お米を水に浸して、寝室に戻りアメリと一緒にお絵かき。炊飯タイムが来たので、スイッチオンと同時にアンキモを二百ミリリットルの水と大さじ半分のお塩、料理酒大さじ二杯を混ぜたものに漬けておく。
そして、炊きあがり~。それでは一緒にキッチンに参りましょうか、アメリシェフ。おっと、わけあって今日は定規も持って行きますよ。
まずは下処理をしておいたアンキモをザルに上げまして。続いて中鍋と土鍋にお湯を沸かしまーす。
「さてさて、アメリちゃん。今日も作業を分担していきましょー。アメリちゃんにはまず、人参半分を処理してもらうけど、まず皮を剥いて、半月切り……最初縦半分に切った後に、五ミリ幅に切ってもらえるかな?」
そう、持ってきた定規とさっきの授業は、アメリにセンチやミリの感覚を実感してもらうためなのです。
「おおー、がんばる!」
意気軒昂ですねえ。良き哉良き哉。
「人参切り終わったら、別の作業振るからね~」
では、例の三分でクッキングする脳内BGMを流しながら、調理開始!
私は何から手を付けていこうかな。アメリの方をちらりと見ると、ピーラーで皮を剥いて順調な滑り出し。本当に調理の腕前上達したなあ。ほろり。
よし、白菜から切っていこうか。これは葉の部分をざく切り、白い部分を削ぎ切りにしていく。
アメリは……順調だけど、スムーズとはまだいかないね。じゃあ、ネギでも切ってましょうか。これは斜め切り~。
続いて、春菊を半分に切り、えのきの根を取り除く。
「できた!」
お、完成しましたかアメリシェフ。いい出来栄えですねえ。
「お見事! じゃあ、次はそうだなー。しいたけの石突きを取って、上の方にバッテンの切れ目を入れてくれるかな?」
「わかった!」
アメリがしいたけの処理に取り掛かる。私は豆腐を一口大に、手ひらの上で切っていく。ごはんもそろそろ切っておこう。
よし、できた。続いて、あんこうの身の処理。中鍋の沸騰したお湯にくぐらせ、白くなったらさっとお湯から揚げて、ザルを使って流水で締める。これを、粗熱が取れるまで。
続いて、醤油とみりん大さじ四杯、顆粒の昆布だし小さじ二杯、料理酒百ミリリットルを土鍋に入れて煮立たせる。
「しいたけできたよ!」
おお、普段の私の包丁使いを見ているからか、こちらもいい出来!
「お上手! じゃあ、煮ていくねー」
アンキモ、白菜の青い部分、春菊以外の具材を彩りを考えながら投入~。
これを、丁寧にアク取りしながら、人参が柔らかくなるまで煮ていく。
……うん、火が完全に通ったね! 続いて、残りのアンキモ、白菜、春菊をイン!
さーて、今のうちにごはんよそって、お茶を淹れて、取皿を置いて……アンキモたちに都合三分ほど火を通したら、テーブルの中央に配置!
「出来上がりですよー、アメリちゃん!」
ふう。冬だってのに、食べる前から汗だく!
「おお~! 美味しそう!」
エプロンを外し、指定席に掛ける彼女。
「じゃあ、いただきますしようか」
私もエプロンを外し、いつものように対面に着席。
「「いただきます!」」
元気に合唱!
おたまですくい、取皿にバランス良く運んでいく。
まずは、メインのアンキモから……ん~! 美味い!!
アンキモ! アンキモ! アンキモ!
思わず、心の中で変な呪文を唱えてしまう。
「おお~! アンコウって美味しいね!」
アメリも深海の妙味に舌鼓を打つ。
「でしょ~。変な見た目だけど、こういうのほど美味しかったりするのよ」
お野菜たちも、実にいい脇役をしている。ほんとに、冬の白菜って美味しいわ~。
こうして、お鍋はおつゆが残るだけの状態に。
「美味しかった~」
ほんわかポカポカモードなアメリちゃん。
「ふっふっふ……まだまだ、奥の手があるのですよ!」
そう言って、お鍋に残りのご飯を投入!
「お鍋の締めは雑炊・オア・うどんってね。だしが出てて美味しいよ~」
「おお~」と言って、お茶碗によそうアメリ。私もそれに続く。う~ん、実に美味!
「おお~……お腹いっぱい、もう食べられない……」
「私も~。じゃあ、締めの言葉言おうか」
「「ごちそうさまでした!」」
仲良く合唱し、鍋パーティー終了! いやー、脱稿祝いにふさわしい一品でした。
◆ ◆ ◆
食休みは、単位のお勉強のおさらい。食事を挟んで一息ついたおかげか、アメリもリットルについて今度はすんなり理解してくれました。水入れたペットボトルと秤で実演したのが良かったのかな?
続いて、おなじみストレッチ。私たちも慣れてきたもので、久美さんに相談してみたところ、「そろそろ、三セットやってみてもいいんじゃね?」とのお言葉を頂いたので、今日から三セットやることに。雑炊ぶんのカロリー燃やさないとね!
運動の後はお風呂! はー、いいお湯。調理と食事、そして運動でかいた汗が流れてさっぱり! 特に、冬場はお湯の温かさが身にしみるってもんです。
お風呂から上がった後は、繁忙期の反動でひたすらアメリと遊びまくる。
二人でできる、「スピード」という反射神経勝負のトランプゲームで勝負するけど……むむむ、最初こそ勝てていたけど、だんだん勝てなくなっていくぅ~。私ももう、歳かしらねえ。まあ、アメリの飲み込みが早いのもあるんだろうけど。
かくして、楽しく遊んだ後はアメリちゃんご就寝。ふふ、ぐっすり寝てるなあ。
あ、そうだ! 前々からやろうやろうと思ってたことがあるんだった。「あめりにっき」の作者である私にしか、きっとできないであろうことを。ふふふ、アメリびっくりするかなあ。
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