交換会用のプレゼント。これがまた困る。
現在、私とアメリは「るるる」内の喫茶店で休憩兼、思案なう。私はホットカプチーノ、アメリはバニラソフトクリームをいただいている。フリマで食べたのがよっぽど気に入ったのかな?
優輝さんのプランによると、交換会はくじで誰が誰のプレゼントになるかを決めるらしい。ここがちょっと厄介だ。
たとえば仮に、下戸の由香里さんやお酒でえらいことになるまりあさん、ほかには子供たちにお酒が当たっても困る。このランダム性が問題なんだなあ。
全員にとって価値あるプレゼントかあ……子供に的を絞っても、全員好みがバラバラだものねえ。
「アメリは何にするか決めた?」
「うん!」
おや意外、もっと悩むかと思ったのに。
「だから、今月のお小遣いもらっていい?」
くりっとした瞳で小首をかしげて見つめてくる。
「そういえば、まだ渡してなかったね。ごめん。でも、三百円で買える程度のものなら私が出すよ?」
さっき、アメリのプレゼントを代わりに私が買うのも変な話と思ったけれど、別にそのぐらいならと考え直す。アメリのお小遣い減っちゃうし。
「ううん。おねーちゃんが心がこもってるのが大事って言ってたから、アメリのお金で買うの」
なんと立派な心がけ! お姉さん、感動しちゃう!
でも、心が大事か。自分で言ったことをアメリに思い出させられるなんてね。
よし、NGから消去法でやってみよう。
まず、お酒は飲めない人が六人もいるからダメ。
服も、みんなサイズが違うからダメ。
靴も同様。
化粧品は……子供たちにはまだ早いかなあ。……うん? ちょっと待った!
さらに発想を進めてみよう。化粧を何のためにするかといえば、きれいになるため。きれいな顔の基本は美肌。美肌に大事なことといえば洗顔。む、ちょっといい感じの洗顔料とか、みんなハッピーなんじゃないかしら!? 子供たちだって、朝顔洗うし。
よし、ここから組み立ててみよう。今は冬。空気が乾燥している。みんなのお肌も乾燥気味。
スマホで、「洗顔料 乾燥」と入力して検索してみる。
ふむふむ。乾燥肌にはアミノ酸系や両面活性剤のものがおすすめですって。で、ついでに書いてあったのが、敏感肌にはアミノ酸系がおすすめですと。敏感肌さんがいるかもだから、アミノ酸のが無難ね。よし、けってーい!
「アメリー。私もプレゼント決まったよー。それ食べ終わったら、一緒に行こうね」
「おお~!」
アメリが急いでソフトクリームを食べ始める。
「あー、焦らなくていいから。ゆっくりね」
とか言いながら、私も密かに飲むペースを早める。ホットだからね。飲むのに時間かかるのよ。
◆ ◆ ◆
というわけで、るるる一階のテナント、ドラッグストア「ハツモトキヨコ」にやって来ました。
色々お安いけれど、プレゼントなんだからお高めのをバーンと行きたいところ。店員さんに洗顔料コーナーを尋ね、棚を物色。
うん、アミノ酸系のいいやつありました! せっかくドラッグストアに来たので、湿布と一緒に買っていきましょうかね。座り仕事だから腰痛いのよ、結構。
「アメリは買い物するみたいだけど、どこで買うつもりなの?」
「おお? 百均~」
てことは「CANDY」ね。じゃあ、エスカレーターでつついと行きましょうか。
とうちゃーく。私も、洗顔料のラッピング用に包装紙買っていこ。
というわけで、包装紙ゲット!
「アメリは何を買うのかな?」
「えっとねー、ヘアピン!」
ほうほう。それじゃ、こっちね。
「はーい、着きましたよー。どれにするのかな?」
「これ!」
はうあ! それは……!
アメリが迷わず手に取ったのは、ケイティちゃんのヘアピン。未だにアメリに気を使って、二人きりのときには着けてますとも……。ちなみに、アメリも現在着けています。
「アメリの宝物と、おんなじのプレゼントするの!」
う、うん。そうね、贈り物は心が大事よね。アメリの贈り物がもし当たったら、それはそれで嬉しいけど、これを二つ着けなきゃいけなくなるのか……。
気を取り直して、調味料なんかも買ってお会計。
さて、せっかくだから、晩ごはんのおかずも買っていこうかな。今日は、「はまちや」さんと、お隣の「西条フルーツ」さんで買っていこう。
はまちやさんでは十二月の旬としてアンコウやヒラメなど色んな魚をおすすめされたけど、その中の一つ、ブリに大決定! 道中傷まないように、氷入りの袋も一緒にもらう。
ついでに西条さんでは大根を買って、ブリ大根を作る予定です。美味しいよねー、ブリ大根。
◆ ◆ ◆
ただいまーっと帰宅! 手洗いうがいを済ませて、お米を水に浸す。
私の帰省予定は二十九日から。そして、編集部の仕事締めが二十七八日。それまでに、原稿を仕上げてしまいたい。いつも以上の急ピッチで、それでいて手抜かりなく仕事に取り組む。
おっと、そうだった。もう一つ通販でポチっておかなければいけない物を忘れてました。……よし、購入完了! うふふ、到着が楽しみだなあ。
さーて、今日もコーヒー牛乳の力を借りて、執筆頑張りまっしょい! 原稿を落としたことがないのが私の自慢。真留さんの信頼に応え、大手を振って故郷に帰るぞー!
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