える彼女。疑問は尋ねないといられない性分なので、恐縮デス。


 そんな白部さんも中に呼ばれ、ノーラちゃんと採血に向かいました。


「そうだ、神奈さん。あれから、ミケが料理に興味持ってくれまして。ちょこちょこ教えてるんですよ。ありがとうございます」


 今日のミケちゃんの付添いは優輝さん。彼女から、お礼を述べられてしまいました。「いえいえ、どういたしまして」と、別の意味で恐縮。お手軽料理を教えただけですし。


「ミケ、お姉ちゃんですもの。すぐアメリたちに、料理教える立場になっちゃうんだから」


 あら、すごい自信。というより向上心かな。四人とも、それぞれ別方向にそういうの強いものね。


「おお~。ミケにお料理教わるの楽しみ!」


「ふ、ふふん。もうちょっとだけ待ってなさいよね」


 天然にプレッシャーをかけていくアメリちゃん。ミケちゃんは例によって胸を反らすけど、ちょっとドヤ顔がこわばっておりました。


 そんなミケちゃんたちも呼ばれ、中へ。二人ぽつねんと取り残されてしまいました。どうにも寂しいね。


 手持ち無沙汰なので、アメリと昨日のことについて会話。昨日は白部さんをお招きして、四人娘と勉強会を開いておりました。


 アメリに関しては割り算の筆算も順調で、次は小四向け漢字を覚えましょうという話に。


 次々にステップアップしていくうちの子。算数と漢字だけなら、推定年齢を追い越す学習速度だ。つくづくすごい。


「猫崎さん、採血室へどうぞ」


 おっと。お呼ばれしましたよ。さあ、これから長期戦の始まりだ~。



 ◆ ◆ ◆



 お疲れ様会は、猫耳がバレた日の思い出のダイナー軽食店、「F-TERRACE」さんで済ませることに。相変わらず、ローストビーフに舌鼓を打つアメリちゃんがほほえま! それにしても、ここの水出しコーヒーは抜群に美味しい。大人組の皆さんにもお勧めしたら、気に入っていただけたようです。


「そういえば優輝さん。そろそろ何か三つめのゲームを買ってみたいと思うんですけど、おすすめってあります?」


「お。神奈さんもすっかりゲームに目覚めましたね。そうですねえ……まず、何人ぐらいで遊びたいですか?」


「うーん、アメリたち子供がメインで遊べて、なおかつ私とアメリでも遊べるようなのがいいですね。運動ができるとなおよしです」


 とりあえず、思いつくままに要素を並べてみる。


「ふーむ、となるとあれがいいかなあ……? まあ、詳しくはトイザウるスで見て決めましょう」


「お心当たりがあるようですね。楽しみにしておきます」


 それにしても、ローストビーフサンドの美味しいこと。コーヒーと一緒にいただくと、さらに美味し。


 まりあさんが「亀池堂和菓子屋」さんに寄りたいとのことで、私たちもご一緒。私も、お土産に鮎最中を買いました。


 そして肝心の「トイザウるス」。


「はちろうだー!」


 愛娘がそう言って手に取ったのは、大きな赤いメンダコのぬいぐるみ。あらやだ、かわいい。てか、相変わらず謎ネーミングセンスだし、男の子なのね。ほえほえさん逆ハーレム、すごいことに……。もう、野球チーム作れる人数よ。ほえほえさんはマネージャーかな?


 で、もう一つ肝心のゲームはというと……。


「あー、あったあった。ありましたよ。こいつです」


 ゲームコーナーで優輝さんが手に取ったのは、「ボクササイズ・アドベンチャー」というゲーム。


「ボクササイズ、ですか」


「はい。ゲームとしても、すごく面白いですよ。四人でやるなら、専用コントローラーが四つ必要ですけどね。あらかじめ言っておいていただければうちのをお貸しできるので、普段遣い用に二セットだけ買っておけばいいと思います」


「面白そうですね。買ってみます」


 というわけで、ゲームとコントローラー二セットを購入。


 お三方も店内を回ってみたけれど特に子供たちが買いたい物がなかったようで、次なる目的地「麗文堂本屋」さんへ。


 ここでは、まずは「うどんのめがみさま」の新刊、「うどんのめがみさまと あいのてんし」をゲット。「ありがとうございます」と、まりあさんに大変感謝されてしまいました。


 あとは、それぞれ適当に物色。アメリの児童向け科学読本がまた一冊増えました。ほかの子も、それぞれ何か買ってもらった模様。


 大人組は資料をメインに買い込み。私は漫画もそれにプラス。


 買うべきものも買ったので、駅前から引き上げ。優輝さんと白部さんは市営駐車場のほうを使ったので、お三方とはここでお別れです。お辞儀し合い、別れの挨拶を交わすのでした。


 それじゃ、私たちは例のスーパーに寄ってから帰りますかー。

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