今日はお菓子の材料を買いに、朝イチでいつものスーパーに来ています!
アメリへのとある計画も密かに進行中……ふふふ。
それはさておき、昨日人参が余ったわけですが、今日のお菓子づくりではこれを有効活用します! 人数多いので、さらに買い足したり。
レシピサイトを見ると……さらに干しぶどう、くるみ、シナモンを入れるのもおすすめですよん、と。ほかには、クリームチーズも必要なのか。
小麦粉とかベーキングパウダーの類は常備してるから、特に買わなくていいかな?
あとは、ついでにお昼と夕飯の買い物。お昼は越前蕎麦にでもしようかしら。夜は……よし、前々からアメリに食べさせてあげたかった、和風ハンバーグにしよう!
ひっきにく~たっまねぎ~きっのこ~おっおば~だっいこん~から~みだ~いこ~ん~ららら~。
陽気な脳内ソングを心中響かせながら、買い物かごを満たしていく。おっと、毎度おなじみ食パン、牛乳、卵も忘れちゃあいけません! るるるん。
ふう、意外と大荷物になっちゃったな。車で来ればよかったかなあ。ま、これも運動よね。
「アメリは何か買うものある?」と一応尋ねてみるけど、今日はお菓子祭りだと教えているので特に要らない模様。
それじゃ、お会計~。
◆ ◆ ◆
ただいま!
帰宅の儀こと手洗い&うがいをした後は、材料を冷蔵庫にイン。
さーて、オフを利用してアメリちゃんにお楽しみアイテムを作りましょうね~。
PCに向かい、作業を開始する。
……よし、とりあえず出来た! プリントアーウト!
「アーメリちゃん」
紙束をトントン整えながら、首をそちらに向けて背後でお絵かきしていたアメリに話しかける。
「なーに?」
「アメリちゃんに、私からプレゼントがありまーす」
紙束を机の上に置く。
「おお? あめりにっき……? アメリの名前だ!」
「そうだよー。猫だった頃のアメリとの生活を描いた、私の漫画! アメリにも読めるように、ルビ振ってみたんだ」
原稿データを、丸ごと持っている私だからこそ作れる一品。アメリの就寝後から、コツコツと単行本一巻ぶん漢字の読みがなを振っていたのです。
「見てみて! アメリとの思い出を綴った、私とアメリの物語!」
「おお~……!」
食い入るようにページを繰り始めるアメリ。印象的なコマを目にするたびに、「おお~……」とか、「アメリ、こうだったの?」とか、声を上げる。
ふふ、アメリ自身も不思議な感覚なんだろうなあ。
第一巻は仔猫時代のアメリを駆け足的に描いている。写真以上に、雄弁に当時を物語るドキュメンタリーだものね。
最後のページを読み終わると、じっと私を見つめてくる。
その表情には、感謝、喜び、照れくささ、愛しさなど、様々な感情がこもっているように感じられた。
そして、何も言わずぎゅっと私を抱きしめ、顔をうずめてくる。そんな彼女を優しく抱きしめ返し、静かに頭を撫でる。
「おねーちゃん、あのね、あのね……」
言葉にしようとするが、それができないアメリ。私は頭を撫でながら、じっと待つ。
「ありがとう、大好き……!」
互いに、抱きしめる力にちょっとだけ力を込めるのでした。
◆ ◆ ◆
「さあ、今日のご飯は越前そばだよー」
お昼、今朝の予定通り越前そばを作る。大根おろし担当はアメリシェフ、蕎麦茹で担当は私。
これ、一言でいえばおろしそばというやつなのだけど、辛味大根という辛~い大根を使うもの。蕎麦は固めに茹で、花鰹をこれでもか! とかけていただくのがポイント。ちなみに冷やし蕎麦です。
「というわけでアメリ、この大根本気で辛いから少しずつ試してみてね。わさびより辛いよ」
「お、おお~……」
わさび以上と聞いて、やや怖気づくアメリ。唐辛子系はいける口だけど、はてさて、辛味大根はどうでしょうね~?
「じゃあ、いただきます!」
「……いただきます!」
私に続き、アメリも唱和。
ずるるる……かっら~い! でも、これがいいのよねー。くぅ~っ!
「辛っ!」
慌ててお茶を飲み、今度は「熱っ!」とダメージを受けるアメリ。
「大丈夫!?」
「おお~……辛いから、大根少し減らしていい?」
ベロを出しながら、はーはーと息をしている。
「いいよー。私の丼に入れちゃってー」
というわけで、大根を移植する彼女。
おお、少しと言いつつごっそり減らしましたねえ。この増量ぶんを私が食べるのか……。まあね。福井っ子なら辛味大根なにするものぞってもんですよ!
……かっら! お茶、お茶っ! ……ふう。でも、擂っちゃったものは仕方ないね。頑張って食べきりましょ。うにゃん。
「ごちそうさまでした!」
なんとか完食! 次からは、アメリ用の大根もっと少なくていいね。アメリも二足ほど遅れて「ごちそうさまでした!」と完食。
「苦手?」
「辛かったけど、美味しい!」
おお、なんだかんだで気に入ってくれたようで。良き哉良き哉。
後片付けの後は、第二巻ぶん原稿のルビ振り開始。第二巻は、仔猫から生後五ヶ月という成猫への過渡期を描いた巻。
アメリとの生活は、大変なことも多かったけどほんと楽しかったなあと、原稿を読みながら回想する。
いや、過去形はおかしいね。アメリは今もこうして、私のそばにいてくれているんだもの。
さあ、かくてるハウスにお邪魔するまで、可愛いアメリちゃんのためにルビ振り頑張りましょー!
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