神奈さんとアメリちゃん

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第四百十話 十度再来! 猫崎飯店!

公開日時: 2021年11月17日(水) 21:01
文字数:2,096

 そういえば、そろそろお父さんにネクタイとアメリの手紙が届いている頃かな? LIZEをチェックしてみよう。


 あっ、メッセージきてますよ!


「神奈、それにアメリもプレゼントありがとう。大切にするよ。アメリには直接お礼の手紙を送るからね」


 良かった~! 喜んでくれてる!


「アメリー、お父さんがお礼の手紙くれるって!」


「おお! おとーさん、ありがとー!」


 ベッドに腰掛け本を読んでいた愛娘に伝えると、顔を上げキラキラ瞳とお陽様笑顔を向けてくる。良きかな良きかな


 もう十一時か。今日の私は、八宝菜気分。八宝菜を作りましょー!


「アメリー、お買い物行くよ~」


「おおー!」


 というわけで、炊飯のセットをして、雨中、車で買い出しに出かけるのでした。



 ◆ ◆ ◆



 ただいまっと。


 いやー、白菜は時期外れだけど、小エビとイカが安くてラッキー。


 ごはんが炊けるまでもう少し。着替えを済ませましょ。


 おなじみスウェットの気楽な格好になると、ほどなくしてスマホのアラームが鳴ったので台所へGO!


 では、材料を出していきまっしょい。


 豚コマ、イカ、小エビ、白菜、人参、しいたけ、たけのこ水煮、ヤングコーン! ……プラス、うずら卵の水煮。これじゃ、九宝菜ね。どうでもいいけど。


 ま、どうでもいい突っ込みはさておき、作りましょうか。


「おねーちゃん、アメリが作るー!」


「うーん、今日は一緒に作りたい気分なんだけど、ダメ?」


「いいよー!」


 というわけで、作業分担。アメリちゃんにはお肉系とヤングコーンのカットをしてもらうことに。大きさの指示をを出して、あとはお任せ。


 アメリちゃんも、すっかり電子レンジを使いこなして、イカを解凍しています。日々成長していく愛娘に、心中ほろり。


 私の担当は、白菜、人参、しいたけ、たけのこ。それと、調味料。


 白菜は一口大に。人参は二センチ幅の短冊切りに。しいたけは石突きを取って細切りに。たけのこも薄切りに。たけのこはだいぶ余っちゃうから、先っぽの方を薄切りにして少し別の用途に……。残りは、あとでまたなんか別の料理に使おう。


 アメリの様子は……あとちょっとってところかな。


 調味料を調合しておきましょう。


 料理酒大さじ一杯、お砂糖小さじ一杯、オイスターソース小さじ二杯、顆粒鶏ガラスープの素小さじ一杯半、塩胡椒少々。これを合わせれば、調味料はOK。


 あとは、水溶き片栗粉とサラダ油を大さじ二杯ずつ。


「できたー!」


「ナイスタイミングです、アメリちゃん。では、たけのこの先っちょのほうと溶き卵で、中華スープ作ってくれますか?」


「らじゃー!」


 しゅびっと敬礼して、作業に取り掛かる我が子。これだけの指示で、中華スープを作れるようになってるのだから、すごい。


 では、こちらはこちらで、まずは豚肉から炒めましょ~。


 中華鍋を中火で熱して、油をなじませ、一口大に切られた豚肉を投入~。


 じゅうじゅう……。ん、火が通りましたね。では、強火にして残りの八宝も投入~!


 しんなりしてきたら、お水と調味料を入れまーす。中火に戻して五分グツグツ。


 アメリはどうかな……? 順調みたいね。良きかな良きかな


 イカに火が通って、人参が柔らかくなったら水溶き片栗粉イーン!


 とろみがついたら、火から下ろしてお皿に盛っていきまーす。


 うーん、美味しそう!


 アメリもほぼ同時に、お椀に中華スープを注ぎ中。


 では、ごはんでもよそいましょうかね。


 よっし、出来上がり~!


「「いえーい!」」


 おなじみのハイタッチ!


 エプロンを外し、同時に着席。ふふ、息ピッタリね、私たち。


「「いただきます!」」


 合唱し、ぱくっ!


 うーん、愛の共同成果物、美味しいですねえ!


 お野菜は程よい硬さ、お肉やイカ、エビもジューシィ!


 八宝菜といえば、うずらの卵よね。これが美味しいんだー。


 続いて、アメリちゃん謹製のスープをば。


 うん、ちゃんと作れてますねえ!


「美味しいよー、アメリちゃん!」


「おお! 頑張って作ったかいがあった!」


 互いに、お陽様笑顔を向け合う。ほほえま空間~。


 思えば、この一年弱で、和・洋・中といろいろ作ってきたな~。今度さつきさんに教わって、エスニック料理でも作ってみようかしら? バインミーは教わって作ったことあるけど、それ以外のもマスターしてみたい。


 それにしても彼女、ボルシチまで作ったり、ほんと色んな料理と調理法ご存じよねー。ピーツとか、どこで手に入れてくるんだろう?


 などと素朴な疑問を抱きながら食事してたら、食べ終わってしまいました。


「ごちそうさま」


「おお、おねーちゃん。アメリももうすぐ食べ終わるから、待ってー」


「うん、いいよ」


 もぐもぐごはんを食べるアメリを、じっと見る。ごはんを美味しそうに食べる女の子って可愛いよねー。それが猫耳とあれば、なおさらだ。思わず、顔が緩んでしまう。


「ごちそーさま!」


「お疲れ様でした。じゃ、食洗機のセットしたら、歯を磨こうね」


「はーい!」


 歯磨き作戦開始! ……ニン! 今日もきれいな、白い歯!


 そうそう。白部さんによると、猫耳人間の口にはミュータンス菌とかいうのがいないので、虫歯にならないのだとか。


 とはいえ、食べかすなんかが歯に詰まっていてもあれだし、歯磨きは大事よね。


 そんじゃ、もうひと仕事頑張りましょー!

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