神奈さんとアメリちゃん

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第三百六十四話 猫崎家の平和な半日

公開日時: 2021年9月27日(月) 21:01
文字数:2,209

 今朝は、アメリシェフ謹製ナポリタンをもぐもぐ。朝の私は大変スローモーなので、温かい食べ物はだいたい冷めちゃうのが難点だけど、ナポリタンはお弁当なんかにも入るから、冷めてもそれなりに美味しい。


 なにより、アメリちゃんが作ってくれたってーのが、サイコーに嬉しいじゃあないですか。


 当の本人はとっくに食べ終わり、テレビを視聴なう。あ。


「アメリちゃーん。お口にケチャップ付いてるー」


「おお? 拭いてくる~」


 サイドチェストの上に置いてあるティッシュを取りに行く愛娘。のどかですねえ。


 今日も天気予報含めた朝のニュースを見ていたようだけど、よく考えたらこの歳で朝の習慣がニュース視聴って大したものね。やはり「知」の子だわ、この子は。


「ただいまー。きれいになった?」


 隣に立って、お顔を見せてくる。


「うん、きれいになったよー」


「おお~。良かった~」


 再び対面に着席して、テレビ視聴再開。はつらつと動くアメリに対して、こちらはふわあ~と大あくび。


 ほんとに、弛緩した朝ですこと。ほんの一ヶ月と少し前に、大騒ぎしていたのがウソのようだね。


 もっそもっそとスパゲッティーを頑張って頬張り、やっとこごちそうさま。頭もだいぶしゃっきりしてきました。


「そんじゃ、後片付けして歯磨きしましょうか」


「はーい」


 今日も一日、頑張ろー!



 ◆ ◆ ◆



 本日は日曜日。子供組のほかの子はみんな習い事を始めてしまったから、今日はアメリの遊び相手がいない。


 うちの子にも何かやらせてあげたいところだけど、私が付き添ってなきゃいけないのだと難しいし、学習塾なんかはアメリの学習状況がいびつで、折り合いがつくかどうか。


 あ、そうだ。これだけで独学ができるかわからないけど……。


 「アルカリ売買サイト」で、二〇二〇年度の小学生向け教科書を探してみる。教科書も、その学年を終えてしまえば用済みになるから、格安で中古が出てるはずだ。


 おお、一年生向けのが捨て値のセットで出てる。ポチっとな!


「アメリちゃんや。小一向けの教科書を買ってみましたよ」


「おお? おねーちゃんの漫画の、学校で使ってたあれ?」


 話しかけると、漢字の書き取りを中断して顔を上げる。


「そそ。私や白部さんの口だけじゃ教え切れないことが多いからね。たとえば、理科とかそういう科目もあるんだけど、そういうの」


「おお~。新しいことが覚えられるんだ!」


 キラキラと瞳を輝かせる。ほんとに、「知」に生きている子だなあ。


「そうだね。楽しみだね!」


 アメリが嬉しいと私も嬉しい。良きかな良きかな


 そんなやりとりから、再度筆を走らせることしばし。不意にアラームが鳴りました! もうお昼か。早いなー。仕事してると、ほんとあっという間だ。


「アメリちゃん。お昼を作りに行きましょー。新しい料理を教えるよ!」


「おお? もうそんな時間?」


 娘も時間を忘れて勉強に熱中していたようで。


「うん。行きましょ、行きましょ」


 二人でとてとてとキッチンに向かうのでした。



 ◆ ◆ ◆



「さて、アメリシェフ。今日の料理は『ソーセージスクランブルエッグ』。とっても簡単です」


「そうなの?」


「うん。じゃ、実際作ってみようか」


 卵、ソーセージ、パンを冷蔵庫から出す。


「まず、フライパンを中火で熱して、バターをひと絞りなじませましょう」


「らじゃー!」


 チューブ入りバターをチューっと絞るアメリシェフ。


「続いて、ソーセージを……そうだな。四つにしようか。四つ焼いて」


 じゅうじゅう。


「はい、続いて焼ける前に、卵を二つ割り入れまーす」


 こんこん、かしゃ。という音が二回。


「菜箸でソーセージをひっくり返しつつ、卵をかき混ぜましょう」


 いい感じに出来上がっていますね。


「はい、卵がぼろぼろになる前に火を止めよう。まあ、固めが好みならそれでもいいけどね。あとは、『ストップ』って言うまで胡椒振って。……ストップ! よし、お皿に半分ずつ盛ってくださいな」


 じゃん! ソーセージスクランブルエッグ完成~!


「はい、なんとこれで出来上がりです。あとは、お塩かケチャップ、好きなほうで味付けするだけ」


「おお~! ほんと簡単だ~!」


「でしょ? あとは、バタートースト焼こう。やり方はわかるね?」


「うん」


 こうして、トーストもちーん!


「あとは、紅茶なり牛乳なりを注げばOK!」


「じゃあ、牛乳にする~」


 こうして、お昼だけどモーニングセット完成!


「はい、いつものいってみよう!」


「「いえーい!」」


 パチン!


 というわけで配膳後に着席。


「じゃ、音頭取りお願いします」


「はーい。いただきます!」


「いただきます!」


 私はケチャップで味付け。アメリもそれにならう。ぱくぱく……うん、美味しい美味しい。シンプルさが逆にいい感じです。


「良く出来てるよー、アメリちゃん」


「おお~! やったー!」


 キラキラ瞳。ふふ、ほほえま。


 和の朝食も教えようかなあ。そうすると、炊いてる時間がないからレンジ米が必要だねー。


 そんなことをカガエながら食事を終え、ごちそうさま。後片付け&歯磨きして、寝室に戻る。


 それにしても、今日はクロちゃんもミケちゃんもノーラちゃんも留守なのがネックよねえ。


 ……あ! いたじゃない、お友達!


 LIZEを起動し、近井さんにご挨拶!


「こんにちは。今日、お暇ですか?」


 近井さんも、ちょうど気分転換がしたかったとのこと。そこで、ともちゃんをアメリと一緒に公園で遊ばせませんか? と打診すると、快くOKをいただけました!


 こうして、今日アメリはともちゃんと公園遊びをエンジョイした次第です。良きかな良きかな

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