神奈さんとアメリちゃん

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第二百二十二話 憩いと潤いのカルボナーラ!

公開日時: 2021年5月3日(月) 22:01
文字数:2,268

 いつもの店内BGMに包まれて、今日は早くからお買い物。白部さんに何ごちそうしましょうかねー。


 鍋は昨日やったし、お昼から鍋もあれだし、ここはひとつスパゲッティーとか?


 でも、ものによるなあ……ボンゴレは砂抜きしてる時間がないし、逆にペペロンチーノとか手抜き感がすごくて、お出しするには恐縮だし。


 チラシを見て決めましょ。……お、豚肉とお野菜が色々安い! 特にベーコンブロックがビビッとくるじゃない! ふむ、どんなレシピがいいかなー。


 む、ひらめきましたよ! カルボナーラをお出ししよう! 晩もベーコンで何か……レシピサイトちぇーっく! ほうほう。ベーコンと大根と卵の煮物とな? これいいなー。これにしよう!


 大根がだいぶ余っちゃうけど、お味噌汁と……明日、おろし蕎麦でも作ろうかな。越前そばはアメリちゃんにはちょっと辛すぎたし。よし! 作戦は決まりました!


 あとは、レタスとトマトときゅうりを買って、と。


「アメリは何か買うのあるー?」


「んー。『うめえ棒』昨日買ったから、特にいいや!」


 ほいほい。それじゃー帰りましょ~。



 ◆ ◆ ◆



 たっだいまぁ~!


 現在十時。白部さんのことだから十二時ジャストにいらっしゃるかな。


 カルボナーラもそこまで手間隙かかる料理じゃなし、白部さんがいらっしゃってから作り始めても問題ないかも。


 とりあえず、レタスの芯だけくり抜いて、濡らしたキッチンペーパー詰めて長持ちするようにして……。


 うん、こんなもんかな。それじゃ、白部さんがいらっしゃるまで下書きしてましょ。



 ◆ ◆ ◆



「はーい。どちら様でしょう?」


 時刻は十二時ジャスト。白部さんだとは思うけど、一応尋ねる。


「こんにちは。白部です」


「こんにちはー。今、お迎えに行きますねー」


 やっぱり白部さんでした。というわけで、門までお出迎え。アメリは部屋着モード、イコールしっぽ丸出しなのでキッチンで待っているところ。


「ノーラちゃんもこんにちは」


「カン姉、こんにちはー!


 今日も片手に、ゴッドレンジャーを握って突き上げる。元気ねー。


「白部さん、今日はスパゲッティーなのであらかじめ作ると伸びてしまうので、これから作りますけど構いませんか?」


「はい、それは一向に」


「では、立ち話もなんですし、中へどうぞ」


 というわけで、キッチンにお通し。


「こんにちはー!」


 二人を確認したアメリが元気にご挨拶。白部さんたちも、アメリに挨拶を返す。


「これ、お話しした飲み物とおやつです。飲み物は冷やしておいていただけますと」


「ご丁寧にありがとうございます」


 飲み物はアップルジュース、コラ・コーラ、マスペのセット。おやつはクッキーね。クッキー以外は冷蔵庫にしまって、と。


「それじゃあ、アメリと二人で作りますね」


「頑張る!」


 拳を突き上げるアメリ。良きかな良きかな


「ありがとうございます。私も何かお手伝いしたいところですけど」


「いえいえ。広いキッチンではないですし。アメリの健闘をご覧になっていてください」


「それでは、お言葉に甘えて」


 というわけで、クッキング開始~! 脳内に例のBGMを流しましょー。


「アメリ、トマトとレタスとアスパラのサラダ、教えなくても作れる?」


「大丈夫! おねーちゃんの見て覚えた!」


 おおう、これは真に力強いお言葉。


「それじゃ、お任せするね」


 では、時短のために電気ポットのお湯から寸胴鍋でお湯を沸かしましてー。お塩を入れて、沸騰を待ちまーす。


 沸騰したので、スパゲッティー四束、四百グラムをイン! タイマーをセットし、菜箸でほぐすことしばし。


 うん、ここから先は放置でいいかな。ソースを作りましょ。


 ベーコンを短冊切りにしまして~。バターで中火で炒めます~。


 焼き色がついたら、牛乳六百ミリリットルと粉チーズ大さじ八杯をイン~。


 馴染んできたら、火を止めて、卵黄を混ぜ合わせま~す。


 お、タイマーが鳴りましたねえ! グッドタイミング!


 スパゲッティーをザルに揚げて、よく湯切り~。あとは、スパゲッティー、ソースの順にお皿に盛って、仕上げに粗挽き胡椒をぱらぱらとまぶしたらでっきあがり~!


「はーい、カルボナーラできあがりましたー! アメリちゃんのほうはどうかな?」


「あとちょっとー」


 缶詰と格闘中みたいね。


「手伝うね。白部さんたちお待たせしても悪いし」


「わかったー」


 というわけで、アスパラを小鉢に盛り付けマヨをかけて、サラダも完成!


「お待たせしましたー。できあがりです!」


「ありがとうございます。ほら、ノーラちゃんも」


「おー! ありがとな、カン姉、アメリ!」


 最後に紅茶をれ、エプロンを外し着席。


「それでは、いただきますしましょう。いただきます!」


 三人も私に続き、フォークに手を伸ばす。


 ズビズバと勢いよくすすり、白部さんにたしなめられるノーラちゃん。一方アメリは、ちょっと食べ方が上手になったかな?


「うめーな、これ!」


「ふふ、ありがと。アメリのサラダも食べてあげて」


「おー! こっちもうめえ!」


 屈託のない賞賛に、アメリともども笑顔になる。


「アメリちゃんの包丁使い拝見してましたけど、本当に上手ですよね」


 白部さんがくるくると器用に巻き取り、カルボナーラを口に運ぶ。


「両品とも、とてもいいお味です」


「おおー、褒められた!」


「ありがとうございます。良かったね、ちゃんとお礼言いましょ」


「ありがとう、白部せんせー!」


 ぺこりとお辞儀するアメリに「いい子だね」と微笑む白部さん。そんなアメリの頭を撫でると、おなじみのうにゅうボイスを上げる。


「そうだ、猫崎さん。最近、気になるデータが上がってるんですよ」


 柔和な表情から、なんとも真剣な面持ちに。一体何が……!? 次回へ続く!

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