ちゃっちゃかちゃ~っとお仕事なう!
昨日、海を満喫したからねえ。残り一週間ちょい。T総もあるし、頑張ってカバーしないと!
「おねーちゃん、どーぞ」
「あらー、ありがとう~」
愛娘が、アイスティーを淹れてくれましたよ!
私、お仕事中は基本的にコーヒー牛乳と決めてるけど、愛する我が子の厚意を無下になどしませんとも!
ごくっとな。
「おいしいよ~、アメリちゃん!」
「どういたしまして!」
えへへと照れる彼女。可愛いなあ。
すると、不意にLIZEの着信音が。おかしいな。起動してないはずだけど。
「おおー、ミケからだ」
おや、そっちでしたか。
「……えっとね、遊びましょーだって!」
「うちでならいいよ~」
守護天使アメリちゃんがいなくなると、私の作業能率はガタ落ちなのです。いつかは……というか、近いうちに克服しなきゃいけない弱点よねえ。
「わかった! ……あのね、ミケとクロが来ることになったよ!」
「あら? ノーラちゃんは?」
「サッカーの練習だって」
「そっか。子供たちのクラブだもんね。夏休みに突入したから、練習に最適ってわけか」
逆に、ミケちゃんやクロちゃんの通ってるとこは、大人も混じってるだろうからね。
「せっかくだから、ともちゃんも誘ってみたら?」
「おお! そうする!」
イヤホンを差し、電話するアメリ。
「おかーさん、こんにちはー! 今日、ともちゃんおうち来れますかー? おお……残念。またねー!」
「ダメだったか」
「うん。駅前で、三人でお買い物中なんだって」
そりゃ残念。
おっと、そんな話をしていたら呼び鈴が!
応対すると、ミケちゃんでした。さすがお隣さん。お早いお着きで。
「二人とも、こんにちはー。これ、優輝からー。ごめん、片っぽ持ってもらえる?」
おや、重そうな袋が二つ。
「ミケが遊ぼうって言い出したから、持っていきなさいって」
お菓子と飲み物かな?
「ありがとう。両方私が持つよ。あとでお礼しないと」
「伝言。『お礼は気にしないでください』って」
相変わらず、気前のいい……。昨日BBQもごちそうになっておいて、その上これじゃ、申し訳ないなあ。ミケちゃん経由で優輝さんはああ仰るけど、今度何か贈ろう。
「とりあえず、中入って。暑いでしょ」
「ほんと、やんなっちゃう。ちょっと隣りに来ただけで、もう汗かいてるもん」
ぼやくミケちゃんを、屋内にご案内。
「じゃ、寝室で待っててね」
私はいただきものを開封。コーラとアルピス・ソーダと濃い味緑茶。そして、マスペ。ありがたいですねえ。
お菓子は……? おお。「うめえ棒」のセットが二袋。コンポタとチーズ味か。
とりあえず、持っていきましょう~。
◆ ◆ ◆
「お待たせー」
「おお、ありがと!」
「ありがと、神奈おねーさん。手が離せないから、テキトーに置いといてー」
ほほう。ダンスゲームで勝負中ですか。
「床で悪いけど置いとくね。ダンスゲーム終わったら、折りたたみ机に載っけてちょーだいな」
「「はーい」」
うめえ棒片手に、デスクに着席。ちょっとぬるくなっちゃったけど、アメリちゃんが淹れてくれたお茶とともにいただきながら、お仕事しましょう。
「おお~、ミケ強い!」
「さすがに、これは負けないわよ。ベンキョーでは、勝てなくなっちゃったけどね」
二人を見てみる。どちらも爽やかな表情で、はあはあと呼吸している。ミケちゃん、お姉さんしてるね!
「もう一回やろ!」
「もちろん!」
二回戦を始める模様です。じゃ、私も執筆に戻りましょうか。
しばらく筆を走らせていると、呼び鈴が鳴りました。クロちゃんかな?
「はーい」と出ると、やはりクロちゃんだったのでご案内~。
寝室に戻ると、まだアメリとミケちゃんが激闘を繰り広げていました。
「ええと……ベッドに座ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
座る場所に困ったクロちゃんが、やむなくベッドを借りたいと言うので、快諾する。二人の勝負を見守る彼女でした。
「ミケ優勢ですね」
「そだねー。さすがミケちゃん! って感じよね」
ほどなくして、ミケちゃん勝利でフィニッシュ!
「お疲れ様」
クロちゃんと一緒に拍手する。
「ボクも、一回だけやってみようかな」
「おおー! やろー!」
「ミケは観戦してるわ。喉乾いちゃった」
ベッドの主が入れ替わり、アメリVSクロちゃんのダンスバトル開始! ちょっとこれは、見てようかな。
クロちゃん、筋は悪くないけど、やっぱり経験の差なのか、アメリ優位で試合が進んでいく。そして、状況が覆ることなくフィニッシュ!
「ふー……。やっぱり、ボクには難しいみたいだ。でも、面白いね」
汗をハンカチで拭うクロちゃん。
「アメリも、タオルで拭いてくる~」
とてとてと、脱衣所へ向かう愛娘。
その間に、ミケちゃんとクロちゃんは、折りたたみ机と座椅子を展開。クロちゃんは正座党なので、自分は座布団に座り、座椅子は二人に譲ったようです。
さて、いつまでも見ててもね。お仕事お仕事~。
「ただいまー」
アメリが戻ってきたので、一同で「おかえり」と迎える。
会話に耳を傾けると、三人は折り紙で遊ぶ模様。ダンスから折り紙とは、緩急激しいですなあ。
最新ゲームも、レトロな遊びも楽しむこの子たち。自由闊達とはこのことか。良き哉良き哉。
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