T総の検査を終え、戻ってきたところ、真留さんからメールが届いていました。「猫耳幼女育児日記」が、アンケート初報で非常に高い評価を得たとの知らせ。
このため、編集会議を開いたところ、編集長も「新・あめりにっき」への移行に非常にノリ気で、真留さんから最終意思確認をされた次第。
自分でいうのは傲慢かもだけど、「あめりにっき」は「ねこきっく」の看板作品、屋台骨。それをかけかえる最終責任が、改めて私の一存に託された。
今のあめりにっきには愛着もあるし、描こうと思えば描き続けられなくもない。
でも、この機会を逃したら、「新」に移行するタイミングを失うかもしれないというのもある。
悩みながらも、同時に筆を走らせること一時間。意を決して、「新・あめりにっきに移行します」とお返事。
これで、今のあめりにっきは、来月で畳まなければいけなくなってしまった。
大変は大変だけど、今描いている原稿は、そういうこともできるようにしてある。
八年間ありがとう、あめりにっき。最高の出来で、終わらせてあげるからね。
◆ ◆ ◆
「こんにちは! いや~、失敗しました~」
続いて、コーヒー牛乳片手にLIZEのチャットに入ると、なにやら優輝さんが、がっくり猫スタンプとともに嘆いておりました。
「どうしたんですか?」
「花火大会、七月に終わってまして……」
ああ、そういえばいつもそんな時期だった気がするなあ。
「だから言ったじゃん。聞いてなかったんか、お前」
「すみません。忙しくて、上の空でした。あと、てっきり八月だと思いこんでて」
久美さんに突っ込まれて、がっくり猫スタンプ再び。
「まあ、会場S区と神奈川らしいんで、子供たち連れて行って帰ってくるとなると、時間的にかなり無理がありましたけどね」
S区。久美さんと、さつきさんの地元だね。
「で、ですね。代わりといっては何ですけど、次の三つを企画しています。公園で花火遊び、夏祭り、流しそうめん!」
ふさぎ込んでいるかと思ったら、今度はバンザイ猫スタンプ。
「F市のお祭りを調べたら、ちょうど今日から三日間、大穴牟遅御霊神社とけやき通りを使って、お祭りしてるそうじゃないですか。今日は無理かもですけど、明日にでもどうでしょう、皆さん?」
「私は構いませんよー。ただ、何時頃行くんです?」
まず、話にひと乗り。
「ミケが帰ってくるのが夕方なんで、それ以降ですね。ただ、多分駐車場が満杯になると思うので、バスで行かないとですけど」
「クロちゃんも、そのぐらいには帰ってきます。でも、八時には終わらないと帰れなくなりますね……」
優輝さんの説明に、難色を示すまりあさん。
「さすがに……五時に着いたとして、三時間も遊べば十分じゃないですかねー? 二日ありますし」
「まあ、そうですね。三時間立ちっぱなしというのも辛いですし」
優輝さんとまりあさんで、お話がまとまったようです。
「親子さんはいかがでしょう?」
「そうですねえ……八時には友美を寝かせたいので、七時には上がってしまいますが、それでよろしければ」
「もちろん、オッケーです! 白部さんはいかがですか?」
「問題ないですよ。ノーラちゃんに、お祭り経験させてあげたいですね」
白部さんとも、話がまとまる。
「了解でーす! じゃ、お祭りは明日行きましょう。近所で花火は……まあ、いつでもできますね。月曜にでもやりましょうか。流しそうめんは夜できないので、水曜、二十五日のお昼にやりましょう!」
一同賛成!
「ちなみに、器具はどうするんですか?」
「ふっふっふっ。任せてください。五人で自作しました! テストもバッチリです!」
サムズアップ猫スタンプが貼られる。
いやはや、凝り性だなあ。さすが、イベント大好きガール。
「そういえば、ノーラちゃん、二十九日にクラブ内の練習試合ですけど、出してもらえることになりまして」
一同から、「おめでとうございます!」のメッセージ。
「おー、任せろー! 大カツヤクしてやるぜー!」
本人も、意気軒昂ですねえ。
「なので、二十九日はちょっと、揃って伺えなくなってしまいます。猫崎さん」
「なるほど。了解しました」
試合の結果、聞くのが楽しみ~。
「あと、忘れちゃいけないのが、来月三日の、アメリちゃんの誕生日ですね! 腕によりをかけますよー。プレゼントもお楽しみに!」
優輝さんの、サムズアップ猫スタンプ。
「私にも、お手伝いさせてもらえませんか?」
「人手は足りてますよ?」
「いえ。やっぱり我が娘のために、一つでも多くのことを、してあげたいなあって思いまして」
「なるほど。そういうことでしたら、お願いします」
お辞儀猫スタンプをいただく。
「ありがとうございます。楽しみです!」
こちらは、バンザイ猫スタンプで返す。
予定を固めた後は、しばし雑談。なかなか盛り上がったけど、私もまりあさんもお仕事があるので、一足先に落ちさせてもらいました。
楽しみなことが、いっぱいだなー。良き哉良き哉。
イベントを楽しむためにも、お仕事頑張りましょー!
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