「こんにちは! 今日は、いい肉の日ですね!」
十一月二十九日の午前十時頃、バンザイ猫スタンプとともに優輝さんからこんなメッセージが唐突に届きました。
「というわけで、お昼にうちでBBQしましょう!」
続いて、サムズアップ猫スタンプとともに優輝さんイズムあふれるご提案。
「こんにちは。じゃあ、お肉買ってきますね」
優輝さんのことだから、またおごりを言い出すだろうと思い、先手を打たせていただく。
「えー!? ここは、うちが持ちますよ! 言い出しっぺでホストですからね!」
再びサムズアップ猫スタンプ。テンション高いなー。まあ、こう仰ると思ったので秘策があります。
「まあまあ。みんなで持ち寄ったほうが、より楽しいじゃないですか」
するとしばし間があって、「一理ありますね……」と悩み猫スタンプとともに返信が。うんうん、彼女の根幹って「みんなで楽しみたい」だから、そこを攻めればいいのよね。
「というわけで、スーパーまでひとっ走りしてきますね!」
と返す。「いってらっしゃーい」と、優輝さんがサムズアップ猫スタンプ三度。そういえば、このスタンプ買うのすっかり忘れてた。まあ、あとでいいか。それより、お肉お肉!
「アメリー。お隣さんでバーベキューするよ! 今日はお肉持っていくから、スーパー行くよー!」
ブロック遊びをしていたアメリに話しかける。
「おお~! 行く行く~!」
すっくと立ち上がり、拳を突き上げテンションアゲアゲ! では、れっつらごー!
◆ ◆ ◆
やって来ました、いつものスーパー! チラシチェーック!
おお、いい肉の日だけあって、お肉全般が安い! 気が利くぅ!
何買っていこうかなー。まず、結構いいカルビ肉。うん、これはとりあえず抑えておきたい。今まで何度もごちそうになってるから、せめていいのをご提供したいよね!
あとは、変わり種を一個持っていきたいな……。お、こちらも結構いいハム。これ、厚切りにして焼いたら美味しいんじゃない? こちらもかごにイン! う~、私までテンション上がるなあ。
バーベキュー用のメンバーは、最後に瓶ビール。これも持参していきましょ。アメリにはコラ・コーラ、と。
お昼がゴージャスだから、夜は軽めでいいよね。いい肉の日ということで、ベーコンエッグでいこうかな。千切りキャベツも買って……よし、こんなもんかな! お会計して帰りましょー。
◆ ◆ ◆
さて。戻ってきたはいいけど、お昼までもうちょっとあるね。LIZEのチェックでもしましょうっと。
おお、まりあさんと白部さんもご参加されるそうで。白部さん、土曜がふさがって今日が空いてたのね。良き哉良き哉。
「ただいまですー」
と打ち込むと、皆さんから「おかえりなさい」と返信が来る。まりあさんだけ既読が付かないな。多分、こちらに来る準備をしているのでしょう。あ、そうだ、今のうちに例のスタンプ買っておきましょ……よし、購入完了!
「私もスタンプ買っちゃいましたー」
バンザイ猫スタンプとともに送ると、「おお~!」「いいですね!」などと、メッセージをいただく。ふふふ、これで私も猫スタンプ勢の仲間入りです!
そんな感じで雑談で時間をつぶすことしばし、もうすぐ正午。これから向かう旨を述べ、アメリと一緒にお肉とビールを手にお隣へ!
「こんにちは~」
改めてご挨拶。かくてるの皆さんとミケちゃんも、ご挨拶を返してくれる。ややあって白部さん、更に少し遅れてまりあさんがやって来ました!
皆で、「こんにちは」とご挨拶を交わす。
「すみません、少し遅れてしまいました」
恐縮するまりあさん。
「いえいえ、わたしがお迎えに行けばよかったですね。ご提案しようと思ったら、ご連絡がつかなかったもので」
と、由香里さんがフォローを入れる。
「ああ、多分入れ違いになってしまったんですねー」
と、会話を繰り広げる二人。
「白部さん、あれからノーラちゃんいかがですか?」
優輝さんたちがグリルの面倒を見ていて手が離せないようなので、ちょっと所在なさげにしている白部さんに話しかける。
「はい、とっても元気ですよ。うちにすっかり馴染んだのか、もうやんちゃなぐらいで」
口に手を当て、ふふと微笑む彼女。
「良かったですねー。白部さんのお株を奪っちゃいますけど、元気が一番ですね!」
そんな会話をしていると、「火が点きましたー」と優輝さんの声。お肉を取り出すと、まりあさんと白部さんも持参のお肉を取り出す。
「じゃあ、難しい挨拶は抜きにして始めましょう!」
優輝さんの合図で、かくてるの皆さんがコップ入りのビールを配ってくれる。ミケちゃんにはアルピス・ソーダ。まりあさんも、自分とクロちゃんのお茶を用意してきたみたい。
「全員、飲み物受け取りました? ……うん、大丈夫みたいですね。それじゃ、カンパーイ!」
引き続き優輝さんの音頭取りで、コップを掲げる一同。私が渡したお肉も、グリルの上でじゅうじゅうといい音を立て始めている。
「ちょっといいお肉買ってみました。今までのぶん、召し上がってくださいね」
「いやー、ありがとうございます! ……うん、美味しい!」
焼き上がると、さっそく箸をつける優輝さん。彼女は厚意というものに対して、送り手としても受け手としても屈託がない。いい意味で遠慮がないタイプで、ほんと快活を絵に描いたような人。
私も、誰のお肉かわからないけれど、適当なのをいただきましょう。タン塩ね、これは。うん、美味しい~。
「あ、それわたしのです。いかがですか?」
まりあさんが、具合を尋ねてくる。
「美味しいです~! いいタン塩ですね!」
笑顔で答えると、まりあさんも「ありがとうございます」と笑顔で返してくれる。
ここで、ビールをぐびっと! 効くぅ~!
続いてホルモンをいただく。こちらは白部さんが持参されたとのこと。これまた美味しい。
「美味しいです、白部さん」
と伝えると、彼女も「ありがとうございます」と笑顔に。笑顔の連鎖。とってもいいね!
「ハム、これ神奈さんのっすよね。美味しいっす~」
さつきさんは変わり種に心引かれたのか、ハムを食んでいる。
「ありがとうございます」
「神奈サン、焼酎イケる口?」
「あ、はい。あまり飲まないですけど、いけるほうです」
久美さんから尋ねられ、返答する。
「おお、いいね! 鹿児島のいい芋焼酎が手に入ってさ、グッといってよ。ストレートと水割り、どっちがいい?」
「じゃあ、水割りでお願いします」
久美さんが別のコップに入った焼酎を手渡してきたので、グッといきました。くぅ~! 喉が熱い!
「美味しいですね!」
「だろ? いいよなー、これ」
しみじみ頷く彼女。
アメリも、子供同士でおしゃべりを楽しみながら、お肉をいただいている。由香里さんが子供たちのオーダーを聞き、望みの物をお皿に載せていく。
平和だなあ。そして、楽しい。人とのご縁の、実に素晴らしきこと。こんな幸せな日々が、ずっと続きますように!
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