神奈さんとアメリちゃん

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第四百六十七話 サイクリング計画!

公開日時: 2022年1月16日(日) 21:01
文字数:2,272

 仕事に打ち込むことしばし。いやー、アメリちゃんのみならず、他の子もいると思うと、筆がはかどりますなあ。


「カエル~!」


「アメリ、上手だね」


 おや。アメリちゃんが、カエル作りましたよ。


「見せてー」


「はい!」


 じゃん、とペーパーカエルくんを掲げる愛娘。おお、お上手!


「あら、かわいい! 上手上手~!」


 ぱちぱちと拍手。


「おねーさん、ミケのも見てよ。ハート作ったのよ」


 あら、ほんとにハートだ。


「可愛いね~。ミケちゃんも上手よー」


「ボクは、基本の兜を」


「クロちゃんもお上手!」


 拍手連発。


「クロ、次の教えて」


「ミケにもー」


「いいよ。えっとね……」


 三人とも、再びペーパーワールドに没入していきました。私も、お仕事ワールドに没入しましょう。


 すらすら……すいすい……。


「クロ、おはじきしない? ちょっと、折り紙飽きちゃった」


「ボクはいいけど、アメリはどう?」


「いいよー!」


 お、今度はおはじきですか。折り紙をしまう音と、バラバラとおはじきをばらまく音に続き、じゃんけんぽん。


 子供たちの悲喜こもごもな声と一緒に、かちん、かちん、とガラス同士がぶつかる小気味いい音が響く。


「よーし! 勝ったー!」


「お見事、ミケ」


「おお~! ミケすごい!」


 アメリとクロちゃんが拍手する。


「ミケちゃん勝ったの? おめでとー!」


「まーね!」


 私も拍手を送ると、胸を反らしてドヤってました。ほほえま。


「紅茶れてくるから、二回戦やろー。おねーちゃんも飲む?」


「せっかくだし、いただこうかな」


 アメリちゃん、かいがいしいですねえ。


 娘の働きを無駄にしないためにも、筆を進めよう。


 すらすら……。


「ただいまー。はい、おねーちゃん」


「ありがとう」


「みんなのも!」


 二人にお礼を言われるアメリちゃん。


 一服中につき、雑談中の三人娘。


「そうだアメリ、クロ。優輝が、今度サイクリング行きましょうって誘ってるけど、どう?」


 なんですと!?


「ミケちゃん。私、その話聞いてないわ」


「あれー? 神奈おねーさんたちにも、話いってるはずだけど」


 ええ~? LIZE起動。あ、ほんとだ。私のいないときに話が出てたわ。


 LIZEといえば、昨日は意識を取り戻したまりあさんが、例によって土下座モードだったっけ。まさか、ノンアルで酔うとは予測できないし、みんなおおらかだから、「気にしないでください。今後気をつけましょう」って書いてたけど。


「ごめんミケちゃん、入れ違いになってたわ。話の腰折ってごめんね」


「どーいたしまして。でね、T川っていうのが市の南にあるんだけど、そこへひとっ走りどうですかって」


「おお~。そんな川があるんだ」


 そういえば、猫時代含めて、あのへんにアメリ連れて行ったことなかったな。


「ボクも、あまり遠くまで行っちゃダメって言われてるんで、T川の名前は知ってるけど、あっちまで行ったことはないな。毎夏、花火大会してるんだよね。見たいな、花火」


「花火は別口で計画してるらしいわよ。で、神奈おねーさん」


「ほいっ!?」


 突然話を振られちゃいましたよ。


「神奈おねーさんが『はんぼーき』抜けるのっていつ?」


「うーん、少なくとも月末までには両原稿仕上がってないとだから、八月かなあ?」


「じゃあ、八月にどう? 優輝、神奈おねーさんのはんぼーき抜けたら、やりましょうって言ってたから」


 いやはや、私中心にスケジュール回していただいて恐縮です。


「アメリはいいよー。おねーちゃんは?」


「八月の初頭になるけど、かくてるの皆さん的には大丈夫なのかしら? ほら、コミットあるじゃない?」


「それは、おねーさんが直接訊いてちょーだい」


 ごもっとも。というわけで、LIZEにその旨書き込んでおく。


 さて、あとは子供たちで話し合ってもらうとして、お仕事しませんと。


 その後もわちゃわちゃと、T川とサイクリングについて話し合ってる子供たち。仕事に集中してる私は「なんか喋ってるな」程度の把握具合。


 あ、そうだ。


 ちょっと手を休めてLIZE起動。あ、やっぱり久美さんとまりあさんは不参加か。


 お二人は、当日どうされるつもりなんだろう? ちょっと尋ねておこう。


 あとは……近井さんご一家もか。ともちゃんが自転車乗れないから、当然といえば当然かな。


 私があれこれ思案・質問してる間に、子供たちはお茶を飲み終わって、おはじき・ラウンドツーを開催している模様。相変わらずの、悲喜こもごもと、小気味よい衝突音が聞こえます。


 どうも手が止まりがちだな。お仕事しませんと。集中~!


 すいすい……。


「やったー! 二連勝!」


「おお~。ミケすごい!」


「おめでとう。筋がいいね」


 アメリとクロちゃんが、拍手してます。私も、三人のほうを向いて拍手。相変わらず、ドヤってました。


 ほほえましいなあ。さて、お仕事お仕事。繁忙期は辛いね。来月は来月で、お盆進行だしなあ。


「むう~! V3取りそこなった~!」


 悔しそうな、ミケちゃんの声。第三ラウンドは、クロちゃんが制したようです。


 その後、三人は「大航海世代」へと河岸を変えた模様。


 アメリが紅茶のおかわりをれに、背後を通り抜けていきます。ミケちゃんが、代わりにセッティング。


 「ただいまー」と戻ってきたアメリに、皆で「おかえり」を言う。


 その後、三人は仲良く一勝ずつし、時刻も夕方に。夏は夕方になったのが、分かりづらいよねえ。


「それじゃー、バイバイ」


「さようなら。またいつでも誘ってね」


 二人はそれぞれ、家路につきました。


 あ、そうそう。久美さんとまりあさんは、サイクリング当日、二人で駅前にお買い物に行くそうで。どんなお話をするのか、想像しにくい組み合わせね。


 さーて、晩ごはん作って、お仕事して。ガンバルゾー!

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