今日もペンを走らせふふっふ~。なんて呑気な脳内ソングを流していると、「そろそろお昼の買い出しに行きなっせ」とばかりにスマホのアラームが鳴りました。おおう、もうそんな時間ですか。筆がノッてると時間が経つのが早いねえ。
「ほーい、アメリちゃん。今日もお買い物行きましょーか」
「おお~!」
後ろで漢字の書き取りをしていたアメリに話しかけると、立ち上がってお出かけの準備を始める。
アメリにもそろそろ新しいお勉強教えてあげたいなあ。繁忙期だけど筆の進みも快調だし、少し時間作って教えてあげようかな。
ともかくも、今はごはん優先! いつものスーパーにれっつらごー!
◆ ◆ ◆
というわけで、やって来ましたいつものスーパー!
チラシチェーック! 鶏もも、お野菜各種、練り物がお安いですって。特に大根が安いなー。
とりあえず大根は抑えておくとして、ここからどう組み立てるか。煮物なんかも良さそうだけど……。煮物、煮物……あっ! うち、今年お雑煮まだ食べてない!
丸餅入れたお味噌汁に花鰹をかけただけという、超絶シンプルな福井式のならお手軽だけれど、こうして大根だの鶏ももだのが安いし、東京式で作ろうかな。お餅もすぐに傷むわけじゃないけど、なんとなく一月のうちに消費しておきたい。
よし、昼夜はお雑煮祭りといきましょー!
となると、鶏もも、大根、里芋、しいたけ、人参、小松菜、紅かまぼこ……。こんなもんかな? 三ツ葉も買っちゃおー! 小松菜とかまぼこのお吸い物とかも作ったら美味しそう。
さて、こちらはこんなものだけど。
「アメリは何か買いたいものあるー?」
「ん……これなーに?」
アメリが手に取ったのは、駄菓子コーナーの「バルーンガム」。
「それ、ガムっていう、飲み込まずに噛んで味わうお菓子だよ。そのガムは、ちょっとコツがいるけど風船みたいに膨らませられて面白いの」
説明すると、「おお~!」と瞳を輝かせてグレープ味を一個かごにイン。アメリちゃん、お小遣い派手に使わないよねー。
それじゃ、お会計して帰りましょうか。
◆ ◆ ◆
ただいまを言って、手洗い&うがい。アメリのこないだの予防接種も検査も特に異常なかったし、今月も大過なく過ごせるといいなあ。
ノーラちゃんも、お注射を多少我慢できるようになったようで何より。
そのへんの雑感はさておき、お昼を作り始めるとしましょうか。レシピ動画&脳内BGMスイッチオン!
お水を張った寸胴鍋と中鍋を中火にかけ、温めまーす。で、今のうちに仕込み!
「アメリちゃん、お仕事です。手分けして具材を切っていきましょう」
「おお~!」
「まず、大根と人参の皮をピーラーで剥いてくれる?」
必要ぶんを切って渡すと、「りょうかーい!」と、しゅっしゅ皮を剥いていく彼女。私は同時進行で鶏ももの皮を外し、ひと口小のサイズに切っていく。これに、お醤油と料理酒を小さじ一杯ずつふりかけておく。
「できた!」
「お上手! じゃあ、このしいたけとかまぼこを五ミリ……このぐらいの厚さに切ってくれるかな?」
洗ったしいたけの石突きを取り、かまぼこは包丁の背できれいに板から剥がし、彼女のまな板に乗せる。
「まかせて!」
一所懸命切るアメリ。
最近は見ていて危なっかしさがなくなってきたので、私は私で大根と人参を適量扇状に切り、さらに小松菜も切って中鍋でさっと茹でる。その後、小松菜は流水に晒す。
「これでいい?」
出来栄えを尋ねてくるアメリ。ちょっと不揃いだけど、上出来!
「オッケーよアメリちゃん! その調子! じゃあ、大きいお鍋に大きいほうの鰹節を、軽く一掴み入れてちょうだい」
「わかった!」と投入する彼女。今のうちに、里芋の皮を剥き面取りする。これも中鍋に入れ、三分煮る。
「沸騰しそうになったら火を止めて」
気泡音が聞こえてきたのでお願いする。「はーい」と火を止めるアメリ。
さあ、ここからは私のオンリーステージだね!
まず、玉杓子で沈んだ花鰹を除去。再度中火にかける。続いて、顆粒の昆布だしを投入。似終わった里芋を取り出し、これも流水に晒す。
で、大根、人参、里芋、しいたけを寸胴鍋に投入! 沸騰したら、ももとかまぼこもイン!
アク取りをしつつ、具材が柔らかくなってきたら、醤油、料理酒、みりんを2:2:1の割合で適量投入。塩で味を整えて……うん、こんなもんかな?
お餅をレンチンしてお椀に入れ、具とつゆを注ぎ、最後に小松菜と三ツ葉を添える。
完成~! はー、つっかれたー。でも、アメリのおかげでだいぶ助かったわ。
「手伝ってくれてありがとう、アメリ。おかげで、すごくスムーズにできたよ」
にっこり微笑んで頭を撫でると、「えへへ」と照れくさそうにもじもじする。可愛い。
「じゃあ、お茶を淹れたらいただきますしよっか」
お茶を注ぎ、エプロンを外して対面に座る。
「「いただきます!」」
ごくっ。まずはおつゆの具合から。うん、いい味だと思う!
お野菜たちも、ちょうどいい柔らかさ。これに、もも肉の旨味とかまぼこの歯ごたえが実にいい塩梅。
「美味しい!」
「ありがとう。アメリも手伝ってくれたおかげだよ」
お陽様笑顔のアメリに、ふふと微笑む。
「晩ごはんのぶんもあるからね。今日はお雑煮……この料理の名前ね、の日だよー」
使いきれなかった野菜などは、明日にでも別の料理にすればよし!
ふう。美味しゅうございました。
二人でごちそうさまを言い、お茶を飲みながら雑談に花を咲かせる。
大好きだしやりがいのある仕事だけど、大変でないといえば嘘になる。しかし、こうして愛しのアメリがいてくれるだけで、体にすごく元気が湧く。アメリさえいれば私にエナジードリンクは不要だね!
さーて、お片付けと歯磨きしたらお仕事頑張りましょ!
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