神奈さんとアメリちゃん

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第五百十二話 みんなで遊ぼ! ―前編―

公開日時: 2022年3月2日(水) 21:01
文字数:2,057

 プロット作成は、すこぶる順調。なんせ、現実で起こった出来事を微アレンジして、記すだけなので。


 ただ、読み切りに引き続き、猫アメリの死を思い出しながら描くのは辛いな……。最後には、「新・あめりにっき」に仕切り直すことを作中で告知するという、救済があるわけだけど。


 ちょっとダメージを受けそうになると、今のアメリの姿を再確認して、それを和らげるということを繰り返しながら執筆。


 ふう。一休みしよっと。


「新しいお茶、れてきますね」


 愛しのアメリの頭をひと撫でし、グラスを回収する。みんなにお礼を言われ、キッチンへ。


 ティーポットに茶葉を入れようとすると、インタホンが鳴りました。慌てて応対。


「はい、どちら様ですか?」


「私です。親子ちかこです。友美と一緒にこのへんまでお散歩に来まして。せっかくですから、寄ってみたんですけど、今よろしいですか?」


「とりあえず、そちらに向かいますね」


 門まで行くと、二人が待っていました。


 互いに、「こんにちは」とご挨拶。


「唐突で恐縮ですけど、お邪魔できそうな感じでしょうか?」


「今、アメリとクロちゃん、ミケちゃんが勉強中なんです。それでよろしければ」


「ありがとうございます。久しぶりに、アメリちゃんたちに勉強教えようかしら」


 ちょっと楽しそうな親子ちかこさん。


「あ、それなんですけど。以前お話しした、押江先生という方が、今アメリの専任教師をなさってまして」


「ああ、あの方ですね! でしたら、なおさらご挨拶しておきたいですね」


「では、中でお話しましょう。今、ちょうどお茶をれようとしていたところだったので、先に寝室でお待ちください」


 というわけで、中へお通し。


 アイスティーを手に、寝室に戻ります。


「お待たせしました~」


 改めて皆さんからお礼を言われ、配膳していく。


「ええと、自己紹介はお済みでしょうか?」


 親子ちかこさん&ともちゃんと、先生をそれぞれ見る。


「はい。押江先生、友美のこと、可愛いと褒めてくださいまして」


「ふふ。本当に可愛いですからね」


 おやおや。さっそく、意気投合なさったご様子。


「じゃ、アメリちゃん。絵本借りていいかな?」


「いいよー」


「えーと、これにしようかな……。猫崎さん、ベッドはお借りしてもよろしいでしょうか?」


 「うどんのめがみさま」を手に取る親子ちかこさん。


「はい」


「じゃあ、ベッドでご本読んでてね、友美」


「はーい!」


 こうして、今日は親子ちかこさんが、教師役を努めてくださいました。


 私は、お仕事に舞い戻り~。


 あと一息……! かんせーい!!


 真留さんに送信~!


「だーっ! プロット送りましたー! つーかーれーた~」


 机に突っ伏す。


 「お疲れ様です」と、先生と親子ちかこさんから、お言葉をいただきました。


「すいません。なんか色々出し切ったので、脱力させていただきます」


 しばし、突っ伏したままの状態で目を閉じる。


 ぬ。LIZEに着信音が。明後日、打ち合わせしませんか、と……。明日は用事あるのかな、真留さん。りょうかーい。


 くう~! と背伸び。ふう。


「教師役、代わりましょうか?」


「ありがとうございます。では、友美の相手をさせていただきますね」


 というわけで、選手交代。ともちゃんに、ベッドで絵本を朗読する親子ちかこさん。にぎやかですねえ。


「なんか、めまぐるしいわね」


「そうだね」


 ミケちゃんの言葉に、ふふと笑う。


「神奈おねーさん、明日はノーラが来るのよね?」


「うん。みんなで勉強会も、久しぶりだよねー」


「それなんだけど、明日は遊ぶ日じゃダメかな?」


 ほむ。たしかに、この子たちは義務で勉強してるわけじゃないしなあ。それに、ここ最近は水曜が休息日になっていたし。


「私は構わないけど、クロちゃんは?」


「ボクも、構わないですよ」


「あとは白部さんか……」


 スマホでLIZEに、ミケちゃんの提案を送っておく。たぶん、今撮影の真っ最中だからね。


「せっかくだから、そっちにお訪ねしていいかしら?」


 ミケちゃんに尋ねてみる。


「うち? たぶん構わないと思うけど、優輝に訊いて」


「らじゃー」


 再度、LIZEにて尋ねてみる。しばしして既読がつき、「いいですよー!」と、快いお返事。


 「お仕事中、ありがとうございます」と、感謝の言葉をお返しする。


「おっけーだって! 親子ちかこさんも、明日、お隣にお邪魔しませんか?」


「いいですね。友美も喜びます。ねー?」


「やったー! おっきいおうち!」


 あはは。うち、お世辞にも広くはないからね。子供って、良くも悪くも正直よねー。親子ちかこさんも、咎めたものかどうか悩んでるね。咎めると、うちが狭いって言っちゃうようなものだから。


「そういえば、ともちゃんは、お砂遊び以外に興味あるものって何かな?」


「お絵かき!」


 へー。全体的に、芸術方面が好きなんだね。


「友美、雨の日はよくお絵かきしてるんです」


「いいですねー。私で良かったら、いつでも絵のこと教えてあげるからね」


「うん!」


 元気なお返事。良きかな良きかな


 こんな感じで、今日も一日マイペースに頑張り、そしてほのぼのと過ごしました。


 夕方、白部さんからも明日のOKをいただきました。


 さあさあ、みんなで楽しく遊ぶ日ですよー! わくわくだね!

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